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叔父上の忠告

 






 そうして、夜遅く着いた叔父上の館。

その門を開けるぐらいから、なんだか深夜にかかわらず騒がしく感じる。


なんだろうか。


 高位貴族の館とはいえ煌々と明かりは灯されて、ずこし夜の暗さに慣れていた私の目には明るすぎる状態だ。


 馬車のカーテンを引き、余り明かりが入らないようにする。


「どうしたの?」


 フィールは夜になってからは私の肩に座ってる。やはり夜の方が調子はいいようだ。


「うん、なんか騒がしい感じがするのと、明るすぎて」


「あー、夜なのに明るいよね。すごいね。炎の精霊とかいっぱいいるからかな?」

何でもないように言うピコ。


「いっぱいいるの?炎の精霊?」


 {{ちっちゃいのがいるよ~。大きいのはここにはいないと思うけど、うーん?}}


 フィールもポンポンと跳ねて会話に入る。


「そっか。私にはわからないけど、そのせいでなんか騒がしー」


 その時に馬車の外でコンコンとノックがして声がかけられる。


「殿下、失礼いたします。今よろしいでしょうか?」


「はい、なんでしょうか?」


 そうして聞くには、王城からそのまま登城することを要請する旨が届いたとのこと。


 なので、深夜にかかわらず、このまま城に行くことを許可いただきたいと。


「これからですか?」


「殿下においては大変疲れているところ誠に恐縮ではありますが、王家からの要請ですので、申し訳ありません。ですが」


 伝令を伝えに来た侍従は申し訳なさそうに頭を下げる。


 正直常識はずれなことを言っているのは王城の方なので、攻めているわけではないのだが無意識に非難したような声色になっていたのだろう。


「いや、大丈夫です。このままここで待機していたらいいですか?移動しますか?」


「本当に申し訳ありません。このままここで待機していただければ、あとはこちらで準備させていただきます」


「わかりました、よろしくお願いします」


「ありがとうございます。失礼します」


 少し、ほっとしたような顔で扉を閉めようとしたときに、久々の叔父上が声をかけてきた。


「こんばんは。ラインハルト。大丈夫かい?すまないね」

 そう言い、そのまま馬車に入り座り込んでくる。ちょっと!私は許可していないぞ。


 スマートに入って座るので、慌てて私の前に座っていたピコとクーがこちらに避難してきてなんだか狭い。フィールはなんだか警戒しているように私の頬にくっついてきた。


「叔父上、、、。なんだか大変なことになりましたか?」

 そう声をかけると少し困った顔になる。


「うーん。何を急いでいるのか、わからなくもないけど、、、うーん。ねえ?」


 ねえって何?本当にわからないんだけど。


「正直に、このまま帰らない方がいいような気がするのだけど、もう先ぶれで命令状態だしなあ、、、」


 なんてぶつぶつ言いながら悩んでいるような叔父上。だから何なんだ。


 怪訝そうな私の顔をみてニコリといつもの顔になる叔父上。


「まあ、もう動き出したし、仕方がないね。でもね、そうだな。闇の精霊様はいるかな?」


「闇の精霊ですか。ここにいますけど」


 フィールの方はあくまで見ないように気を付ける。わからないだろうけどもフィールが気になっていそうだし。


「そうか、できればずっと近くにいてもらいなさい」

 最後に真面目にそう言い、この馬車を静かに出ていった叔父上。なんだったのか。


「なんだったの?」


「さあ、わからないけど。嫌な感じがするよね」


 そういうと、ぽんと跳ねて手のひらにフィールが来る。


 {{いわれなくても、ラインと居るし}}


「うん、ありがとう。うれしいよ」


「私たちもいるし~」


「ピコとクーもありがと。一緒にいてくれるとほんと心強いよ」


「まあ、気を付けた方がいいのでしょう」


「そうなんだよね、何を気を付ければいいのかわからないけど、気を付けるよ」





なかなか話が進まなくてすみません、次ぐらいからもう少し進むようです。

読んでくださりありがとうございます。

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