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お化けはしゃべれる。なんで?





 この後、どうすればいいか、、、。と濡れた服で震えていると、派手な鳥、クーだけがこちらに戻ってきた。


 そうして、近くの木に停まりこちらに向けて口を開けたかと思うとしゃべりだした。


 会話ができるのか!


 「そのままだと風邪をひきますよ。乾かさないのですか?」


 想像以上に大人な男性の声、そして、滑らかにしゃべる。


 もう少し片言とか、単語じゃないのか、普通鳥って。


 と、少し呆然としてしまったが慌てて、今体調を崩したらいろいろダメなことを思い出した。でも、乾かすとは。


 「その服を脱いで、絞り、どこか木にでも干すか岩かに広げれば乾きますよ。まあ、いろいろ体調管理としては遅いかもですが」


 遅いとは、と少し疑問に思ったが言うとおりにしようとする。


 服も体に引っ付き気持ちが悪いので、まず上の服から脱ぐことにした。


 上半身裸になり絞ると、少しは水気が減ったがやはり乾くには足りないし、できれば今は着ておきたくない。


 きょろきょろとあたりを見回し、大きな温かい岩に広げて置いておく。

そうして、ズボンも脱ぎ同じように乾かそうと思う。


 そうして、心もとない下着だけにになってしまったがどうしようもない。急いで一度脱ぎ全力で絞りまた装着する。さすがに濡れていても下着はつけておきたい。


 そうしてクーのほうを見ると何やらここに降りるときに開けた穴に入り何かをしている。


 なんだろうと、近寄ってみると何やら何かをこちらに持ってきているようだ。


 そうしてこちらに向け

 「こういうの必要でしょう?人は」


 こういうのというタイミングでピコの手元を見ると、見ると朽ちていたが片手鍋と瓶があった。

でも、どうしろと?


 鍋は料理するものと知ってはいるが、そもそもここには料理ができる料理長と食材がないぞ、と思っていると。


 「生きるのは必要でしょう?私もあの子も必要ありませんし、元の持ち主もいませんので、使えばいいですよ」


 と言われてもピンとこない。


 はあっと大きくため息をつきクーはまたどこかに行ってしまった。


 とりあえず、することもないためまた川のほうに行っておいていった鍋と瓶を洗ってみる。


 何かに使うのだろう。そのためには綺麗にしておかなければ。


 そう思い鍋を手に取った。鍋の底は何やら黒いものが固まっており、手では綺麗になりそうにないので、近くの少し鋭い石でこすってみると段々取れてはきた。


 が、やはりあと少しの黒いものが取れず、そのまま岸に置いておく。瓶は半透明の緑で、やはり底には何か茶色いものがある。何度か濯ぎこちらは簡単に取れた。よかった。


 そうしていると、ピコとまたクーがこちらに戻ってきた。


 「あ、入れものあったんだね。私も持ってきたよ!」


 とピコが言うとクーがこちらに何かが入った丸い瓶二つと金属製のコップを渡した。

さっきも思ったが鳥の足なのに器用だな。


 変に感心しつつ受け取る。


 そういえば、水をいれるものをお願いしていたか。忘れていた。お馬鹿は私か。


 「でも、どうするの?なんで裸なの?特殊な何かがある人なの?春先に出るという何やらやばい、、、。瓶をなにに使うつもりー。」


 「そんなものない!濡れて気持ち悪かったから乾かしてるの!」


 私をどこかの変人と同じにしてほしくはない。あれだろ?すこし暖かくなるとなんでか全裸になって町を徘徊する奴らだろ。


 まだ寒い季節だと思うのに。そんなに自信があるのかと、騎士部隊長がぼやきながら治安のことで困っていた話を聞いた。


 自信というと何のことだかわからないが、まあいわゆる変態のことだ。


 全裸を見せて喜ぶんだからな。だから、それと私を一緒にするんじゃない!


 「そっかー。水を体で飲んでいたものね。普通に考えて口だけでいいと思うのに。うーん?あなた人間じゃないの?水大丈夫なの?」


 「人間だよ!何なんだよ。本当に。」


 なんだか疲れた。のどの渇きはましになったが、おなかがすいてきた。


 先ほど川に魚がいたが、取ることはできるかな。

お化けたちは放置して、洗っていた鍋を取り出しそれで魚を救えるか頑張ってみようか。晩御飯だ。




 無理でした。


 はい。無理だった。


 魚を捕ることができる人はどうやって取っていたのか。やはり、釣り道具か、網がいるようだった。


 早々に鍋で取れるか頑張るが、当たり前だがすばしっこくて取れず、自身の上着を使い網のようにすくおうとしたがそれも無理だった。


疲れ果てて今日はあきらめた。


 そうしてなんでか、私が諦めて砂浜の始めいたところに戻ると、お化けたちも一緒についてくるし。

まあ、多少いつも元気そうなピコたちを見ていると、落ち込みそうだった気分は多少だが救われる気がするが。


 でも、今日の寝る場所はどうしようか、、、と。砂浜に乾いた流木があり、砂浜そのままに寝るのは砂が嫌で、それをベッドとしようと思った。


 頭もとにはもらった鍋と瓶。


 ああ、今日の魚とりのうちに鍋はどうやらきれいになったので、水をいれており水の心配がないことが救いだ。


 そういえば、こちらに戻った時にピコがくれた瓶二つの中身を聞いてみたらお酒だそうだ。


 少し朽ちたコルクを抜いてみたら濃厚なお酒の匂いがしたので、私は飲めそうもないしそのまま置いておく。そのことについてピコからなんで飲まないのか、と言われたが飲めるはずもない。


 何かに使えるかわからないが、そのまま置いておこう。

お酒の保存状態もわからないし。しかし何かに使えるだろうか。捨てるのはもったいない気がする。こんな場所だし。

なんならば、お酒を出してしまい、水をいれてもいいし。


 もう、そうして体力を使い果たして、乾いた流木の上で寝転んでいるところだが、なんだかお腹の調子がよくない、気がする。




 ぐぐぐぐ。痛い。ぐるぐるいっているし、気持ちが悪いような、、、。

としていると口の中に何かこみ上げてくるものが。


 お腹が壊れてしまいました。


 上も下も大変なことに。痛い、、。つらい。


 少し、落ち着いてきたようなので、水を飲もうとしたら横でピコが「おなか壊したの?」と。でも無視して水を飲もうとしたら、クーが羽で水を遮る。


 「なんだよ」


 こちらは調子が悪いんだ、と睨むと

 「生水にあたったのでしょう、やめといたほうがいいですよ」


 「生水?これ?」


 「そうこれですね。そもそも煮沸もしていない川の水をたくさん飲むだなんて、怖いもの知らずですよ、蛮勇?」


 つらつらとしゃべるクー。相変わらずのいい声で、流暢だな。でも、のど乾いたし水飲みたいんだが。クーの羽をのけて少し含む。


 「なんで、飲んだらダメなんだよ?」


 「水の中に動物のフンの悪いものとかがーー」


 ぶーーーーー!!!

吹いた、口の中の水吹いた。


 生水ってそんな危険なものなの?!!

動物のフンとか川に入っているものなの?


 「だから大丈夫ってきいたのに~」とピコはいまさらながら教えてくれるが


 「遅いわ!!!私が飲むときに教えてよ!」


 「えー、止めたし、大丈夫って心配もしたよ」


 ねー、っとお化け二人はうなずきあう。


言ったか?思い出してみると確かに言ってたような、でもすぐほかの話題に変わって忘れていた。

でも、も少し真剣に止めてほしかった。


 もう少し言い返そうと立ち上がった時にくらりと頭がふらついた。軽くめまいがする。

なんとなく、手先もしびれているように感じた。


 そうしてまたぐるるとおなかが鳴いた。調子が悪いせいか空腹を感じないが、このままでは話にしか聞いたことがないが脱水で人は死んでしまうかもしれない。


 このままでは命の危険があるが、どうすればいいのか。


水がダメならお酒を飲んでみようかと、思ったときに。


 「少し、火で煮沸すればいいと思うよ。おじさんが言っていたし、飲んでいるところもみたことあるよ」

と、ピコはいう。


 おじさんという単語は気になったが、私の知識ではわからないので、教えてもらいふらふらしながら実行した。


 なんてことはないが、鍋の中に水をいれてそのままグラグラと沸かして冷ませればいいらしい。


 少しずつ飲んだ方がいいとのことで、コップに少し煮沸した水をいれて飲んだ。


 少しずつ、少しづつ、そうしてだんだんうつらうつらと眠気が来たが頑張り飲んでいった。


 そうしていると朝が来た。


 手のしびれや腹痛は収まってきたが、まだふらつくためしばらく休むことにする。

次に目が覚めたときは、こんな大変なことはただの夢だったと城で安堵していることを願いながら。



1日目


現在の持ち物


服上下、ブーツ


空瓶1(水)

金属製コップ

丸い瓶2(お酒?)

鍋(手持ちのパン的なもの)

  


ここまで読んでくださりありがとうございました。


できればこの後はしばらく毎日投稿予定ですので、また来てただけると幸いです。

少しでも気に入ってくださると評価、リアクションしてくださると泣いてよろこびます!


重ねてありがとうございました!

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