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キイチゴと花畑と、島の半分






 そうして帰った砂浜。


 砂浜は歩きにくいと思っていたが、先ほどのところに比べてとても歩きやすい。

そして、道中謝ったおかげかピコはいつものピコに戻ってくれた。よかった。


 そんなことをしているともう太陽が真上を少し過ぎている。


 お腹も減り、のども乾く。


 手持ちの食料もないため、煮沸した水を飲み果物を探しに行こう。


 持ち帰るためのバックなどここにはないため、ランチョンマットに包んで持ち帰る為持参する。


 昨日と同じように森の中を歩いていき果物の木のところに着いた。 


 そして、クーにまた手伝ってもらい柑橘とリンゴを収穫する。

のどが渇いていたため、リンゴをかじるとこれも酸っぱいし固いが十分水気があり味もあるためおいしかった。


 でも、本当に固いので、よく咀嚼を行い3つほど食べて少し満足。


 そのあとも再度、収穫を行う。


 ランチョンマットに柑橘5リンゴ2つ入れて帰ることにする。そうして山を下りていくと、ピコがふわふわと、砂浜と違う方に誘導した。


 「どうしたの?ピコ遊びに行くの?」


 「ううん、こっちにも赤とか黄色の実がなってたから、行こう」


 赤とか黄色の実か、食べれるものならばぜひ欲しい。


 ピコを先頭に進んでいると少し開けたが高い木がまばらにあり、低いところに赤や黄色の2、3cmぐらいの粒があった。


 「これだよ~。多分食べれる?」


 「キイチゴかな?食べれますよ。」

とクーよりお墨付きが付き、喜んで取ろうとすると何かが引っ搔いた感じがして、手の甲にピッと赤い線が入る。


 「痛い」


 よくよく見ると、キイチゴの木は少し蔦状態でとげもあり、注意しないと危険な植物のようだ。


 「大丈夫~?」とピコが心配してきてくれる。


 「とげがあったから、ピコもっ、、、て私だけ気を付ければいいか。すまない、とげがあったんだ。大丈夫だよ」


 次はもっと気を付けなくては、と少し離れて気を付けて取っていく。


 熟しているものなのか、触るとポロリと落ちるものとそうでないものがあった。

ポロリととれるものは取ると、手の先が赤く染まっていくが気にせず取っていると、片手が赤と黄色のキイチゴでいっぱいになった。


 次は鍋でももってこよう、と思う。たくさん取れて楽しくもあった。


 どんな味か気になり、一つ食べてみる。


 ぷつぷつとした小さい実の中に種があり、でもそんなに気にならない。

柑橘より、リンゴより甘く感じ、心地いい程度に酸味がある。

この島に上陸しておいしいと初めて思った。


 「あ、一つだけ。こういうものは時々実の間に小さな虫がいるので、食べるときは注意してくださいね」

と食べた後に言うクー。だからなぜ食べた後に言うのか。


 少し、こんな状況にも慣れてきているので、またか、としか感じなくなってきた。


 でも、やはり虫を食べることは生理的に嫌な気分になるので、次食べるときはよく実をみようと思った。


 そして、やはり真水が欲しいとも思う。いまだに川の水は怖いので。あれから川の水は煮沸して飲んでいるのだけれど、あの時の体調不良は一生忘れられないだろう。


 町の方や、城はどうやって水をのんでいるのだろうか。

  



 さて、ここから帰るにあたり足場が悪いため両手は空けておきたいが、どうしようか。


 柑橘とリンゴを運んでいる布の中に入れると確実につぶれてダメになるだろうし。


 うーん、と考えても名案は出ず、当たり前だが捨てたくもない。おいしいので。


 「じゃあ、お花畑に行こう!」


 と、さも名案のようにいうが、この問題を解決できるのが、お花畑とは思えなんだが。

でも、ふよふよと森の中を進んでいくピコ


 ひどい登坂ではないからギリギリ片手でつぶさず行けるが、いや少しキイチゴつぶしたような気がするが、頑張ってピコを追いかけること5分程度。


 段々木々が減り、歩きやすくなった。そうしたとき少し広いところに出た。


 大きな木はなく、そんなに広さはないが広場のようにやや平らな地面があり、そこに小さな青い花が群生している。


 風が少し強く感じたので周りを見ると、この島の森の山のようになっている頂点に近いようだった。

全部ではないが半分程度この島をぐるりと見渡すことができそうだ。


 そうしてみると、私が今いる島は小さそうだ。朝いた砂浜だろう場所や、そこから左に続く岩壁がみえて、後ろ側には深い森がある。


 海の方は大小さまざまな島が点在しており、砂浜の方向に大きな陸地が見えるから、あれが自国だろうか?それならば結構近いかもしれない。もしかするかも、だけど。


 そして、ピコが案内してくれた幽霊船は右側の木々が生い茂っている方角のようなので、ここからは見ることができない。


 朝見た船もあそこから来たのだろうか。帰れるのだろうか。


 「ねー、いい場所でしょ?イチゴ食べよ~」

ギャア


 ふと、考え込んでしまったようだ。ここにこのキイチゴを持って帰る何かがあるのだろうか?


 きれいでしょ~と花畑の近くに座ってこちらを見ているピコとクー。


 「綺麗はきれいだが、このキイチゴをどうやって持って帰るんだ?」


 少し潰れて微妙に赤い汁が、私の手のひらから滲んでいて少し気持ちが悪い。


 「え?たべればいいじゃないの?食べるために摘んだんでしょ~」

ねーっといつものように顔を見合わすピコとクー。


 はああああ、とため息の私。


 いつもこんなやり取りしているな。ほんと。


 その時いい風が吹いて、怒る気もなくなる。天気もいいし、先ほど果物を食べたのでおなかもすいていない。


 なんだかこの島について、初めて少し穏やかな気分になった。


 キイチゴたちは休憩がてら食べてしまおう。


 「そうだな、いい天気で気持ちもいいものな、ここ」

にこにこして賛同するピコ、横に座るクー。


 こんな日があってもいいものだ。


 そうして、キイチゴを摘み食べることにした。


 甘くて酸っぱくておいしかった。


 が、クーの警告もらった後なので、よく見て食べる。虫は嫌だからな。




 そうして下山かな?また森を下りていく。


 手はべたべたになったし、赤いがあまり気にはならなかった。


 すこし、果物たちは重いし、滑るが、こけることなく砂浜に戻ることができた。

そうしていると、あたりは少しづつ夕方日になっていく。


 また今日も終わりが近づいてきた。ふとそう言えば乾かしていた船の帆を忘れていたことに気が付いた。


 重いのでとりあえず、砂浜に広げて乾かしていたはず。

そうしていくと、バリバリに乾いてはいるが相変わらず重い。


 何に使うかは決めてはいなかったが、この重さと大きさだから、うーーんと考えて、寝るときに敷いてみる。ベッドの代わりだ。


 今は流木の上で寝ているので、夜がとても痛かった。


 だから、流木の上に敷いておいてみる。

ここまで運ぶのに砂が付いたのでそれを払いのけながら畳み敷いてみると、まぁまぁ、いい感じにできたんじゃないかな?横に座ってみると、流木そのままより少し柔らかく感じた。


 そのまま横になると、やはり落としきれなかった砂とか、バリバリのてざわり、焼けた煤のにおいなど感じるが、まあいい。


 昨日より少しだけ、居心地がよくなった。


 でも、寝床を作るために動いて汗をかいたせいか、今日は少し肌寒く感じるので、ランチョンマットにくるまって、今日は少し早めに休むことにしよう。


 お腹もすいてきたし、果物を食べる。リンゴ1つは明日の朝用に。


 横になると、海岸が薄く紫色とオレンジ色のグラデーションになっていた。真上は薄く星も見える。

そうして、目を閉じた。


 夢に出てきたのは騎士訓練の先生で、とても重要な、話が



3日終了時


空瓶1(水)

金属製コップ

丸い瓶2(お酒?)

鍋(手持ちのパン的なもの)

帆(ラインがくるめる程度の大きさ、焼け焦げている)


ピクニックセット木箱

ナイフ、フォーク、スプーン各3

ランチョンマット

皿3枚

厚手のシート(レジャーシート)

  

食べ物

リンゴ1つ



ここまで読んでくださりありがとうございます。

もう少し毎日更新続けたいので、頑張ります。

ブクマしてくださった方!ありがとうございます。とてもうれしいです。頑張りますね!

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