余計な事 言わないでよー
月曜日 朝9時半 ちょいすぎ Day30 鎌田本社
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視点変更 斎藤
五木 :「デカいですね」
斎藤 :「流石 鎌田本社 大きいわね!」
予定より30分前の到着
永川さんって人にセッティングしてもらった今日の顔見せ
部下の五木と共に来たのだが
仕事とれれば嬉しいなー
いや 取らなきゃダメだ!
取り合えず 今日は爪痕を残して次に会う時に仕事を取れるように頑張らねば
10時の予定なのだが念のため30分前に着いておく
そして受付へ
実際に会うのは10時なのだが早めに着いている
早く来たんだぞ! って誠意がある事を示す為に受付へ行き
ビジターズログに書き込み
そして30分間 入口で待たせてもらうはず。。。だったのだが
***数分後***
受付員 :「斎藤様
準備が出来ているとの事で 会議室にご案内させて頂きます」
五木さんと 一緒に受付員に付いて行くが
途中にある会議室をガンガン素通りしていく
普通 初めての顔合わせは入口に近い会議室のはずなんだが
***数分後***
案内されたのが約20人分ぐらいの会議室
しかも椅子が黒皮
でっかいスクリーンが2つ テーブルの前にある
。。。。。。。。。 え? なんで?
顔見せで ウチのような初見の会社に こんな豪華な会議室はおかしいのだが
しかも 相手側が5人
1~2人じゃなくて 5人 え? なんで?
斎藤 :「初めまして」
名詞交換をしながら 挨拶
取締役 部長 開発の課長とエンジニアの主任 あと営業
取締役の人がいる。。。 え? なんで?
斎藤 :「これ つまらないものですが 気に入っていただけますと幸いです」
取締役 :「これはこれは ご丁寧に」
テンプレの挨拶が終わる
斎藤 :「ラップトップをスクリーンに繋げさせてもらいたいのですが」
課長 :「あっ はい こちらを どうぞ
あと 出来ればMSチームにも参加してもらいたいのですが」
そしてラップトップを会議室の大きなモニターに繋げる
チームには鎌田側5人と うち等2人の計7人
斎藤 :「本日はお時間を割いていただき誠にありがとうございます」
そう言ってから ラップトップのプレゼンを開始する
プレゼンについては 何べんも何べんも やってきたもの
そこまで つっかえたりする事は無かったのだが。。。
質問とかも特になし。。。
そして これで終わるはずだったのだが。。。
課長 :「えーと では こちらから3件 説明させてもらいます」
え? なんで? 今日は顔見せだけのはずでは?。。。
そして鎌田側からのプレゼン
課長 :「内が今 取り扱おうとしている案件が3つです」
そして相手側のプレゼンが始まろうとしている時
これ 凄いチャンスなんじゃ。。。と考えている自分と
何かがおかしい?。。。と考えている自分がいる
普段なら 前者が勝つのだが。。。今日は違った
恥とか失礼とか言っている場合じゃないと頭の中で警報が鳴っている
斎藤 :「チョット待って下さい 本日顔見せだけを想定していたので
エンジニアリングに電話を掛けても宜しいでしょうか?」
素直に断りをいれて 多少失礼なのを承知の上で
スピーカーフォンでタケシさんに電話する
ぷるるるるる ぷるるるるる
タケシ :「斎藤さん おはようございます」
斎藤 :「タケシさん おはようございます
今 鎌田さんに営業の最中なんですが
具体的なプレゼンをしてもらえるので
オンラインで参加お願いできますか?」
タケシ :「プレゼンの内容は?」
斎藤 :「アプリの製作 AI関連 と ヨーロッパの案件です」
タケシ :「SMEと連絡をとります
Moozか イプスカ か チームのどれですか?」
斎藤 :「チームです」
タケシ :「分かりました
1分後にインバイトしてください」
そしてタケシさん が電話を切る
取締役 :「SMEというのは?」
。。。。。。えーと なんだったっけ
五木 :「サブジェクトマターエンジニア 我が社の専門家の事です」
取締役 :「ほーー」
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視点変更 タケシ
コーヒーを入れていたら 榎本さんが居たので少し会話
そしたら斎藤さんから電話が掛かってくる
声の様子から少しテンパっているっぽい
タケシ :「榎本さん
九段下さんと本部さんを呼んできてください
自分のデスクの近くの会議室です
榎本さんも経験になるので参加お願いします」
榎本 :「分かりました」
そして自分は 二木さんを呼びに行く
***2分後***
タケシ :「まず いま 斎藤さんが鎌田に営業をかけています
社運が掛かってるとは言いませんが
失礼の無いようにお願いします
そう言った自分が一番 怪しいんですけどね
自分 営業はダメダメなんで」
実際 社運かかってるんだが それ言って無駄に緊張させても仕方なし
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視点変更 斎藤
タケシさん 達がビデオ会議のチームに参加
そして よろしくお願いします と声をかけてから 鎌田側のプレゼン
流石の鎌田の案件 値段が凄い その分大変だと思われるが
途中 九段下さん と 本部さんが 幾つか質問
そして3つ目の案件を鎌田側が説明しようとしたら
それは突然やってきた
タケシ :「すいません 斎藤さん 3件目は断ってください」
斎藤 :「え?」
タケシ :「ライフサイクルです! 断ってください!」
一番でかい案件 断るなー!
余計な事 言うなーー!
取締役 :「ライフサイクルというのは?」
タケシ :「主に2つです
1つめは 国や地域によってレギュレーション
あと規格ですかIEEE,ISO,QS,TSとか色々ありますが
それをモニターして常に最新にしていかなければならない
現地法人か現地に支部がある場所でなければダメです」
課長 :「でも 開発には関われますよね?」
タケシ :「Tier2として開発に関われますが
緊急対応が必要なっ場合
現地との時差 その上で別会社の開発と連絡
別会社が調べて結果を報告するまでのラグの時間
当然 別会社の開発の場合
第1報は調べるのに時間がかかると連絡
それだけで1~2日ロス
これ最悪 現地政府に目を付けられたりとか
メディアにリークなど 日本叩きの材料にされた場合
致命的になりかねません
開発とライフサイクルは 一本化しなければならない」
部長 :「確かに 自国の会社優先で日本叩きとかは あるよなー」
タケシ :「まー 極端な例だと カタカって経営破綻しましたね
似たようなイグニッションの鍵の重さの不具合を知っていた
リコールをZMって会社は政治的関係で問題なかったのに
現地の会社の強みです」
全員 :「。。。。。。。。。。。。。。。。」
タケシ :「2つ目がバージョン管理です
リリースバージョンが1.0
そこから1.1 1.2 1.3 1.4とアップデートしていて
レギュレーションが変わった1.5
順番に1.0ー>1.1ー>1.2ー>1.3ー>1.4ー>1.5
とアップデートされるなら問題無いですが
1.1から 1.5へ
1.2から 1.5へ
みたいにバージョン抜かしでアップデートされた場合
不具合が起きないかどうかの検証ですか
どこかのマイルストーンリリースを
OTA オーバーザエアーでアップデートしていたりで
問題が発生した場合ですか」
斎藤 :「そこまで大変ですか?」
本部 :「タケシさんが言ったのは 例えです
実際 バージョン1.1.0.1 1.1.0.2等
更に細かいバージョンも出てきます
極端な例でいうと マイクロンソフト
その対応が出来なくなって
ウィンドウズがバージョンアップデートを
11から強制してますよね?
ライフサイクルが追いつかないからです
しかも失敗すると 一斉に不具合発生です」
タケシ :「ライフサイクルは 問題が発生したときの対応
バージョン管理の方法 検証のしやすさ、バージョンの更新の仕方
それらを考慮した場合 現地の窓口と開発を 一本化すべきです」
取締役 :「そうなのか?」
開発の課長とエンジニアが取締役に説明
取締役 :「これは定例会で上げるように」
部長 :「資料 用意させます」
。。。。。これは断って正解だったのかも
課長 :「1件目と2件目については?」
タケシ :「1件目についてなんですが 追加のプレゼンがあるのですが」
そう言ってタケシさん が彼のラップトップのスクリーンを映し出しプレゼン
ガントチャートと呼ばれる 大まかな予定
それをさらに細分化したクリティカルチェーンと呼ばれる細分化した升目
タケシ :「これは前回の内のプロジェクトの内容です」
1日目から60日目まで ますめがどんどん埋められていく映像が流れる
タケシ :「この管理方法の利点は細分化する事で
無駄なく作業が割り振れること
遅延が発生した場合
例えば 部品納入の遅れ 開発者の病気や休暇
自然災害 等があっても仕事の影響を少なくできる
そして仕様変更に対応できる事です」
課長 :「仕様変更に対応?」
タケシ :「仕様書に明らかな間違いがあっても 仕様通りに作成
そして仕様変更で追加料金をせしめる
それは3流の会社がやる事です
これをやると コストと工数の時間が無駄になりますよね?」
全員 :「。。。。。。。。。。。。。。。。」
タケシ :「仕様についての打ち合わせを我が社は取らさせていただきます」
余計な事 言うなー!! それ料金を多くとる 言い訳なのに
タケシ :「一度 開発をして我が社の人材の工数が発生した場合は
仕様変更の料金を頂きます。。。それは正当な権利なので
逆に まだ開発をしていない場合は
変更内容 工数によっての交渉です
仕様が変わる可能性がある
など あらかじめ言って頂ければ
その部分以外の開発にリソースを割いて
仕様変更が完成するまで時間を引き伸ばしたり出来ます」
全員 :「。。。。。。。。。。。。。。。。」
タケシ :「その時 例えば機能削除とかなら 値段は逆に安くなりますし」
余計な事 言うなー!!! それ料金を多くとる 言い訳なのに
営業 :「え? 安くなるのですか?」
相手の営業が笑って言ってくる
タケシ :「極端な例だとテレビのリモコン
日本製だとカスタマー が1度も使わない設定のボタンや
設定内容ありますよね?
その機能を削除した場合 開発と検証の料金が無くなります
また 御社の視点からだと
取扱説明書や カスタマー対応する人に対してのトレーニング等の
コストも削減できますし
小さい変更内容でも大きな俯瞰的な視点で見た場合
長期的な潜在コストが変わったりしますので」
全員 :「。。。。。。。。。。。。。。。。」
タケシ :「急な仕様変更の対応と
仕様書の改善点の提言はさせて頂きます
基本的に週報でステータスを連絡させてもらいますが
その場合は日報報告で開発状況を報告できますので」
全員 :「。。。。。。。。。。。。。。。。」
下受けから顧客への仕様変更の提言は普通 嫌がられる
下っ端が何言ってんだ!!! って事で
ただ 細かい説明とコストの説明で相手側からそのフンイキが今日は無い
相手の課長とエンジニアが普通に感心している
タケシ :「あと 2件目なんですが 期日 決まったりしています?」
取締役 :「どうなんだ?」
部長 :「いや 大まかな日付しかないですが」
タケシ :「なら 1件目を任せてもらって
2件目はその出来によって決めてもらうとかでも」
余計な事いうなー!!!! 2件同時に取れた方がいいのにーーーー
なんか 鎌田の営業の人が 慰めのような眼でコッチを見てきているよ
タケシ :「ただ送付してもいい資料があれば送ってもらいたい」
本部 :「API 関連と サーバ関連部分 があれば 特に」
九段下 :「大体の性能の閾値とか目標があればそれも」
取締役 :「出来るか?」
部長 :「はい 問題無いです」
全員 :「。。。。。。。。。。。。。。。。」
取締役 :「一件目は任せてもいいんじゃないか?」
部長 :「問題ありません」
課長 :「問題ありません」
主任 :「問題ありません」
営業 :「契約書を持参して明日 御社に伺わせてもらいます
それで宜しいでしょうか?」
斎藤 :「あ はい 宜しくお願い致します」
***10分後***
鎌田から出る
五木 :「鎌田から仕事とれちゃいましたね?」
斎藤 :「正式に契約してからだけどね」
五木 :「でも今日 顔見せだけだったのでは」
斎藤 :「タケシさんの知り合いの永川さんって人が
セッティングしたらしいんだけど まさかあそこまでとは」
五木 :「ちょっと怖かったんですけど」
斎藤 :「実は私も」
五木 :「えー そうなんですかー 顔には出てませんでしたけど」
斎藤 :「一応これでも 営業歴長いからねー
鎌田側からプレゼンなんて 焦ったわよ! 本当に」
五木 :「あとタケシさん
3件目断っちゃうし
2件目は後でいいとか言っちゃうし」
斎藤 :「あれには ほんっっっっとうに参ったわよ!!!
仕様書変更も開発前ならお金かからないとか言っちゃうし」
五木 :「。。。。。でも そのおかげで1件目取れたような」
斎藤 :「なのよねーー。。。強く言えないわよねー
でも それなら頑張っていい仕事してもらって
2件目ウチで取れるぐらいにしないとねー」
その後 五木さんと昼食をとってから差し入れを買って 会社に戻る
なんだかんだで 我が社の生き残りが決まってしまった
リファレンス ネタ元 雑記 補足 隙あらば自分語り 必要ない裏技 etc
パワポのプレゼンが普通です 偶にプレジです
ただ 同じアニメモーションを何度も使ったり
オンラインのリンクが上手く機能しなかったり
意外と落とし穴が多いです
営業のプレゼンでパワポではなくエクセルで堂々とやっていた会社もありました
実力勝負。。。普通にダメでしたね
商品を剥き出しで差し出すようなものです
商品を包む箱と紙や風呂敷
プレゼンや顔見せって内容以外の部分の意味合いが意外と大きい物です




