聲
そういう私に改めて私にあったように、ぴくっと動いてポンと手のひらで跳ねた。
{{ライン。だって、何かがフィールを呼んでる気がするんだよ。大切なことなんだよ、きっと}}
「呼んでるって、、、」
「前もそう言ってましたよね、フィール」
先ほどこけたことがなかったように横に来るクー。まあ、クーも特にケガなさそうでよかったよ。
{{そう、ここにきてもっといっぱい呼ばれてるの。そんな感じ~。気になる。眠いし}}
「まだ眠いの?」
{{うんーーー。}}
「でも、よかったね、これで戻れるよ。フィール見つけたし」
「あ、そうだね。でもどこから出れるかな、ここ?」
改めて周りを見回してみるが特に今までと変わらない。暗い壁と、一定の間隔で並ぶろうそくとその青紫の炎。
壁に手を添わしてみると、石壁のようでひやりとした感覚が私の手の平からわかる。
よくある壁のようだが、なんだろう?
今まで来た道は、もうろうそくの炎が消えておりどこを歩いたかもうわからない。
ただ炎の導くまま一本道でここまで来たから、あの黒い扉までは多分また行くことができるだろうけど、あの扉開かなかったんだよね、、、。
「フィールはここから出れる?」
{{わからないけど、こっちに行きたいの}}
そう言い、ぽんと私の手のひらから降りて先ほどまで進んでいた廊下に降りたフィール。
「どうしようか、進む?」
「ラインはいかない方がいいんじゃないですか?」
「うんーだよねえ。でも。ここで引き返すのも意味ないような」
「行く?フィールも合流できたし、大抵なこともどうにかできそうだし」
「うんー、そうだねえ」
本調子でないフィールを当てにするのもいけないような気がするが、この場合はどうしようもないかな、、、。先の神様というのもいないかもしれなし、先には出口かもしれないし。
「フィール、そっちに行くから手伝ってもらってもいい?」
{{ン~~いいよ}}
「じゃあ、気を付けていこっか」
そうして、先に進むことにする。やることは先ほどと同じただ進むだけだけど。
フィールは進みたいけど眠いということで、私の手のひらで少し休憩中。寝てはないけど、おとなしくしている。
「でも、この城ってこんなに広い?長いんだねえ」
「ああ、それ私も思いました。こんなに長く歩いたならば、もう外に出てもいいような気がしますけど」
「どうだったかなあ、私結構決められた場所しか行かなかったから」
「まあ、この城出たらいろんな場所行こうよ」
「行きたいなあ。もう、いいよね。うん」
自分を納得させるように言葉に出す。もういいよね、挨拶とかもなしで。ここでもう終わり。私は何者でもないラインハルトになるんだ。
「いいと思うよ~。楽しもうよ。どこまでもいけるよ!きっと」
「ね~、一緒に行こうね」
じゃりじゃりした道を進みながら、他愛のない会話をする。
どのくらい歩いただろうか、城の端から端まで歩いたんじゃないか、と思うぐらい歩いたときに急に、じわりと空気が変わった気がする。
今まで、そんなに熱いとか、寒いとか感じずここまで来たけど、明らかに温度が上っている気がする。
足元、かな?
「どうしたの?」
ふわりと横に来るピコ。クーも一緒だ。
「んー、急に熱くなった気がするから、、、」
ひたり、と横にある壁に手をついてみると、暑いほどではないけど、温かいと感じる。
なんでだろうか?外がひどく熱い、とか?
{{っあ。}}
手のひらのフィールが何かをつぶやいた。
「どうしたのフィール?」
そう、聞いたけど返答はない。どうしたんだろう?大丈夫かな。
手のひらでなでてみるけど、動くこともなく話さない。ただ少し、震えている?
「フィール?大丈夫かな、ねえライン一度やっぱり戻ろうか」
横にいたピコも心配そうに覗いている。クーも足元で心配そうだ。
{{{おや、そこにいるのは滅亡したはずの姫君と私じゃないかなぁ?}}}
効きなれない声が聞こえた。
闇に響く甘い声。でも、なんだか誰かに似ているような。
その声が聞こえたときに、フィールはまたピクリと動いた。
声が聞こえた方を見るけど、闇が深く続き先がわからない。
青紫の光もせいぜい自分の2メートル先しか照らせないが、確かにその先から先ほどの声が聞こえた気がする。
{{{違うのかな?、、、ああ、でもこの国のも、、、。はあ。もう少しこちらにくるといいよぉ。お話しよう}}}
再度声が聞こえて、ぶわりと熱い空気が吹いたと思ったら、暗闇だと思ったところまで、自分の所から音もなく炎が順についていった。
そうして分かった声の主は、黒い生き物。私の何十倍もある大きな巨体。
ここまで読んでくださりありがとうございます。
最後に向けて少しずつ。
☆すこし、修正しました。カキカッコつけたしと言葉の順番を変えました。失礼しました。




