さらし者になった男は堂々と拍手を送る
日曜日 1時15分 ちょいすぎ 新宿 Day1
*************************************
視点変更 斎藤
間違いなく私がなにかやらかしたのであろう
そして その説明は後でファーストフード店で聞く事になる
ただ この時 私はタケシの行動を全くもって理解していなかった
いや 出来なかった
あれから数分 会長と会話をした後 パウダールームを出て会場に戻る
会長が言ってた通り タケシは立ったまま私達を待っていた
会長 :「まるで犬のようね」
意地の悪い笑みを浮かべながら会長がそう言う
テーブルにつくとタケシが椅子を引いてくれたので私は座ったのだが
会長はフロアチーフと話した後 席に着かず 会場の檀上の上へあがる
そのタイミングでマイクが渡される
会長がテーブルに座らない為 タケシは座る事ができない
そして会長が 会社の設立記念日のスピーチを始める
タケシ :「一体 何をやらかしたのです?」
斎藤 :「。。。。。。。。。。。。。。」
タケシ :「私は これでは さらし者ですよ」
ゲストとして唯一立っている人
それも 一番前のテーブル
間違いなく皆の視線が集まっている
斎藤 :「だったら座ったら」
タケシ :「お断りします そんな事したら
私達 間違いなく潰されますよ」
。。。。。。。なんとなく言われた事が分かってしまう
そしたら 会長の秘書と名乗る人物がタケシに近づく
自称秘書:「会長のスピーチです 席におつき下さい」
タケシ :「お断りします」
自称秘書:「席に着けって言ってるだろ!!」
タケシ :「I SAID LEAVE ME ALONE!!!」
会話の内容を聞いていたフロアチーフが そそそ とこっちに来る
黒服FC :「彼の事は問題ないです
それより あなたがテーブルに戻って席につくべきでは」
フロアチーフに言われ 秘書と名乗る人物が二つ先のテーブルに戻る
そして さも 当たり前のように フロアチーフがタケシの横に立つ
会長のスピーチの最中 タケシがフロアチーフと話始める
タケシ :「申し訳ない 迷惑を掛けます」
黒服FC :「いやいや 私もあなたと こうして話したかったので」
タケシ :「斎藤さん あと 出来れば川崎さんと黒崎さん
協力を お願いしたい」
黒崎 :「なんですか?」
川崎 :「なんでしょう?」
タケシ :「私のタイミングで5拍 お願いします」
そしたら タケシが 5拍 お願いします そう言いながら 5回拍手をする
フロアチーフと川崎さんが合わせて5回拍手する
黒崎さんは見事にで遅れ 私は3回だけうまくあわせられた
5拍って拍手の事? もうちゃんと言ってよ!
でも川崎さんとフロアチーフは理解してたのよね
タケシ :「フロアチーフ
本日の最初の 一言は誠に申し訳ない
でもエスコート役を全うする必要がありました」
黒服FC :「理解しています
まーいずれは 椅子隠しなんて止めなければと思っていましたので」
タケシ :「え? 止めちゃうんですか?」
黒服FC :「え?」
タケシ :「あの行動は元となった出来事があったはずです」
黒服FC :「はい 旦那様がご在名の頃
不届きものを追い出す出来事があったので その名残です」
タケシ :「そしてその後 不届きものはでていないんですよね?」
黒服FC :「まー」
タケシ :「なら抑止力の効果があるって事ですよね」
黒服FC :「。。。でも あなたのような発言をしてきたら」
タケシ :「普通に あなた様のような人間に提供するサービスはございません
でいいんじゃないですか?」
黒服FC :「。。。そう言われればそうですね」
会長のスピーチで会社の功績を称えている
タケシ :「皆さん 5拍 お願いします」
そして テーブル全員とフロアチーフを含め 5拍の拍手を送る
タケシ :「ちなみに 差し出がましいようで あれなんですが
研修を妙子さんの誕生日 以外でやる訳にはいかないんですか?」
黒服FC :「どういう事です?」
タケシ :「会長が誕生日が嫌いな理由の内の 一つが
新人による不完全なサービスの提供であると思ってしまうのです」
黒服FC :「それはありますね。。。もともとは旦那様の誕生日に
行われていた行事を会長が引き継いだ形になっているので」
タケシ :「やめるのは難しいと」
黒服FC :「そういう事になります」
会長が次の功績について言っている
タケシ :「皆さん 5拍 お願いします」
そして テーブル全員とフロアチーフを含め
5拍の拍手を送る 周りのテーブルも少し呼応してくる
タケシ :「ならせめて 会食を毎日のように提供している
経験がある場所で行うことはできませんか?」
黒服FC :「というと」
タケシ :「レストランやホテルで行うというやり方です
そうすれば研修の人もサポートを受ける事ができます」
黒服FC :「。。。。。。。一考の価値ありですね」
会長が会社の未来についてのビジョンを語っている
タケシ :「皆さん 5拍 お願いします」
そして テーブル全員とフロアチーフを含め 5拍の拍手を送る
周りのテーブルも呼応してくる
。。。こいつ フロアチーフと話しながらちゃんと会長の話きいてる
フロアチーフも同じ 凄く器用
そして拍手を受けるたび 会長の表情が変わる
本来なら学校の廊下に立ってろ的な罰を与えているのだが
拍手という武器で反撃してくる
しかも拍手として称えてくるので止めさせる事が出来ない
黒服FC :「会長に渡したプレゼントですが」
タケシ :「駄目でしたか?」
黒服FC :「いえ 素晴らしい選択だと思います」
はっきり言って私にはなんて書いてたかわからない
タケシが わざわざ 万年筆で文章 書いてたし
そのあとサインをお願いしますといわれ万年筆を渡してきた時は
使った事が余りなかったので焦ったが
タケシ :「そう言っていただけると ありがたいです」
黒服FC :「いえ 本当に
会長 普段 人から物を貰うのを極端に嫌う傾向があるので」
会長がパーティーについていっている
タケシ :「皆さん ここは10拍で お願いします」
そして テーブル全員とフロアチーフを含め 10拍の拍手を送る
周りのテーブルも盛大な拍手を送る
そしてスピーチが終わり会長がテーブルに戻ってくる
会長 :「申し訳ないけど私はここでお暇させていただくわ
あなた達はデザートを楽しんで頂戴
それと あなた タケシだったっけ。。。。。
何か欲しいものある? なんでもいいわよ?」
きたーーーーー 仕事ーーーーー ここがチャンス――――
タケシ :「何でもいいんですか?
そうですね。。。。では ジョン・モンタギューが昔
ゲームをしながら物が食べれるように
パンに具材を挟んだものを頼んだのですが」
会長 :「サンドイッチね」 そしてフロアチーフを見て
会長 :「私の分も彼にあげて頂戴」そして タケシを見て
会長 :「あなた 本当に生意気ね! 楽しかったわ!」
そういって会長が去っていった
。。。はーーー サンドイッチ?
この期に及んでサンドイッチ?
なんでもいいと言われてサンドイッチ?
仕事を依頼しろよ! この馬鹿タケシ!!
そして会長が立ち去った後 テーブルに座って ニコッとしてから
タケシ :「斎藤さん あれが正解です」
斎藤 : 思わず 「は?」 と言ってしまったが
川崎 :「あれで良かったと思います」
黒崎 :「うんうん」 そして黒崎さんも 頷いている
その後 デザートにソルベが配膳され その後コーヒー
会長が居なくなり みんな緊張の糸が切れたのか
川崎さんと黒崎さんと私はすんごく ゆったりしている
コーヒーを飲んでいるとフロアチーフが紙袋をタケシに渡してくる
黒服FC :「これが例の物です」
タケシ :「ありがとうございます」
そしてコーヒーを飲み終わった後
会長が居なくなったので 人々がそれぞれのテーブルや隣の人と話している
タケシ :「少しだけ 一人で大丈夫ですか? ちょっと出たいのですが」
。。。トイレかな?
斎藤 :「大丈夫ですよ」
タケシ :「解りました」 そう言ってタケシが立ち上がって歩いていく
***5分後***
私が川崎さんや黒崎さんと話してたが 二人とも もう帰るとの事
***5分後***
タケシはまだ戻ってこない
斎藤 :「。。。。。。。。。。。。。。。。」
***5分後***
タケシの紙袋を持って会場を少し歩いたら
壁際のカウチに おばさんと 一緒に座って談笑しているタケシを見つける
彼の方へ すたすた 歩いていく
タケシ :「あ! エスコ―ティーに見つかっちゃいました」
おばさん:「あらあら なら戻ってあげなさいな」
タケシ :「色々 ありがとうございました」
おばさん:「いえいえ こちらこそ会話に付き合ってくれてありがとう」
そしてタケシが歩いてくる
斎藤 :「ちょっと 何やってたんですか?」
タケシ :「紙袋を渡してください」
そういって彼が紙袋を取り上げる
そのうえで 腕を腰に
。。。。。。。仕方がないので腕を通す
一緒に歩きながら
斎藤 :「あれ誰だったんです?」
タケシ :「会長の従妹さんです
色々 情報を教えてもらえました」
。。。え!? そんな事してたの?
タケシ :「コーヒーの後は 顔見せが強いのですが
ライバル会社の人とかが多数いるので
これ以上は藪蛇だと思われます
はい じゃーエレベーターまで2人三脚です
いっちにー いっちにー」
そう言ってエレベータへ
エレベータには二人だけ
でもタケシが、ビルをでて2つ目の角までこのままでいるようにとの事
。。。意外と帰る姿を見られてる可能性が高いとの事
何処にも止まらず1階へ そして受付を通り過ぎて 外へ出て
一つ目の角を曲がって先に進んで2つ目の角へ
タケシ :「お疲れ様です」
斎藤 :「はーー 本当に信じられない!
折角 仕事もらえるチャンスだったのに」
タケシ :「それ 本気で言ってます?」
斎藤 :「本気も本気! なのにサンドイッチなんて要求しちゃって!」
タケシ :「。。。。。。。。。。。。。。。。。」
斎藤 :「ちょっと何よ! 急に黙っちゃって!」
タケシ :「斎藤さん
反省会を行います
ピザとハンバーガ―と牛丼 どれがいいですか?」
斎藤 :「は?」
タケシ :「ハンバーガーですね? 分かりました」
斎藤 :「ちょっと どういう事よ!」
タケシ :「ほら 行きますよ?」
そうしてタケシが歩いていくのでついていく 駐車場に着く
車のトランクを開ける
後部座席は倒した状態
タケシが革靴をスニーカーに替え 背広を脱いでハンガーにかけ
背広用のビニールケースに入れ ネクタイピンとネクタイを外して
それもハンガーに掛ける
タケシ :「ズボンとシャツは公園かな
斎藤さんも普段着 持って来てるんですよね」
斎藤 :「あんたに言われたから持ってきてるわよ」
タケシ :「じゃー 公園に行きますので」
斎藤 :「公園?」
***15分後***
車に乗って15分近く タケシが公園の駐車場の端に車を止める
斎藤 :「ちょっとここで何するの?」
タケシ :「着替えです」
そういって トランクから 一人用の縦長のテントを取り出し
パッと作成し 中に入ってしまう
***30秒後***
ズボンとシャツを変えたタケシが出てくる
タケシ :「はい どうぞ」
斎藤 :「ここで着替えるの?」
タケシ :「災害時で使えるテントです
着替えようとしてのみ使用していますが
簡易シャワーや簡易トイレ用にもなります
どうしてもデパートのパウダールームがいいとかなら
そっちに連れていきますが」
斎藤 :「いや ここでいいわよ」
普段着を持って中に入って
ドレスと普段履きなれないピンヒールを脱いで私も着替える
大体2分かからないぐらい
その後 タケシがテントを20秒ぐらいで畳んでしまいトランクへ
タケシ :「ちなみにハンバーガーですが
サービスエリアと マクド どっちがいいですか?」
斎藤 :「どっちでもいいわよ」
***数分後***
誰もが知っているファストフードに到着
私はハンバーガーセット
タケシはセットとナゲットとバニラシェイクを頼む
そしてタケシが会計を払い 2階の奥の人がいない席へ
そして反省会が始まった
リファレンス ネタ元 雑記 補足 隙あらば自分語り 必要ない裏技 etc
モテる男は すっと車道側を歩く
すっと女性の荷物をもってあげる。。。ひと昔前はそうだったんですけど
今だとベータムーブと思われかねない
時の流れとは怖い者です
それでもマナーの 一環としてやるべきだと個人的には思っていますが。。。。
荷物を女性に持たせない
昔は重いからという理由でしたが
最近では爪がダメになるからという理由らしいですが
サンプル数が足りないので何とも言えません
爪が理由だとしたら
楽器を奏でるために爪を伸ばしている男性の場合
断ってもOKになるのかどうか 興味深いです