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男の子

作者: らすく

 ~~~~~ 最近変質者が出没しているらしい ~~~~~

 「ふーん。」

 私はトーストを咥えながら声を漏らした。

 ~~~~~ しかも出没している地域は私の住んでいる町らしい ~~~~~

 「・・・・。」

 流石に絶句した・・・。

 自分で言うのもなんだが、この私はまあまあのルックスの女子高生である。まあまあとは、多分狙われる対象になりうる、という事だ。

 人から思い上がりも甚だしい、と言われるかもしれない。畝ぼれもいい加減にしろ、と言われるかもしれない。でも本当にそう思うのだから仕方がない。

 通りすがりの人に性的な眼で見られることもある、と思う・・・多分・・・・。

 まあともかくその変質者が逮捕されるまでは、人通りの少ない場所には行かない方が無難であろう・・。

 「千佳。遅刻するわよ。」

 「は!!」

 母のその声で私は我に返った。

 朝っぱらから何を馬鹿な事を考えていたのだ、この私は。

 私はとトーストを口に押し込み、急いで登校したのだった。


 ===== 私は1人で歩いていた =====

 それも人通りの少ない道だ。

 どうしてそんなところにいるのか・・・。

 私は期待していたのだった。

 (・・・・・。)

 そしてその期待は、間もなく叶った・・・。

 (はっ・・・。)

 強い握力で私の肩を支配する者が現れた。

 「ああ!」

 乱暴に私は地面に転倒させられた。

 (本当に現れるなんて・・・!)

 自ら望んだ事とはいえ、いざその場になると私は困惑した。

 (私はどうなるの・・・。)

 身体を激しく動かすものの、私は本気で抵抗していなかった。

 そして男は私に馬乗りになった。

 (ああ・・・・・。)

 予想はしていたものの。改めて自分の置かれている立場に、絶望していた。それがたとえ自分が潜在的に望んでいた事だとしても・・・。

 醜い顔の小太りの中年男性だった・・・。私はこんな男に汚されるのだ・・・。

 無理やり開けさせられたシャツはボタンが取れており、そこから背伸びした黒い下着が覗いていた。

 成長途上な胸を揉みしだかれる。

 そしてチェックのスカートも降ろされた。私は身体をくねらせるだけで、抵抗の気持ちは無かった。

 もう私は・・・。

 ===== 破滅を楽しんだ =====


 キーンコーンカーンコーン

 やっと今日の授業が終わった。本当に退屈な一日だった。

 余りにつまらないので、いつものふしだらな妄想をしてしまった。これも今朝の変質者のニュースのせいである。

 まあいつもの事なのだが。とりあえず帰宅しよう。別に私は部活動をしている訳じゃない。それに運動部を見学というか、覗いていこうとも思わない。別に気になる殿方などいないのである。

 私な気楽な一人の女子高生。

 (家に帰って、漫画でもみてよーっと。)

 「ふう。」

 溜め息がでる。何故なら私は、このワンパターンな毎日に嫌気がさしていたのからなのであった。

 しかしその退屈は、直ぐに解消されることになるのであった。

 「えっ!?」

 私は人間に尻を触られる感触を覚えた。

 「あっ!!」

 私の尻を触った犯人の後姿だ。しかも小学生くらいの男の子だった。そのまま男の子は走り去っていった。

 (・・・・。)

 なんなのだろうか。不思議な気持ちである。どうしてだろう。何やら懐かしい・・・。

 そしてこれは始まりであった。


 ~~~~~ その翌日の帰り道 ~~~~~

 私はドキドキしながら歩いていた。そして突然。

 「きゃっ!」

 背後からいきなりスカートをまくり上げられた。

 そしてまた私は犯人の後姿を確認したのだった。昨日の男の子だ・・・。


 ~~~~~ その翌々日の帰り道 ~~~~~

 「あん!?」

 今度は背後から胸を触ってきた。その力が弱いので、むしろいやらしい気分になった。

 またしてもあの男の子が走り去っていく後姿が・・・。

 私は胸に手を当てて、ただ見送るだけであった。。


 その日の夜、私はあることを思い出していた。

 ~~~~~ それは私の小学生の頃 ~~~~~

 私にちょっかいをかけてくる男の子がいた。

 お尻をさわってくる。

 スカートをめくる。

 胸をさわってくる。

 勿論、私は嫌がっていた。でもその時は分からなかったのだ。

 実は私には別の感情があった。

 気がつけば私は、その男の子を求めている様になっていた。

 でも不思議なのだ。思い出は鮮明に覚えているのに、どうしても思い出せない事があるのだ。

 ===== その男の子の顔が思い出せない =====

 疲れた私は、そのまま眠りに就いた。

 

 ===== そのまた次の日の帰り道 =====

 とある決意を私は心に秘め、歩いていたのだった。

 今度は私の太ももを背後から触ってきた。しかもスカートの中に手が入っていた。

 またしてもあの男の子だ。

 今日は私は男の子を全力で追いかけた。

 流石に高校生である。私は男の子を捕まえる事に成功した。

 観念したのか男の子は私の方に振り向いた。しかし・・・。

 「ぎゃ!!」

 私は驚愕した。その男の子の顔は醜悪な中年男性、そのものであった。

 (こんな訳が・・・。)

 ショックで私は気絶した。


 (はっ・・・。) 

 「あっ。気が付いた。」

 気絶していた私は、通りすがりの人に介抱されていた。特にけがもなく無事であった。

 私は事情も離さずに、その人に感謝の気持ちを伝えてから、そのまま帰宅した。

 

 ~~~~~ その日の夕方 ~~~~~

 女子高生にワイセツ行為をはたらく中年男性が逮捕された、というニュースをテレビでみた。その男性の顔をみた私は凍りついた。

                        

                            ~ 男の子 ~ <完>

 

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