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普通にいた。うれしいけど。すごく普通でした。

 






 でも、ドアを開ける勇気がなんだか出ない。私の足はぴたりと自室の前で、少し立ち止まってしまう。



 ここを開けていなかったら?


 私を置いてどこかに行ってしまっていたら?


 嫌な感情が浮いてくる。


 そんな1か月にも満たない付き合いなのに、会えないと思うととても嫌な気持ちになる。

さみしく思う。なんで急にどこかに行くのか。私を置いて。


 ドアノブを持つ手がゆっくりをドアをあける。いたら本当に嬉しいのに。



 そうして開けた部屋には、フツーに3人いた。



 うれしいけど、あっけなくて言葉が出ないでいるとピコが普通に声をかけてきた。本当にいつも通り。


「もー遅い!ライン何してたの?調子悪いんでしょ?寝てなきゃ!」


「そうですよ。フィールが心配してましたよ」


 {{動けるの?ライン。よかった}}


「え、どこに行ってたとか。こっちのセリフなんだけど。どこ行ってたの?」


 余りにもいつも通りで、この一日ずっと不安が胸を占めていた私には少し責めいてもいいと思う。3人に。心配した!不安だった!


「え~。どこって。ねえ?」


 と言いつつ3人で仲良く顔を向け合う。なんだよ。仲いいな。私も混ぜてほしいんだけど。


 {{ラインが調子悪いってピコとクーに行ったら、薬取にいこって}}


 と言いつつ、どこに持っていたのか大きな私の手の平はある物を差し出す。

それはうっすら赤黄色く拍動するように輝く何かの不規則な形の塊と、なんか根っこをベッドに置くフィール。


 なにこれ。なんかすごいっぽいけど。


「これねー。薬になるみたいだよ。ラインにどうぞーよ。頑張ったんだからね」


 なんと、私の為に薬を取りに行ってたみたいだ。


 ただ私的にいきなり三人が不在になってさみしいと思っていたけど、その間に私の為に薬を取りに行ってくれるなんて。


 すごくうれしい気持ちが沸き上がってくる。そうしてにこにこしていると、クーが説明をしてくれるようだ。


「そうですね一応説明を、これは光竜の魔核です。あとマンドレイク。魔核は有名なあのエリクサーの原料ですね。はい、とても貴重なものなので感謝してくださいね。」


 {{フィール頑張った。}}


 エリクサーって。伝説レベルの薬じゃなかった?


 え、こわ。国宝レベルじゃない?でもさ。


「ほら使ってもっと元気になったらいいよ。ほら」


 とぐいぐいピコは詰め寄ってくるし、クーの無言の圧力が強い。


 すでに私自身元気になったと思うけど、うん。使えるならばいいけども。


「ありがとうなんだけども。どうやってエリクサーにするの?」

首をかしげて、聞いてみる。


 これをどうにかこうにかしてエリクサー作るらしいけど、どうにか呼応にかって何?

もちろんそんな方法私は知らない。知ってのことかと思っていたけど、フィール以外子首傾げている。


なんでだよ。


「フィールは?」


 {{んー?それは人間に必要なものなのに。薬はフィールに必要ないんだよ?ライン}}


「うん、そうなんだよね、そんなんだけども」

 雰囲気的になんでそんなこともわからないの?みたいで、なんか。そうだけど!


「ピコは?知らないよね。クーは?」


「さあ?私鳥ですので」


「わたしおばけだよ~、エリクサー必要なのはラインでしょー?」


「うん、そうなんだけどね!じゃあなんでとってきてくれたのって」


「ラインの為にじゃないですか。ああ、お礼も言ってくれないなんて。ラインはそんな子なんですかね?」


 泣きまねをしてヨヨヨ。と泣き崩れるふりのクー。


 そして、非難する目のピコ。


「ごめんなさい。ありがとうございました」


 そう言うと、ですよね!と普通に戻るクー。

なんなんだもう。でも、やっと日常に戻った気がするのでうれしい。すごくけなされているけども!


「結構、大変だったんだよ。人間の薬って何から作られている~から始まってね。どんな病気なの?で、くすりは~なんだよ」


「そうそう、でもまあ、どうにかこうにか野良の光竜見つけて、これだと思って、フィールに頼みました」


 {{なんかね、小さい個体だからすぐに、きゅってで来たよ。でも一番大変なのはね}}


「そうそう、そうなんですよライン。魔核ってなかなか取り出せなくて。最終的には万能フィールの出番ですけど」


 {{うふふ~。}}


「万能だよね、フィールすごい」


 {{うふふ~~ふ}}


 ご機嫌のフィールはポンポン跳ねている。そのあとも会話が続くけど、今日はなんだかよく歩いたせいか、すごく眠い。


 3人の会話が心地よく、でもだんだん遠くに聞こえるような。


「ライン?」


「あらら。なんか寝そうですねこの子」


 {{え~体調又悪い?どうしよう}}


「ン、元気だよフィールありがと」


 そう言ってこちらに来たフィールを軽くなでる。ふわふわ気持ちいい


 {{そう?元気?}}


「げんき。でも安心したからか、眠いんだ。すごく」


 本当に眠い。


 ちゃんともっとお礼を言いたいのに、昼間歩いた疲れか、何かわからないけど、そのまま寝そう。


「まあ、今の時間も結構な夜ですし。病み上がりですしねえ」


「そっかー。まだまだしゃべりたいないけど」


「ありがとうね、ぴこ、くー、ふぃーる」


 眠くてもちゃんとお礼が言いたくて、頑張る。


「どういたしまして。また明日ね。」


「はい、どういたしまして。」


 {{いいよ~}}


 三者三様に返事を返してくれた。


「うん、じゃあ今日はここで解散で。船に戻ろうかクー」


「そうですね。ではまた明日色々計画立て直しましょうか」


「うん、ほんとありがとう」


「もう、お礼はいただきましたよ。フィールはここで寝ますよね?ラインをよろしくお願いします」


 {{うん、いいよ~}}




 そうして窓から送り出し、フィールと2人になった。


 今日は本当に疲れたけど、でもよかった。3人に会えた。すごく不安だったけどよかった。


 そうして、寝床に潜り込むことにする。フィールは横にポンポンころころとやってきた。黒い毛玉だけどかわいい。いてくれて本当によかった。


 {{また明日ライン、ガイナを探そう?}}


「うん、頑張る」


 {{でも、元気でいてね}}


「うん、ありがとうね」


 {{でもね、   }}


「   」


 どこで寝たのかわからないけど、ここらへんで記憶は途切れた。でもいい夢を見た様な気がする。ほっとしたから。すごく。








 お金 銀12枚、鉄1枚

 服。普段着上下3セット、下着3セット

 大きな布バッグ一つ

 小さな小銭入れ

 中ぐらいのサイズの厚手の袋

 剥ぎ取りナイフ、マント

 宝石2つ(ピアス)






ここまで読んでくださりありがとうございます。


評価をくださった方本当にありがとうございます!頑張れる力になりました!感謝です。


できるだけ毎日更新したいと思っていますのでよろしくお願いします。

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