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弓で出す  作者: ICMZ
6/85

さらし者になった男は堂々と拍手を送る

日曜日 1時15分 ちょいすぎ 新宿  Day1

*************************************

視点変更 斎藤


間違いなく私がなにかやらかしたのであろう

そして その説明は後でファーストフード店で聞く事になる

ただ この時 私はタケシの行動を全くもって理解していなかった

いや 出来なかった




あれから数分 会長と会話をした後 パウダールームを出て会場に戻る

会長が言ってた通り タケシは立ったまま私達を待っていた


会長  :「まるで犬のようね」


意地の悪い笑みを浮かべながら会長がそう言う


テーブルにつくとタケシが椅子を引いてくれたので私は座ったのだが

会長はフロアチーフと話した後 席に着かず 会場の檀上の上へあがる

そのタイミングでマイクが渡される

会長がテーブルに座らない為 タケシは座る事ができない

そして会長が 会社の設立記念日のスピーチを始める


タケシ :「一体 何をやらかしたのです?」

斎藤  :「。。。。。。。。。。。。。。」

タケシ :「私は これでは さらし者ですよ」


ゲストとして唯一立っている人

それも 一番前のテーブル

間違いなく皆の視線が集まっている


斎藤  :「だったら座ったら」

タケシ :「お断りします そんな事したら 

      私達 間違いなく潰されますよ」


。。。。。。。なんとなく言われた事が分かってしまう


そしたら 会長の秘書と名乗る人物がタケシに近づく


自称秘書:「会長のスピーチです 席におつき下さい」

タケシ :「お断りします」

自称秘書:「席に着けって言ってるだろ!!」

タケシ :「I SAID LEAVE ME ALONE!!!」


会話の内容を聞いていたフロアチーフが そそそ とこっちに来る


黒服FC :「彼の事は問題ないです

      それより ()()()がテーブルに戻って席につくべきでは」


フロアチーフに言われ 秘書と名乗る人物が二つ先のテーブルに戻る

そして さも ()()()()()()()() フロアチーフがタケシの横に立つ

会長のスピーチの最中 タケシがフロアチーフと話始める


タケシ :「申し訳ない 迷惑を掛けます」

黒服FC :「いやいや 私もあなたと こうして話したかったので」

タケシ :「斎藤さん あと 出来れば川崎さんと黒崎さん

      協力を お願いしたい」

黒崎  :「なんですか?」

川崎  :「なんでしょう?」

タケシ :「私のタイミングで5拍 お願いします」


そしたら タケシが 5拍 お願いします そう言いながら 5回拍手をする

フロアチーフと川崎さんが合わせて5回拍手する

黒崎さんは見事にで遅れ 私は3回だけうまくあわせられた

5拍って拍手の事? もうちゃんと言ってよ!

でも川崎さんとフロアチーフは理解してたのよね


タケシ :「フロアチーフ 

      本日の最初の 一言は誠に申し訳ない

      でもエスコート役を全うする必要がありました」

黒服FC :「理解しています

      まーいずれは 椅子隠しなんて()めなければと思っていましたので」

タケシ :「え? 止めちゃうんですか?」

黒服FC :「え?」

タケシ :「あの行動は元となった出来事があったはずです」

黒服FC :「はい 旦那様がご在名の頃

      不届きものを追い出す出来事があったので その名残です」

タケシ :「そしてその後 不届きものはでていないんですよね?」

黒服FC :「まー」

タケシ :「なら抑止力の効果があるって事ですよね」

黒服FC :「。。。でも あなたのような発言をしてきたら」

タケシ :「普通に あなた様のような人間に提供するサービスはございません

      でいいんじゃないですか?」

黒服FC :「。。。そう言われればそうですね」


会長のスピーチで会社の功績を称えている


タケシ :「皆さん 5拍 お願いします」


そして テーブル全員とフロアチーフを含め 5拍の拍手を送る


タケシ :「ちなみに 差し出がましいようで あれなんですが

      研修を妙子さんの誕生日 以外でやる訳にはいかないんですか?」

黒服FC :「どういう事です?」

タケシ :「会長が誕生日が嫌いな理由の内の 一つが

      新人による不完全なサービスの提供であると思ってしまうのです」

黒服FC :「それはありますね。。。もともとは旦那様の誕生日に

      行われていた行事を会長が引き継いだ形になっているので」

タケシ :「やめるのは難しいと」

黒服FC :「そういう事になります」


会長が次の功績について言っている


タケシ :「皆さん 5拍 お願いします」


そして テーブル全員とフロアチーフを含め

5拍の拍手を送る 周りのテーブルも少し呼応してくる


タケシ :「ならせめて 会食を毎日のように提供している

      経験がある場所で行うことはできませんか?」

黒服FC :「というと」

タケシ :「レストランやホテルで行うというやり方です

      そうすれば研修の人もサポートを受ける事ができます」

黒服FC :「。。。。。。。一考の価値ありですね」


会長が会社の未来についてのビジョンを語っている


タケシ :「皆さん 5拍 お願いします」


そして テーブル全員とフロアチーフを含め 5拍の拍手を送る

周りのテーブルも呼応してくる

。。。こいつ フロアチーフと話しながらちゃんと会長の話きいてる

フロアチーフも同じ 凄く器用

そして拍手を受けるたび 会長の表情が変わる

 

本来なら学校の廊下に立ってろ的な罰を与えているのだが

拍手という武器で反撃してくる

しかも拍手として称えてくるので止めさせる事が出来ない


黒服FC :「会長に渡したプレゼントですが」

タケシ :「駄目でしたか?」

黒服FC :「いえ 素晴らしい選択だと思います」


はっきり言って私にはなんて書いてたかわからない

タケシが わざわざ 万年筆で文章 書いてたし

そのあとサインをお願いしますといわれ万年筆を渡してきた時は

使った事が余りなかったので焦ったが


タケシ :「そう言っていただけると ありがたいです」

黒服FC :「いえ 本当に

      会長 普段 人から物を貰うのを極端に嫌う傾向があるので」


会長がパーティーについていっている


タケシ :「皆さん ここは10拍で お願いします」


そして テーブル全員とフロアチーフを含め 10拍の拍手を送る

周りのテーブルも盛大な拍手を送る


そしてスピーチが終わり会長がテーブルに戻ってくる


会長 :「申し訳ないけど私はここでお(いとま)させていただくわ

     あなた達はデザートを楽しんで頂戴

     それと あなた タケシだったっけ。。。。。

     何か欲しいものある? なんでもいいわよ?」


きたーーーーー  仕事ーーーーー  ここがチャンス――――


タケシ :「何でもいいんですか?  

      そうですね。。。。では ジョン・モンタギューが昔

      ゲームをしながら物が食べれるように

      パンに具材を挟んだものを頼んだのですが」

会長 :「サンドイッチね」 そしてフロアチーフを見て

会長 :「私の分も彼にあげて頂戴」そして タケシを見て

会長 :「あなた 本当に生意気ね! 楽しかったわ!」


そういって会長が去っていった


。。。はーーー サンドイッチ?

この期に及んでサンドイッチ?

なんでもいいと言われてサンドイッチ?

仕事を依頼しろよ! この馬鹿タケシ!!


そして会長が立ち去った後 テーブルに座って ニコッとしてから


タケシ :「斎藤さん あれが正解です」

斎藤  : 思わず 「は?」 と言ってしまったが

川崎  :「あれで良かったと思います」

黒崎  :「うんうん」 そして黒崎さんも 頷いている


その後 デザートにソルベが配膳され その後コーヒー

会長が居なくなり みんな緊張の糸が切れたのか

川崎さんと黒崎さんと私はすんごく ゆったりしている

   

コーヒーを飲んでいるとフロアチーフが紙袋をタケシに渡してくる


黒服FC :「これが例の物です」

タケシ :「ありがとうございます」


そしてコーヒーを飲み終わった後

会長が居なくなったので 人々がそれぞれのテーブルや隣の人と話している


タケシ :「少しだけ 一人で大丈夫ですか? ちょっと出たいのですが」


。。。トイレかな?


斎藤  :「大丈夫ですよ」

タケシ :「解りました」  そう言ってタケシが立ち上がって歩いていく


***5分後***

私が川崎さんや黒崎さんと話してたが 二人とも もう帰るとの事


***5分後***

タケシはまだ戻ってこない


斎藤  :「。。。。。。。。。。。。。。。。」


***5分後***

タケシの紙袋を持って会場を少し歩いたら

壁際のカウチに おばさんと 一緒に座って談笑しているタケシを見つける

彼の方へ すたすた 歩いていく


タケシ :「あ! エスコ―ティーに見つかっちゃいました」

おばさん:「あらあら なら戻ってあげなさいな」

タケシ :「色々 ありがとうございました」

おばさん:「いえいえ こちらこそ会話に付き合ってくれてありがとう」


そしてタケシが歩いてくる


斎藤  :「ちょっと 何やってたんですか?」

タケシ :「紙袋を渡してください」


そういって彼が紙袋を取り上げる

そのうえで 腕を腰に

。。。。。。。仕方がないので腕を通す

一緒に歩きながら 


斎藤  :「あれ誰だったんです?」

タケシ :「会長の従妹(いとこ)さんです

      色々 情報を教えてもらえました」


。。。え!? そんな事してたの?


タケシ :「コーヒーの後は 顔見せが強いのですが

      ライバル会社の人とかが多数いるので

      これ以上は藪蛇だと思われます

      

      はい じゃーエレベーターまで2人三脚です

      いっちにー いっちにー」


そう言ってエレベータへ

エレベータには二人だけ

でもタケシが、ビルをでて2つ目の角までこのままでいるようにとの事

。。。意外と帰る姿を見られてる可能性が高いとの事

何処にも止まらず1階へ そして受付を通り過ぎて 外へ出て

一つ目の角を曲がって先に進んで2つ目の角へ


タケシ :「お疲れ様です」

斎藤  :「はーー 本当に信じられない!

      折角 仕事もらえるチャンスだったのに」

タケシ :「それ 本気で言ってます?」

斎藤  :「本気も本気! なのにサンドイッチなんて要求しちゃって!」

タケシ :「。。。。。。。。。。。。。。。。。」

斎藤  :「ちょっと何よ! 急に黙っちゃって!」

タケシ :「斎藤さん 

      反省会を行います

      ピザとハンバーガ―と牛丼 どれがいいですか?」

斎藤  :「()?」

タケシ :「()ンバーガーですね? 分かりました」

斎藤  :「ちょっと どういう事よ!」

タケシ :「ほら 行きますよ?」


そうしてタケシが歩いていくのでついていく 駐車場に着く

車のトランクを開ける

後部座席は倒した状態

タケシが革靴をスニーカーに替え 背広を脱いでハンガーにかけ

背広用のビニールケースに入れ ネクタイピンとネクタイを外して

それもハンガーに掛ける


タケシ :「ズボンとシャツは公園かな

      斎藤さんも普段着 持って来てるんですよね」

斎藤  :「あんたに言われたから持ってきてるわよ」

タケシ :「じゃー 公園に行きますので」

斎藤  :「公園?」


***15分後***

車に乗って15分近く タケシが公園の駐車場の端に車を止める


斎藤  :「ちょっとここで何するの?」

タケシ :「着替えです」


そういって トランクから 一人用の縦長のテントを取り出し

パッと作成し 中に入ってしまう


***30秒後***

ズボンとシャツを変えたタケシが出てくる


タケシ :「はい どうぞ」

斎藤  :「ここで着替えるの?」

タケシ :「災害時で使えるテントです

      着替えようとしてのみ使用していますが

      簡易シャワーや簡易トイレ用にもなります

      どうしてもデパートのパウダールームがいいとかなら

      そっちに連れていきますが」

斎藤  :「いや ここでいいわよ」


普段着を持って中に入って

ドレスと普段履きなれないピンヒールを脱いで私も着替える

大体2分かからないぐらい

その後 タケシがテントを20秒ぐらいで畳んでしまいトランクへ


タケシ :「ちなみにハンバーガーですが

      サービスエリアと マクド どっちがいいですか?」

斎藤  :「どっちでもいいわよ」


***数分後***

誰もが知っているファストフードに到着

私はハンバーガーセット

タケシはセットとナゲットとバニラシェイクを頼む

そしてタケシが会計を払い 2階の奥の人がいない席へ


そして反省会が始まった


リファレンス ネタ元 雑記 補足 隙あらば自分語り 必要ない裏技 etc

モテる男は すっと車道側を歩く

すっと女性の荷物をもってあげる。。。ひと昔前はそうだったんですけど

今だとベータムーブと思われかねない

時の流れとは怖い者です

それでもマナーの 一環としてやるべきだと個人的には思っていますが。。。。


荷物を女性に持たせない

昔は重いからという理由でしたが

最近では爪がダメになるからという理由らしいですが

サンプル数が足りないので何とも言えません

爪が理由だとしたら

楽器を奏でるために爪を伸ばしている男性の場合

断ってもOKになるのかどうか 興味深いです



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