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どこかで、幸せに。

 








 そう思い、フィールたちをみていると、ピコがさも名案思いついた!みたいにとふわふわとフィールとドラゴンに近づいていった。


 大丈夫かな、とフィールとドラゴンの方を見ているとそのままにこにこしながら、遠慮なく先ほどの疑問をぶつけた。


「ねえ、フィールは人間をたべるの?」


 っつ!ちょっと。本人に聞くことないと思う!横にいたクーも全身の羽を逆立てているので、びっくりしてるんじゃないか?


 私は慌てて、ピコの方に駆けよる。何かあれば抱えてピコと逃げなきゃ。


 そして、ちらりとフィールとドラゴンの方を見るけど、特に怒った様子はないのでほっとする。

なんとなく、人間を食べる?とか精霊には侮辱に取られるんじゃないかと思ったけど、大丈夫そう?


 {{{なにそれ。そんな風に見えるのぉ?知らない間に人間は食べ物になったの?}}}


 {{なんか話してると思ってたけど、そんなこと話してたの?ふふ。なんでそんな話になるの}}


 ぽんと跳ねて私のところに来るフィール。いつもの調子で変わりない。


 ふわふわのフィールをなでつつ、少し癒される。

やっぱり、ドラゴンと同じものとは思えない、、、。


 {{ライン?}}


「ああ、ごめんね。いや、母上がここには王家の子供が送られているって言ってたから。でも、ここにはそんな気配無くて、、、」


 そう言い、ちらりとドラゴンの方を見るけど特に反応はない。


 先ほどまでのフィールと言い合いをしていた体制より少し気が抜けて、またくつろぐ犬のように前足を組みそこに顎を乗せて、なんだかつまらなさそうにしている。


 {{ねえ?聞いてたでしょ?ガイナの子供たちってどこいるの?来てたんでしょ?}}


 {{{ガイナの子供たち来てたけど、知らないよぉ。ガイナじゃないもの。}}}


 本当に興味がなさそうにしゃべるドラゴン。そうして大きく鼻から息を吐いた。うう、生臭い、、、。本当に精霊?フィールと同じもの?


「そうなのですか?じゃあいったいどこに」


 この場を再度見渡してみるけど、何もない。ただ長い廊下が青紫の炎に照らされてその先の闇に続くだけだ。


 植物はおろか水すらないだろう。

気温は寒くもなく、熱くもないのでそこは安心できるが、生き物は何も口にしないで生きているとは想像できない。



 、、、、、、、、、、。



 ドラゴンの方に向って問いかけたつもりだが、反応ない。私の問いかけには反応してくれないドラゴン様、、、。さみしい。いじめか。


「あら~。無視されているわぁ」


「されていますね。さみしいものです」


 いつの間にか、私の横にピコとクーがいるが、また茶々を入れてくる。

沈黙が厳しかったので、ありがたい反応だと思っておこう。くそお!


 気を取り直して、手のひらにいるフィールに呼びかける。さすがにフィールは反応してくれるはず。


「フィール、聞いてくれる?」


 {{はーい。ねえ私。どこ行ったの?子供たち。}}


 {{{だから知らないのお。私を見て逃げる子もいるし、ここまでたどり着かない子もいるし。けっこういっぱい今まで来てるしぃ。}}}


 {{でも、ガイナの子供たちだよ?お話しなかったの?}}


 {{{え~~。ガイナじゃないし。初めのころは少し血が濃かったけどぉ、私もここに閉じ込められて嫌な気分だったしなあ。あ~~。うん。初めの子は少しお話したかな?}}}


 {{そうなの?}}


 {{{うん。闇の属性持ちで少しガイナに似てたから興味が寺少し話したよ。なんだっけ?うーーん。あ、そうそう、目から水を出してさぁ、くしゃくしゃの顔で食べてくださいって言ってた。おかしな子だな~と思ってさぁ、うん。そうだった。え?続き?ん~~。何もしてないよお。なんで人間なんかたべるの。なんでガイナの子供がそんなこと言うのって思って、いらいらして大地を揺らしてみたの。大きくね。そうするとどこかに逃げちゃった。}}}


 {{びっくりしたんだよ~私。人間は怖がりだから!}}


 {{{本当に怖がりだよねえ。そのあとも、何人か来たかな?でもだんだん血も薄くなってきたし、私も多分興味湧かないよ、一応ガイナの子供たちだしぃ、闇の属性もちだけどお。炎の、くさいんだもん}}}


 そこまで言って、ちらりと私を金の目で見るドラゴン。そうして鼻息一つ。


 {{{お前はあまりにおわないね。だから私が気に入ったんだろうけどもぉ}}}


 {{ラインだよ!私!いいこなの}}


 むーっと少し膨れて私を擁護?してくれるフィール。


 でも、何人も来たけど、どこに行ったかわからないのか。もしかすると、もしかしなくとも朽ちてしまっているのだろうか。私と同じような年だっただろうに。悲しく思う。せめて、どこかに逃げていてくれないだろうか。



 そして、私のように楽しいと思えるようになってればいいと思った。


ここまで読んでくださりありがとうございます。

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