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弓で出す  作者: ICMZ
84/85

その男 トチギアにつき

木曜日 朝10時半 ちょいすぎ Day47


夏目  :コンコン「失礼します」


夏目が入ってくる

タケシさんのスマホからの合図での登場


夏目  :「社長!!

      次の仕事 取れましたー!!」

桑原  :「おおー そうかー

      夏目君 良くやった!!」


夏目はさりげなく妙子さんの事を 一瞥(いちべつ)するが直ぐ目線を社長に戻す

それはそうだ 奥さんと 一緒にいじめられた恨みがあるだろうし


タケシ :「夏目さん 良くやりました!

      因みにプロジェクトのサイズは前 話したとおりですか?」

夏目  :「タケシさん そうです」

タケシ :「そうすると 社長

      工数的にも 五反田のプロジェクトは無理ですね?」

桑原  :「タケシ君 そうなるかな

      五反田会長 

      本日は、お忙しい中弊社にご足労いただきありがとうございました

      ただ 誠に申し訳ないのですが

      今回は ご縁が無かったという事で」


社長が立ち上がり 斎藤さんも立ち上がり 鈴木さんも立ち上がり

夏目は立ったまま そして自分は反対側からコーヒーを持って立ったまま

5人が立ったまま 妙子さんを見下(みお)ろす


あなたはここでは迎えられていない

だから帰ってください

それをボディーラングエージで示す


因みに夏目が仕事を取れた事は実は全員知っている

が あえて ファイナルプッシュ

レストランで言う お客がいるのにファイナルバッシング 

本来なら お客が帰った後に行われる清掃行為

それを客が居るタイミングで行う禁断の作業

もう帰ってください!! それを知らしめる為


このタイミングで部屋に入って来てもらっている


普通に人数の利

そして口うるさい五反田側の社長と社長秘書が居ない

その上での沈黙でのプレッシャー


***数秒後***

会長  :「そう それじゃー 仕方ないわね」


そう言って 妙子さんが立ち上がり

秘書がその後ろへ


会長  :「じゃー またね」


またね? いや もう会う事はないだろう

ないよな? あったら嫌だなー

笑みを崩さないでジッと相手を見ている

ただ会長も笑みを崩していない

微かな違和感。。。なんだろう? 


会長秘書を従えて二人で会議室から出ていく


思わず大声で喜びたいだろうが

声をあげずにガッツポーズする夏目 社長 斎藤さん そして 鈴木さんも


鈴木  :「あの タケシさん

      契約書の変更部分 どうやって分かったんですか?」

タケシ :「ステレオグラムです」

鈴木  :「立体視 ああ 間違い探しに使う奴ですよね?」

タケシ :「契約書の変更前と変更後を比べる場合とかにも役に立ちます

      まー 相手が 本格的にフォントサイズを変えたり

      文章の行を変えてきたら出来ないですけど」

斎藤  :「いやー タケシさんが予想してた通り

      契約書の内容変えてきましたね?」

タケシ :「まー あの相手ならやってくるかなーーって思ったんで

      上手く(はま)った感じですけど」


微かな違和感 ただ その正体が解らない


タケシ :「ごくごくごく ぷはー コーヒー沁みる―」

タケシ :「。。。。。。。。。あ!!! やべ!!!」


コーヒーを置いて 慌てて会議室を出る

廊下を見ると 妙子さんと秘書がエレベータに乗っており

エレベーターのドアが閉まり始めている


妙子さんと目が合う

ニヤリと笑う妙子さん

焦ったら負けだ! 焦った仕草を見せるな!! 余裕を見せろ!!!


オーバーアクションで背広を直す


ドアが閉まったのを見計らってからダッシュでエレベーター横の階段に


トッ トッ トッ トッ トッ タン(踊り場) トッ トッ トッ トッ トッ


まさか この齢で エレベーターと競争する事になろうとは

誰かが途中でボタンを押して止まってくれれば助かるけど

小さいビル

そしてマーフィーの法則

無理だろうなーー


トッ トッ トッ トッ トッ タン(踊り場) トッ トッ トッ トッ トッ


年を取った どっこいしょ よいしょ というようになった

体が思うように動かなくなった

色々と体が壊れていきてくようになった


トッ トッ トッ トッ トッ タン(踊り場) トッ トッ トッ トッ トッ


パルクールのような派手さはない

別に誰かに褒められた訳でもない

足の遅かった俺が小学校の遊びで生き残る為 ただ必要だったから体得した

散々練習した俺だけの 俺の知る限り俺だけの 足の遅い俺だけの

超必殺技 一段飛ばしで階段を駆け下りる


トッ トッ トッ トッ トッ タン(踊り場) トッ トッ トッ トッ トッ


俺だけのオリジナル 俺だけが出来るオリジナル

偶に階段1段飛ばしで登る人は駅などで見るが

一段飛ばしで降りる人は今までで会った事は無い

大体 俺はなー これでも ダッシュビルドで爆弾魔で1位とったんだぞ


シュッ シュッ シュッ シュッ シュッ タン(踊り場)

シュッ シュッ シュッ シュッ シュッ


このまま 最後ーーー


シュッ シュッ シュッ シュッ シュッ タン(踊り場)

シュッ シュッ シュッ シュッ シュッ


そして 1階の階段のドアを開ける

心臓がバクバク言っている

早く呼吸したい

いっぱい呼吸したい

深呼吸したい

その欲望を抑え漫画【狼餓伝】の堤と戦った文七を見習う

深呼吸1つ半

背広を整え ネクタイを整えてから 深呼吸1つ半

これ以上やると額に汗がいっぱい出てくるので大きく息を吸いたいのを我慢

敢えてこれだけに留める


ポーン


エレベーターの扉が開き

妙子さんが歩き その斜め後ろをホールチーフであった会長秘書が歩く

秘書の横にスッと近づく


会長  :「はー お見送りもないなんて やはり3流の会社ね」

タケシ :「そんなこと言わないでください 

      あー 見えても1国1城の主

      意外と忙しいんです」


自分の声に驚いて 妙子さんが立ち止まり 振り返りこっちを見る

驚いた顔 それは横に居る会長秘書も同じ

妙子さんが驚いた顔のまま 自分とエレベーターを見比べる 

このビルに1つしかないエレベーター

乗るのをミスったら追いつく訳がない

階段をどんなに頑張って降りても追いつく訳がない


1段抜かしで流れるように階段を駆け下りる人間が居るなんて思わない

それを見た事があるなら簡単に答えは出るが

それを知っていたら簡単に答えが出るが

それを知らなかったら永遠に答えは出ない

自分の知らないことは思いつかない だから不気味に映る


折角だ 2度と会わないだろうし 1押しさせてもらう

ニコッとして


タケシ :「どうしました? 凄く可愛い お顔をなされてますが?」

会長  :「!!!!!!!!!!!!!!」


会長が少し顔を赤らめている


タケシ :「えーと 申し訳ありませんが 受付で記帳お願いします」


3人で受付に そして 退館時間を記帳


会長  :「あなた 最前線で働いていたって本当だったのね?」

タケシ :「もしかして 疑ってました?」

会長  :「あなたなら 有り得るかなーって思ってたし」


ニコッとする

そして3人でビルのドアまで

そしたら 黒塗りの車がスッと来る

でも社長秘書と社長が見えない

タクシーかなんかで帰ったのかな?

それとも待ってる時間を喫茶店で時間 潰してるとか

そしてドアが開けられ妙子さんが乗り込む


会長  :「あなたが居るならこの会社 潰すのダメそうね?」

タケシ :「。。。。。。。。」


権力を持った人間は平気でこういう事をしてくるから困る


会長  :「ねー 私の所に来る気は()()?」

タケシ :「光栄ですけど あの社長秘書は普通に避けたいお年頃なので」


そう言って 会長秘書を見る


タケシ :「あの時は 本当に助かりました」


本心からのお礼

この人の器の大きさが無かったら大恥を1人でかいていたのだから

今度は会長秘書である向こうがニコッとしてくる


会長  :「ふーん。。。。。。それじゃ。。。またね?」


そう言って 会長 そして秘書が乗り込み 黒塗りの車が発車する

角を曲がって見えなくなるまで軽く会釈をしたまま

車が見えなくなってから テキストメッセージで

無事 お見送り終了しましたと送付



会長  :「ねー さっきの社長秘書って言ってたのは?」

会長秘書:「以前 会長がスピーチする時に ひと悶着あったんですよ」

会長  :「なんか 話してたなーと思ってたけど」

会長秘書:「ゲストに対して人を見下した酷い事を言ってましてね」

会長  :「あのバカ!! 後で呼び出しておいて」

会長秘書:「わかりました」

全員  :「。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。」

会長  :「それにしても 平気でパッと契約書見破って来たわね?」

会長秘書:「会長の予想通りでしたね?」

会長  :「面白くないわねーーー」

会長秘書:「ハイ」

会長  :「生意気よねーーー」

会長秘書:「ハイ」

全員  :「。。。。。。。。。。。。。。。。。」

会長  :「ねえ 彼 エレベーターに乗ってなかったわよね?」

会長秘書:「乗ってなかったですね?

      扉が閉まるときに会議室出たばっかでしたし」

会長  :「あのビル エレベーター1つだけよね?」

会長秘書:「ハイ」

会長  :「階段おりるのじゃ 絶対 追いつかないわよね?」

会長秘書:「ハイ」

会長  :「ワープでもしたのかしら?」

会長秘書:「実は双子だったりとか?」

会長  :「そっくりさん?」

会長秘書:「どうやったのか? 本当に判らない」

会長  :「本当よねー 久しぶりに本気で驚いたわよ!」

会長秘書:「あれには 自分 参りました!」

会長  :「私も 参っちゃったわよ!!」

会長秘書:「会長 可愛い顔なさってましたしね?」

会長  :「あはははっ あはははははははははははは()

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