ガイナへの思いと、今までの子供たち。
少し、不機嫌そうなドラゴン。なんだか先ほどまで少し熱いぐらいだった空気が少しずつ肌寒いぐらいになった。また威圧が戻ったように感じる。怖い。
このまま、あのドラゴンがその私より大きな前足をこちらに振り下ろすだけでその衝撃だけでも私たちはもう終わりだろう。
そんな命の危険にこの寒く感じる空気がひどく感じられて思わず腕を摩ると、あ、違いますよ。と横からクー。
「その寒さは、炎の精霊の封印術式が解けたからです。ドラゴンの怖さでそう感じているわけではないです。」
「もー、ラインってば。こういうシリアスなシーンはちょっとその思ったことをしゃべる癖やめよう?」
そう言い、ピコは私の鼻先に、おばかさん!な感じにつついてくる。
「っやめてってば!そう言うの指摘しなければわからないでしょ!シリアスなシーンならスルーしてよ!」
顔に熱がこもる。思わず、涙も出そうだ。恥ずかしくて。
「え、いや。こんなシーンだからこそ、突っ込みは必要なのかな?と思いまして」
「いらないよ!」
「でも、少しぐらい待ってたでしょ?突っ込み待ち。ぷぷ」
くるりと私を一周して再度鼻をチョンッと触ってくる。感覚ないけどやっぱり馬鹿にされている私。
「モー!本当に、こういうシーンじゃなんでしょ!」
{{いつものことだと思うよ~ライン。}}
ゆったりとフィールも言うが、そういう場合じゃないと思う!
なんてまたいつものように言い合いになった時に、ぶわりとおきく生暖かい空気が通り過ぎた。
「あ」
忘れていた。ドラゴンの事を。
ちらりとドラゴンを見るとなんだか不機嫌そうにこちらを見下ろしている。
何もしゃべらないけど、その眼光はとても鋭く感じる。これがフィールと同じもの?やはり違うように思う。こんな恐ろしいもの。
私が言葉をなくしていると、私の肩に乗ったままのフィールは、
{{まあ、いつもこんな感じなんだよ。私もどう?}}
何でもないようにフィールは不機嫌そうなドラゴンに誘いをかける。
{{{何が、どういうさそいなのぉ?怒っているんだよ。私がそんなのと一緒にいるから}}}
{{でも、そんなの、と言いつつ気になるでしょ?私も。ラインのことが}}
{{{むうう。仕方がない。ガイナの子供たちだもの。でもそれだけ。ガイナじゃない、それは違う}}}
{{むう。私は頑固だねえ}}
{{{ガイナの子供たちは時々来てたもの。もういないけど。ガイナじゃないと意味がない}}}
どうすることもできず、2人の言い合いを聞くしかなかったけど、少し気になる言葉があった。
ガイナの子供たちって?なに?子孫の事?来てたって、、、。母上が言っていた言葉が急に思い出される。
「「その先の神様に慰めに行きなさい。大丈夫、今まで何人も同じように会いに行ってるわ。」」
その言葉を聞いて私は生贄のようにここに差し出されたと思っていたけど、でも、このドラゴンが神様と言われていたものだとしたら?
今はいないってことは、食べた?少なくとも今私たち以外に何か生き物の気配はない。と、いうことは?
{{もー。でも心地いいのはわかるでしょ?意地にならないでよ。ラインはラインでいい子なのぉ!}}
{{{そんな話じゃないしぃ}}
そう言いドラゴンはしっぽの先を少し不機嫌そうにパタパタしている。少しその衝撃はこちらに少しあるけど、被害はないのでまあ、気にならないかな。
「なんか子供の喧嘩になってません?これ」
「シリアスどこに行った~?ってラインどうしたの?」
なんだか、黙っていたピコとクーもおしゃべりを再開しているが、そこに乗れる気分ではない。が、聞いてみようか。
「ねえ、さっきの話。ガイナの子供が来たって、、、。ここにほかに人いる、と思う?」
そう、問うてみるも二人は顔を見合わせて周りをぐるりと見回す。
たっぷり時間をかけて見回している。
私も周りを見てみるも、やはり青紫に灯る明かりと、壁、じゃりじゃりした床ぐらいで生き物の影も気配も見当たらない。
「うーーん。いないねえ。どっかにいったのかな?」
「少なくとも動いているものは私たちぐらいで、小さい魔物すらいないと思います」
「だよねえ。なんか怖いんだけど、た、食べたとか、、、」
「あーーー。でもフィールなら食べたりしないと思うけどなあ」
「まあ、精霊がわざわざ人間を食べることは無いと思いますけど、でもラインの母上はここに何人も送り出してきたようなこと言ってましたよね」
「そう、だから気になってしまって」
そう言い、フィールとドラゴンの方を見てみる。
先ほどと変わらず言い合いをしている様子。フィールと同じ精霊が王族の子供を食べてしまっている、とは思いたくはないが、、、。
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