煽る天才
学生の頃の恋愛ってすごく貴重だと思います。
廉と勇利はこれからどんな恋愛をしていくのでしょうか
勇利…
思いを止められなくてキスをしてしまった
「……」
「勇利…ごめん止まれなかった」
「謝らないで…俺も好きなんだ」
「勇利」
「廉」
「抱きしめたい」
「うん」
「廉の匂いする」
「勇利は石鹸の匂いがする」
「このままこうしていたい」
「俺も」
➖➖➖➖
「廉…もう帰ろうか」
「そうだな…」
このあと勉強なんかできる訳ない
➖➖➖➖
「明後日からテストかー!嫌だな」
「頑張ろ!」
「俺…テスト集中できるのかな…」
「俺も…テスト中さっきのことが頭に浮かびそう」
顔から火が出そうだ。隣で今勇利はどんな顔してるんだろう
「あのさ……れんくんがいいなら、つ…つき…つき…あいたいです…」
可愛すぎる…反則だろ
「俺も付き合いたい」
「よ、よかった」
ホッとしてる、勇利の顔ちょっとまだ赤いな
照れてんのかな
「明日はどうする?放課後」
「いや、明日は新井と話してくる」
「そっか…どうだったか聞させて」
「新井を傷つけないよ、それに勇利に謝ったんだろ?だったら水に流す」
「うん…ありがとう」
「泣き虫」
「だってれんくんが」
「さっきは"廉"って呼んでくれたのに、今は君付けなの?」
「2人きりなら呼んでもいいなって思って…みんなの前で呼び捨てはまだ恥ずかしいし…なんか特別感あっていいじゃん」
かわいい…
「かわいい」
「え?」
「あ、ごめん心の声がダダ漏れしてた」
「ぷっ…あはは…何それ」
「笑うなよ」
「だって面白くて」
俺は勇利の笑ってる顔が好きだ
➖➖➖➖
翌日、成田に新井を呼び出してもらった
「新井…ちょっといいか?」
「なに?」
「この間の返事をしたい」
「わかった」
「その、分かってるとおもうけど、おれは勇利がすきだ。だから新井の気持ちには応えられない。」
「うん、分かってた」
「それから、勇利に謝っただんだろ?勇利にも新井が勇利に謝ったら水に流すって言ってある。謝ったんだろうな?」
「ちゃんと謝罪したよ」
「なら水に流す。この話はおしまい。お前が来れそうならバーベキューこい」
「お前はやっぱり優しいな」
「そうかな、あ!あと、あれはノーカンだから!」
「あれ?」
「お前おれに、キ、キスしたろ!あれはノーカン!」
「そんなことしたっけ?」
「はぁ?忘れてんのかよ」
「うそうそ、ごめんよファーストキス奪って」
「だから!あれはノーカン!俺は勇利とがいいの!じゃあな!お前参加するなら連絡しろよ!」
「おう、連絡する」
****
『勇利とがいい』
あいつサラッとクソ恥ずかしいこと言って帰ってったな、失恋ってつれーな…あの時こうしていればとかすげー思ってしまう。でも結果は変わらない、後悔しても遅いんだよな、ほんとに山理は優しい、そういうところ好きになった。勇利と会う前の山理は壁みたいのがあった。勇利はきっと山理の壁を壊したんだろうな…
「新井」
「成田」
「話終わったか?」
「おう」
「大丈夫か?」
「失恋って結構つれーな」
「そりゃそうだろ」
「俺今まで彼女と別れても悲しいけど引きずることはなかったのにな」
「お前自慢?モテアピールすんな」
「自慢じゃねーよ、俺これでも結構凹んでんだよ」
「顔見ればわかるよ」
「うん、バーベキューこいってさ、あいつ優しいよな、勇利にも来いって言われた、本当に優しい…」
「あいつは自分ではあんまり気づいてないけど優しいやつなんだよ」
「知ってる」
「はあー、明日テスト嫌すぎる!」
「ほんとにな」
「なぁなぁ!明日のテスト終わったらお前んちでゲームしていい?」
「やだ」
「なんで!最新のゲーム持ってるんだからおれにもやらせろよ」
「ゲームしたいならおれの家で勉強してからだ、お前の大嫌いない英語と化学をみっちり教え込んでやる。スパルタだから覚悟しろよ」
「えぇ…」
成田…やっぱりお前すげーよ、みんなきっとお前に幸せになってほしいって思ってるよ
➖➖➖➖
テスト当日
国語、数学、古典、世界史
どんどんテストが終わっていく
幸いテストには集中することができた。
「あー!終わった!!」
「とりあえずはな、まだ明日もあるぞ」
「嫌すぎる!だって明日英語もあるし化学もあるし、日本史もあるんだぞ!そういえば市東はどうだったかな」
「どうだろう、とりあえずあいつは国語なら大丈夫だろ」
「おーいテストどうだった?」
「あ、市東!俺は数学なら行けた!古典は微妙」
「まじか…おれ世界史やばいかも…山理は?」
「世界史はいけたかも…数学はわからん、」
「点数悪かったら榊に顔向けできねーな」
「うるさい」
「そういえば新井と話せたんだろ?」
「おう、まぁ仲直り?した」
「よかったな、テスト全部終わったら答え合わせてしよう!みんなで」
「そうだな、お前は今日勇利とまた勉強か?俺は新井の家行くけど、」
「勇利って呼ぶな」
「あーなるほどな、はいはい、あついあつい」
「な、なんだよ」
「付き合えたんだな?」
「うん」
「いやーやっとかよ!どんだけイチャイチャしたら気が済むんだ」
「いや、別にイチャイチャはしてない」
「分かった分かった邪魔者は消えます消えます!あ、市東!新井の家一緒に行くか?、英語と化学を教えてやるって」
「まじ!いく!」
「スパルタで教えるって」
「えー、ちょっと…まじか」
「あ、おーい榊!新井!」
「あ、みんな」
「お疲れ、テスト無事終わったな」
「今、勇利と答え合わせしてた」
「数学はあまり自信ないかな…古典は多分行けた」
「俺は、多分世界史行けた、国語は微妙…」
「あ、新井くん俺も家行っていい?英語と化学教えてくれるんでしょ?」
「いいよ、結構スパルタだよおれ」
「お手柔らかに…」
「山理は勇利と勉強か?」
「おう…」
「はぁーお前らのイチャイチャは見てられねーからさっさと帰ろうぜ」
「瑠衣!そんなにいちゃついてないよ」
「はぁー無自覚こわー」
「まぁまぁあとは2人でラブラブしてればいいだろ」
「じゃーな!山理、榊」
「おう」
「バイバイまた明日!」
➖➖➖➖
「明日大丈夫かな…化学」
「大丈夫だって!お前自信もて!」
「うん…れんくんもきっと大丈夫だよ」
「廉」
「ん?」
「今は廉でいいだろ」
「うん」
「勇利…前も言ったけどテスト終わったらしばらく部活に全振りするから一緒には帰れない、ごめんな」
「いいよ!大会頑張って廉なら大丈夫」
「部活観にこいよ」
「うん」
「あのさ…その…こ、今度、おれの家こない?」
「へ!?」
「いや、へっ変な意味じゃなくて、そ、その誰にも邪魔されたくないから!お互いの家なら誰も邪魔しないかなって」
「いいよ…」
「うん」
勇利と一緒にいるとほんとにダメになる。どうすればいいんだ俺は、顔を見るたびにもっと触れたくてたまらない…
俺は勇利の左手に手を添えた
勇利すげードキドキしてる
「ちょっとこのままでいさせて…部活に全振りするとか言っておいて勇利と一緒の時間を減らしたくないって思っちゃう」
「廉」
勇利が手を繋いでくれた
「ちょっとやばい、すげードキドキして顔見れない」
俺はあまりの恥ずかしさに机に突っ伏してしまった
「廉、俺も廉の顔見るだけでドキドキする、明日テスト終わったら…廉の家行ってもいいかな」
「うん…」
「勉強しようか」
「そうだな」
そうだなとか言って気持ちを全く切り替えられない
➖➖➖➖
「うー計算難しい…」
「この前よりはできてんじゃん!やっぱり努力家だな!」
「廉も長文無理とか言ってたけど、すごいね」
「勇利のおかげだな」
「そんなことないよ廉の力だよ、廉も意外と自己評価低いよね、廉は自分で気づいてないだけでいいところいっぱいあるんだよ?」
「そう…なのかな」
「うん!周りが言わないなら俺が言うよ、俺を信じて」
「分かった分かった!恥ずかしいからやめろよもう!」
「廉も結構恥ずかしいこと言ってるよ」
「なんか同じようなことを市東や成田から聞いた気がする…」
「成田くんや市東くんてほんとに優しいよね、市東くんは人のこと否定しないし相談だって乗ってくれて話しやすいし、成田くんは周りをよく見てくれて、フォローしてくれるしさ」
「俺は?俺のことは褒めてくれない?」
「廉…もしかして嫉妬?」
「うん…あいつらだけ褒めてずるい」
「かわいい」
「うるさい」
「廉はすごく優しいよそれに負けず嫌いで頑張り屋で弱音なんで吐かずにいつも1人で悩みながら頑張ってきたんだよ。それって本当にすごい、俺なら持久走とかすぐ見学するよ、ずっとずっと…廉は頑張ってきた。」
「やめろよ、また泣いちゃうだろ」
「泣き虫」
「…俺さ病気を理由にしちゃダメだって思って、誰にもバレないように壁を勝手作って深く関わること避けてた。俺が変われたのは本当に勇利のおかげなんだ、」
「廉…病気を理由にしていいんだよ。病気だからしょうがないとかそういうのは廉は嫌いだろうけど、辛いから助けてって言っていいんだよ。もう成田くんや市東くんに瑠衣にそれに俺だっているんだよ?大丈夫だから…みんな助けてくれるよ」
「うん…」
「泣くなバカ」
「うん」
抱きしめてキスしたい。
でも今日は結構いろんな人が廊下通ってるからダメだよな…
****
➖➖➖➖
「おい、市東なんだこのテキストの点数は」
「えーと、」
「この間の勉強会を無駄にする気か?」
「いえ!滅相もございません」
「テキストやったらわかるよな?」
「すみません…」
「もう一度俺がやり方教えてやる。次は間違うなよ?」
「はい…」
「新井こえーよ!スパルタすぎるだろ!」
「ゲームしたいんだろ?」
「いや!そうだけど!」
「成田お前は今から単語帳の35ページから45ページすべて覚えろ」
「え!そんなに?」
「お前単語を覚えきれてないんだよ、勇利にいわれたろーが、ここは絶対でるからそれだけでもやれ」
「問題文暗記するのは…?」
「そんなことしてもダメ」
「はい…」
➖➖➖
「と、とりあえず終わった…」
「お疲れさん、ゲームするか?」
「いや、ゲームする気力がない」
「俺も」
「ふっ…明日いい点取れよ」
「頑張ります」
「なんかさ新井ってこんなやつだったんだな!今までは女子からの人気かっさらっててすげーなとか思ってたけど、実際はすぐにキレるし強がりだし、不器用なんだな、榊とつるんでるの不思議なくらいだわ」
「そうだな、勇利とつるむ前は俺結構荒れてたんだよ、小学生の頃とかさ俺が水泳で県選抜に選ばれたの面白くない奴らがいて帽子隠されたりしてたんだ。それが悔しくて悲しくて俺に近づくなオーラを出して周りを遠ざけてたんだ。でも勇利はそんなの関係なく一緒にいてくれた。県選抜に選ばれたことをすごい喜んでくれたし、帽子を隠した奴らを怒ってくれた。自分も標的なるかもしれないのにさ、優しいよな。あいつは関わった相手を知ろうとしてくれるんだ。」
「ほんとに優しいな勇利くんは」
「市東、うっかり口滑らせて勇利って言うなよ、お前睨まれるぞ山理に」
「あいつ嫉妬深いんだな」
「いや、あいつまじで嫉妬深いよ、俺たちが勇利、瑠衣呼びなのは元々なのにめっちゃ反応するし、」
「うわー」
「またいじろうかな」
「成田まじでやめておけ」
➖➖➖➖
テスト2日目
「やっ…やっと終わった…」
「疲れたな」
「はぁーまぁとりあえず山は超えたな、明日は家庭科とか保健だし、いけるいける」
「油断するなよ」
「成田、市東、テストどうだった?」
「で…できたと思います…」
「俺も多分」
「お前ら何おびえてんの?」
「いや!だって新井クソこえーんだよ!まじでスパルタだったんだからな!」
「分かりやすく教えたつもりなんだけど」
「いや!分かりやすかったんだけど、その分新井くんの圧が強すぎて…!」
「瑠衣、またそんなことしてたの?厳しくしすぎちゃダメだよ!」
「えー」
「だよなぁ!」
「明日答え合わせてみんなでするか」
「いいね、俺は数学はいつも点数いいからな!お前らに見せつけてやるよ」
「大人気ねーな」
「まぁ今日は休もうぜ!早く帰ろ!」
「おうじゃあなー」
➖➖➖➖
電車の中はがらんとしていて周りには俺たちしかいなかった。
「廉の部屋ってシンプルそうだね」
「漫画だらけだよ」
「楽しみだな」
無自覚怖い…俺が今どんな気持ちでいるか知らないだろほんとに今緊張しておかしくなりそうなんだからな
「おじゃましまーす」
「どうぞ、まだ昼だし親もいねーからゆっくりしてけよ」
「うん」
はぁ、平常心平常心…落ち着け、落ち着け俺
「ほんとだ!漫画たくさんある」
俺…キスだけで止まれるのか?いやいや、勇利はきっとそんなつもりで遊びに来たわけじゃないだろ!勇利の気持ち考えろ!絶対に怖いだろ!
「……」
「?勇利どうした?」
「いや………別に」
顔赤くなってる…
「いや!お前も緊張してんのかよ!」
「え!?い、いやするよ!だって好きな人の家だよ?」
「こんなに緊張してるの俺だけかと思った」
「そんなわけないだろ!ほんとに心臓バクバクなんだよ」
嬉しい
「勇利…その、ごめん、家に呼んだのはちょっと下心あった」
「う、うん」
「怖い?」
「ちょっと…」
「嫌ならしない…俺は勇利が大事だから」
「嫌じゃないよ廉…す、少しずつなら」
「いいの?」
「うん…廉来て…」
➖➖➖
「うっ…いっ!」
「大丈夫か?」
「だいじょばないけどやめない!」
「でも辛そうじゃん、無理すんなよ」
「やだっ!…最後までする!!」
➖➖➖➖
「はぁはぁ…うぅ」
「今日はやめとこうか」
「一緒にしたかったのに……」
「泣くなよ」
「でも」
「無理すんなってまた何度でもすればいいだろ?なっ?お前も俺も一緒に気持ちよくならなきゃ意味ないんだよ」
「うん…」
やばい、今のでもっと好きなった
「廉…ありがとうもっと好きになった」
……っ!
「煽るなよ…」
「え?どいうこと?」
「なんでもない」
無自覚こえー…
「疲れたか?体調大丈夫か?」
「うん…大丈夫」
それからはキスしたり、一緒にゲームしたりして過ごした。たまに部活のことやクラスのことも話してもっと勇利のこと知れて嬉しかった
「廉…ありがとう、俺楽しかった」
「うん、俺も」
「次は俺の家きて、待ってるから」
「分かった」
「じゃあね、また明日」
「おう、気をつけて帰れよ」
➖➖➖
ドサッ
ベッドに寝転がり今日のことを振り返る…
勇利可愛かったな…
はぁー…俺寝れんのかな…
➖➖➖
テスト3日目
「あー!終わったー!」
「な!お疲れ!」
「はぁー!疲れた!」
「答え合わせしよーぜ!」
***
「日本史の最初の選択問題って、4.6.2.8?」
「え…俺ちょっと違う、4.6.2.3」
「うそだろ…」
「え、4.6.2.8だよね?」
「榊ー!だよな!市東間違い!」
「うざ」
「英語のリスニングはどうだった?」
「俺は、5.7.1.9.3だったと思う…」
「えーまた市東と違う5.6.8.1.2.、榊は?」
「俺は3.1.6.8.4」
「うそだろ…まじか!」
「成田くんあんなに単語の発音覚えてって言ってたのに」
「ごめんなさい…」
「勇利!俺も3.1.6.8.4だ!よし!」
「俺も一緒だな」
「2人とも一緒でよかったー!」
「おい、成田、単語帳覚えてこいって言ったよな?」
「いや!覚えたよ!覚えた!やっぱりリスニングは自信はないよ!でも長文は自信あるから!」
「ほんとだな」
「もちろんです!」
「どんだけスパルタだったんだよ」
➖➖➖➖
「れんくん次は部活だね」
「そうだな」
「榊お前大会観に行くの?」
「うん」
「俺らも応援しに行くわ」
「いや、いいです。」
「なんで?」
「なんでって恥ずかしいからだよ」
「榊くんはいいのに?」
「まぁー恋人だもんな」
「え、みんなで行こうよ」
「な!お前の恋人が言ってるぞ!」
「この大会は結構真剣なやつなんだからな!お前ら変なことすんなよ!」
「そりゃ応援はするよ!終わったらちゃちゃ入れるけどな」
「だから嫌なんだよ!」
ん?部活?
「あ!忘れてた!今日ミーティングじゃん!やべ!怒られる、ごめん先帰っててじゃあ!」
「あいつやっぱり脚速いな〜」
「ほんとだよね」
「ところでさ〜さかきく〜ん」
「はい?」
「恋バナしようよ〜!」
「ええ!恋バナ!?」
「ほらほら榊くんはいつ山理を好きになったの?」
「え、っと」
「お前らやめとけよ勇利が困ってんだろ」
「えっと…勉強会の帰りの電車です」
「山理と一緒だな」
「最初の印象は?」
「最初は頑張り屋だなって思った、でもれんくんは自分のことそんなふうに思ってなくて、自分を卑下しないで欲しかったんだけど逆に怒らせちゃって、」
「なるほどな」
「俺、実はてんかんもっててさ、だから普通になりたいって気持ちは分かるから頑張りすぎてることに気づいて欲しかったし、自分のこと大事にしてないのがちょっとムカついちゃった。」
「勇利もムカつくことあるんだな」
「うん」
「榊くんてんかん持ってたんだ」
「お前も身体大丈夫なのか?」
「俺は全然大丈夫!」
「山理の心を勇利は動かしたんだな、それってほんとにすげーよ」
「そうなのかな」
「そうだよ!あいつ全く人に関心なかったんだぞ?」
「そうそう、榊くんに出会って初めて人に興味を持ったんだよ、まぁまさか恋人になるなんて思ってなかったけどな」
「そっか…」
「あとさ、山理ってお前と一緒にいる時普段どんな感じなの?」
「どんな?そんなに変わらないけど、あ、でも意外と嫉妬深いなって思った」
「詳しく聞かせて」
「えっと」
「勇利、喋りすぎると山理が怒るぞ、というか市東と成田に怒って暴れそうだからやめておけ」
「いわねーよ」
「そうそう!!ただニヤけるだけだから!」
「に、にやけられるのはちょっと恥ずかしいかな」
「ほら、お前らやめておけ!」
「えー、じゃあさ恋愛相談乗るよ!俺らが!」
「え、ほんと!?」
「勇利!バカ!こいつらは恋愛相談乗るとか言って山理をいじりたいだけだ。信用するな」
「新井!バラすな」
「あ、でも相談は乗って欲しいかな」
「そんくらいいつでも乗るよ、今なんかあるの?」
「うーん、れんくんってさ女子ともよく喋るじゃん?人気だし、あんまり喋らないで欲しいって思うのって重いかな?」
「「かわいいな!」」
「?」
「いや!悩み可愛すぎるだろ!!」
「勇利それ山理に言えばいいじゃん。あんまり女子と喋らないでって」
「でもれんくんも喋りたくて喋ってるときもあると思うし」
「いや、あいつは話しかけられたら話すよあんまり自分から話さない」
「そっか…ならよかった」
「でも嫌なら嫌って言っていいんだぞ?あいつがそんなことで榊くんのこと幻滅なんてしないよ、むしろ嬉しいと思う」
「うん…分かった」
「あとは?」
「あとはー、あ、どっか2人で一緒に遊びたいんだけど、どこがいいと思う?」
「それってデート?」
「デートなのかな?よくわからないや、俺こういうの初めてだし」
「2人で行きたいとこ行けばいいんだよ、2人でどこに行きたいの?」
「うーん…駅の近くに新しいカフェができたんだよね、だからちょっと行ってみたい」
「それを言えばいいんだって!いいたいことを素直に言い合え」
「勇利、お前は頑張りすぎるな、いつもの勇利でいればいいんだよ」
「うん、そうだよね」
「他!」
「大会前にお守りあげたい」
「いや可愛すぎるだろ!ていうか2人とも初心だな」
「なんか暑いわ!お前らと話してると」
「ほんとにこっちが恥ずかしくなる」
「え?変?」
「変じゃねーよ、お前ら付き合ったばかりなんだからちょっとずつお互いのペースで歩けばいいんだって、無理に恋人でいようとするな。お前らのままでいいんだよ」
「さすが恋愛マスター新井」
「その呼び名やめろ」
「うん…ありがとう」
「さぁー俺らも帰るか」
「榊くんどうする?」
「俺はれんくんを待ってる」
「分かった、じゃあ明日な!」
「うん!」
➖➖➖➖
「なあ新井」
「ん?」
「お前平気か?」
「平気って?」
「俺も聞こうと思ってた、榊くんたちのこと平気なのかなって無理してるなら距離置いてもいいと思うよ、距離置いたからって新井くんと仲悪くなんかならないし」
「いや、全部吹っ切れたって言ったら嘘になるけど、あいつら見ててやっぱり俺の入る隙はなかったんだなって思った。今は2人のことを応援したいって気持ちが強いかな」
「前さ、榊くんに新井くんと同じ人を好きになってしまったって相談された時に聞いたんだ。もし新井くんと山理が付き合ったら榊くんは友だち辞めるの?ってそしたら2人のことは応援したいってさ。榊くんも新井くんもお互いを分かってるから大丈夫だよ、これからもやってけるって!」
「そうだよ、お前も1人じゃないんだからさ!辛くなったら頼れ!」
「2人ともありがとう…」
勇利…ありがとう
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ミーティングにギリギリ間に合った…よかった
みんなもう帰ったよな
「廉」
「え?勇利?」
「帰ったんじゃないの?」
「一緒に帰りたくて待ってた」
「ありがとう、すげー嬉しい」
「うん帰ろう」
➖➖➖
「テスト疲れたな」
「…化学大丈夫かな、不安」
「大丈夫だって」
「うん、あのさ…その…お願いがあって」
「ん?どうした?」
「その……女子と…あんまり仲良くしないで…」
「え?」
「あ、忘れて!」
「やだ」
「やだって」
「もしかしてヤキモチ?」
「うん…廉は人気だから女の子に喋りかけられるのもしょうがないんだけどやっぱりモヤモヤしちゃって、一切喋るなとかじゃなくて、できるだけというか無理のない範囲でいいから」
「はぁ…」
「お、重かった?」
「いやそうじゃなくて今すぐに抱きしめたいのに、電車の中で抱きしめられないのが辛い…ほんとに反則…
そんなふうにヤキモチ妬いてくれて嬉しいな、分かった話してくれてありがと」
「ううん、あのさ…テスト最終日だし2人で早く帰れるの今日で最後だし、俺の家来ない?」
「いいの?」
「うん…」
****
➖➖➖➖
「ここだよ」
「おじゃましまーす」
「俺の部屋こっち」
「うわすげーな!お前の部屋!本たくさんある」
「読む?」
「俺には難しいかも」
「そうかな?」
勇利の部屋…すげー緊張する
「ん?勇利?」
「ごめん…まだ緊張する」
「俺もだよ…ほんとにおかしくなりそうなんだ…ヤキモチ妬いてくれて嬉しかった、俺だけかなって思ってたから、」
「モヤモヤはやっぱりするよ、付き合う前に女子と話してるの見て、やっぱり人気だよな、やっぱり俺なんかじゃ到底届かない人だったんだって落ち込んだときがあった」
「俺も勇利が好きって自覚した日さ、新井と一緒に歩いててすげー楽しそうにしていたから、新井は背も高いしイケメンだし俺よりお似合いだよなってそう思ったらダメージデカすぎてよろけてしまった時ある」
「そうなんだ…あのさ…近くに新しくできたカフェあるんだけど今度一緒に行かない?」
「それってデート?」
「うん…デートのお誘いです…」
ほんとにかわいいな
「行きたい、カフェの後はどこ行きたい?」
「廉の行きたいところに行きたい。一緒に楽しいことしたい」
「俺は、どうかな…勇利、海好き?」
「うん」
「海行きたい」
「いいよ行こうよ」
「勇利がこんなに俺のこと考えてくれてるなんて思ってなかった。嬉しい」
「廉は俺にたくさんのものをくれるんだ…いろんなもの、想像してなかったものを、自分自身に言ってあげられなかった言葉を…たくさんたくさんくれるんだ、だからどんどん好きになっていく、どんどん欲張りになって廉とずっと一緒にいたい、楽しいことしたいって思う。廉としたいことたくさんある」
「勇利…」
➖➖➖➖
「んんっ…うっ」
「大丈夫?」
「昨日よりは…うぅ」
「無理するなよ」
「してない」
「勇利、痛い?」
「大丈夫…うっ」
「痛いならやめるから言って」
「やだ」
「勇利…ダメだよ」
「やだよ…また出来ないのやだ…」
「泣くなよ」
「だって…こんなに好きなのに…」
「昨日も言ったろ?また何度でもしようよ」
「うん…でももう少し頑張りたい…ダメ?」
「かわいい…ダメじゃないけどやばかったら俺が止めるからな」
「うん…」
ぐぐ
「あ…んん!」
「大丈夫?」
「うん」
「もう少し頑張る?」
「うん」
ぐっ
「うっ!んん」
「勇利全部入った」
「うん…」
「今日は動かしたりしないからな、これ以上無理させたくないし、慣れるまでこのままいよう、なっ?」
「うん…」
「勇利震えてるぞ大丈夫か?やっぱり怖かった?それとも痛い?」
「違う…怖くない…痛くない…なんかほっとしたというか…色々込み上げてきて…」
勇利のその言葉を聞いて、今まで勇利が俺にくれた言葉を思い出してしまった…あぁ俺もう勇利しか見えてないんだ…勇利、好きだ、そう思うと色々な感情が溢れてきて涙となって落ちてきた
「勇利…」
お互い静かに泣いていた
勇利の頬に俺の涙が落ちる、勇利の目本当に綺麗だ
「廉といると安心する…」
「俺も…」
「はぁ…んん」
「慣れてきた?」
「うん…」
「それそろ抜くよ…また何度でもしよう」
「うん…何度でもしたい」
「煽るなって…」
➖➖➖➖