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生活改善をしよう、そうしよう。まず食糧だけど。







 「生活の質をあげようと思う」


 ピコとクーに宣言する。


 そうだ、無人島生活とはいえ、何日だ?ここでいままで生き延びているので、少し自信が付いたような気がする。その分王族として何かが消えていっている気がするが。


 「そうなの?何するの?」


 「どんな計画で、そんな頭になったのですか?」


 二人が疑問を出してくるので、説明してあげよう。


 「まず、ここは無人島だ、なのでここから自力で脱出するのは本当に困難だろう、なので」

うんうんと二人。


 「待つ、救助を待って、城に帰る、単純な崇高な完璧な計画だ」


 「そっかー、うん?どういうこと?ライは何するの?」


 「すごく他力本願な計画?ですね、そもそも計画とは言えないような気がしますが」


 あれ、なんだか微妙な雰囲気だな。でも本当にここからどうやっても私では出れない気がするからだ。そもそも船なんて作れないし、絶対泳げない。そもそもどこに国があるかもわからないのにどう進めと?


 「まあ、いいよ。じゃあ今日は何をするの?」


 「食糧探しだ!」


 「昨日もしたよ、その前も。今日も何か食べるの?昨日食べたのに」


 腹ペコさん?とほっぺをつついてくるピコ


 「人間は毎日、毎食食べるんだよ!夏なのになんだか寒い感じがするのは、ちゃんと食べていないからなんだよ!たぶん!」


 そう、昨日の夜の寒さは多分ちゃんと食べれていないからだと思う。騎士訓練の先生に旅の中で、冬場の食料困難は本当に命の危険があると教えてもらったからだ。


 ちゃんと食べるものを選び食べないと寒くなったり力が出なくなると。

冬場は特に危ないと言っていた。

まあ、今は夏だが、確かにここにきてあともに食べたのは果物ぐらいで、貝も少ししか食べれなかったからだ。


 なんだか、腹の肉や腕が細くなって気がするし、このままでは危険な感じがする。


 まず生き残るためには食糧と、水、安全な寝床がいる。そうして救助を待つ。


 完璧な計画だ。


 「まあ、いいでしょう。何が欲しいのですか?食糧といっても何があるか、、、。」


 「パンとは言わないが、ちゃんとしたものを食べないといけない気がする」


 「まあ、確実にパンはないですねどね。うーん。いも、とか?」


 「芋、スープなどで食べたことがあるぞ。あるのか?」


 「さあ?」

ねーっとまた二人で顔を見合わせている。なんだがイラっとするがいつものことで。


 「この島で食べれる野菜?が欲しいなって思っているの何かない?」


 「野菜、かあ。あ、砂浜のあれとか?」


 ピコはそういって森と砂浜の境ぐらいに群生してる植物を指さす。


 緑色で、ギザギザしたはっぱをしており、茎からなんか棒がデコボコしたものが一定の間隔でついている。


 根っこは砂浜に生えており、なんとなく堅そう。


 「春とかはね~紫とか白色の花が咲くんだよ、きれいで好き。今はないけど種ができているね、これ」

デコボコしている棒を指して言うピコ。


 「食べれるの?」


 「おじさんが食べているのを見たことあるよ、煮てたり。おいしいとは言ってないけど」


 そうか、でも貴重な食料になりそうならば一応取っておくか、と大きめのものを引っ張ってみる。

砂に生えているので想像以上に簡単に取れた。

根っこは少し太くて白っぽい。


 「これ、葉っぱ食べるの?」


 「うーん、緑のところを食べているの見たことあるから、葉っぱかな?」

ギャアと鳴くクー肯定かな?


 あと数本取っておく。


 そのほかは、今は思いつかないということで、先日チャレンジした貝をもう一度どうにかしようと思った。


 この貝の何が嫌って砂があるということだ。


 ということは、身を砂は切ってしまえば出すことができるのではないか?と考えて実行する。


 「そうはいってもどうするんですか?」


 「ピクニックセットのナイフで切ってみようかとおもって」


 「そうですか、うまくいくといいですね」


 なんておしゃべりしつつ作業に入る。


 大き目の貝を見つける。私のこぶし大から手のひらの大きさもあり、大収穫だった。


 生の状態ではこの貝をぱかっと開けれないので、まず茹でてぱかっとしたら、実を取り出し、ナイフで前食べたときに感じた場所を切ってみる。ナイフは鋭くないのでなかなか切れないし、茹でたせいか弾力が有り余る。


 気が付くと、なんだか実が小さく切り刻んでしまったようだ。


 でも、一つ分かったことがある。


 弾力のある、白っぽいとこは砂がないことだ。


 2回目以降はこの部分を集めて食べてみた。弾力はあるが薄く塩味が付いており、とてもおいしく感じた。


 砂があるっぽいものは横によけて置く。そのうち海に捨てるか、海で洗ってみようか。砂落ちるかも。


 そんなことをしていると、ピコとクーがこちらに帰ってきた。


 クーが何か持ってきている。棒状の物とくちばしに何か?


 というか、片足使って棒を持ち、そのまま飛ぶとは、すごい器用だな。


 少し感心していると足元にポイっとその棒を置く。


 棒と思っていたのは、釣り竿のようだ。何かしらの塗装があるように見えるが、そもそも木製で結構朽ちているし、その先のあるはずの糸や針がない。


 「釣り竿あったから持ってきたよ!魚釣ればいいんじゃないかなって。私頭いいでしょ?」


 「そうだね、頭いいねピコ、でも針と糸は?」


 その時、黙っていたクーがくちばしの中に入っていたのか針を出した。金属製の針で少しさびているが使えそうだ。


 「糸はさすがに朽ちて使い物にならない状態でしたけど、これならどうですか?さあ、ほめてあげてください」


 「え、ああ、うん。すごいなピコ。ほんと頭いいよ」


 「えへへ、ありがと。私はいつも気が利くからね!」


 「ウン、ソウダネ」


 「もっと、ほめてあげてください」


 「もっと?え、うん、いつもかわいいね!?」


 「うふふふ、クーも」


 「クーも?力持ちだね。手触りいいね。赤と青ってその羽自分で選んだの?なんで舌ないのにしゃべれるの?なんで筋肉ないのに動くことができるの?なんで敬語なの?えっと、」


 「あー、クーのほうが多い、贔屓だー」


 「いや、ほめてませんけどね、なんか、ディスられた気分になります」


 思いつかなくて、とりあえず思ったことをクーにぶつけたら文句が出た。


 そもそも私自身心より褒められることも少ないし、褒めたことがない私が誰かを労うことなんてできるはずがない、という変な自信が私にはあるからな。


 なんて、変な会話をしていたあとはやはり魚釣りだろう。


 幸い竿と針があるのであとは糸を準備すれば使うことができそうだが、魚釣りの糸って何で作られているんだっけ?


 この中でまだ頭いいクーに聞いてもわからないという。


 「まあ、私鳥ですので。釣りなどするはずがないでしょう?とりあえず髪の毛でも使ったらどうですか?」


 髪の毛って、すぐ切れそう。というか、お前絶対鳥じゃないだろ。魔物か何かだろ。


 うーん、昔聞いた話では、馬のしっぽとか使ったりもしてたらしいけど、そんなものは無いし。

とりあえず、手持ちで糸っぽいのは布の糸ぐらいなので。


 寝床に帰り、ベットにしていた船の帆の端を糸に戻そうとする。


 ナイフや手で寄り寄りして、一応私の身長の3倍程度の長さの糸ができた。


 途中切れたり太かったりするが、ご愛敬だ。


 竿と針に糸を付けると、まあ、釣り竿の完成だ。糸がふわふわするので大丈夫かな?と思ったが、一度やってみようとおもう。


 餌は、食べた後の貝の中身でいいとクーが言っていたのでそのとうりにつけてみる。


 で、海に投げ込むもなんだか糸がふわふわしてあまり海中に沈まない。


 あと、何か必要だったかな?まあ、ゆっくりだが波間に時間をかけて沈んでいったので、様子を見る。


 「釣れるといいね~」ギャア。


 私の横でふわふわしているピコとクー


 そうしたときクンっと竿が引っ張られた。魚だ!

「よおいしょおおおおおおー」



ここまで読んでくださりありがとうございます。

毎日更新中です。

よろしくお願いします。

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