20.閑話 ……
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ベルタはファフニルへと初めて来た。色々と大変だった友人と会う為だ。
「ここが竜王城……」
竜王城には竜王の許可が無くては入れない。本来なら一生入ることは無かっただろう。
(ティティア……やっと会える……)
会って言いたい事がある。大神官やリッカルドのこと。他にもやらなくてはならない事がある。
竜王城へと着くと出迎えてくれた。相変わらず蜥蜴が好きなようで抱きかかえている。
ある程度話すと中へと案内された。部屋は暖かく暖炉には火がついていた。
――竜王城に入ったら火を探せ。暖炉でも何でも――……。
(そうだ。火を探さないといけなかったけど、ここにあるのか)
「暖炉があるね。良かったー。探す手間が省けたよ」
「ん? どういう意味?」
「何でもないよ」
――これを暖炉に投げ入れろ。そうしたら――……。
(あれ……何で探すんだっけ……この記憶何?)
「どうしたの?」
記憶に無い記憶が頭にねじ込んでくる。何の記憶なのか思い出そうにも思い出せない。
「何でもないよ」
(夢……とかかな?)
多分いつの日か見た夢の記憶だろう。
そしてふと部屋を見渡した。
聖女は楽な暮らしが出来ないと聞いた。この高待遇は、ティティアが竜王妃だからだろう。
「綺麗なネックレスだね」
「え? ああ、ありがと」
「それどうしたの?」
(そういえばこのネックレス何で持ってるんだっけ……あっ)
「貰った」
(そう。確か貰ったはず……でも誰に?)
「ほー!」
誰に貰ったのか記憶に無い。だがティティアは何か勘違いをしているようで、目が好奇心に満ち溢れた目をしていた。
それよりもあの3人のことを話したい。
これから話す内容はあまり聞かれたくない話なので、使用人には退出してもらった。
アチェロ神官長が居なくなった理由を話すには、大神官の話は不可欠だ。新年の儀にアチェロ神官長がいれば、あんな事件を3人は起こそうとしなかっただろう。
(まぁ、別の日に起こしただろうけど……)
とはいえ、聖女の初仕事という大事な時に起こされるよりマシである。
そして、ティティアに新年の儀がどうなったのか、人身売買や大神官のことや何があったのかを話した。
「ごめん」
目に涙が溢れて来た。大神官の悪事を暴くことだけを考え、ティティアの初仕事を蔑ろにしてしまった。親友失格だと事件の後自身を責めた。
「ベルタ?」
「あんな新年の儀になったの、私のせいでもあるから……ずっと謝りたくって」
「なんで謝るの? 悪いのはあの3人! それに結果的にクラノス様が助けてくれたし……」
だがもし助けられなかったらどうなっていたのだろうか。ティティアはリッカルドに手篭めにされていたに違いない。心臓を誰かに鷲掴みされたような気持ちになった。
「でも何で私は守られてたって話になるの?」
今度はリッカルドの話をした。これも話しておきたいことの1つだ。
話をすると、ティティアの顔が青ざめていくのが分かった。
「まぁ、それでティティアは殿下に守られてたって話。不本意だろうけどね」
「……うん」
「それで、えっと……それで……」
――連れて来い。
目の前で男がそう言う光景と共に声が入り込む。
「――痛ッ!」
ズキっとする痛みに頭を抑えた。
(何……今の……)
「どうしたの? 頭が痛いの?」
「うん……ちょっと……なんか……」
―― お前には竜王城へ行ってもらう。
「え?」
―― やることをその愚かな頭に叩き込め。
「何を言って何を言わない……」
―― よし、覚えたな。では――……。
「何が……私、何でここに……」
「え?」
――をするんだ。
「……あぁ……そうでした。うん、大丈夫。ここに来てやらないといけないって言われて……」
―― そしてティティアを――……。
「でもね、私はそれが嫌…………うっ――ッ」
頭が割れそうに痛い。その痛みは治まるどころか強くなっていく。
「大丈夫!?」
「だ、大丈夫……」
(そうだ私はティティアを……)
視界が狭まる。目の前のティティアが段々と見えなくなっていく。
「待って、今――」
「大丈夫、大丈夫。なんかちょっと痛かっただけ。もう痛くない」
―― どうでした?
―― まぁ、大丈夫だろう。
―― しっかり親友やってきてよね。
―― この事は誰にも言うな。
――そうそう、秘密にしてね。
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「どうしたの?」
「やらないといけないの」
「何を?」
(嫌だ……駄目……ティティア……逃げ…………)
「誰にも言ったらいけないんだよ……ひみつなんだよ……そう……秘密……なの」
秘密秘密秘密秘密秘密秘密秘密秘密秘密秘密秘密秘密秘密秘密秘密秘密秘密秘密秘密秘密秘密秘密秘密秘密秘密秘密秘密秘密秘密秘密秘密秘密秘密秘密秘密秘密秘密秘密秘密秘密秘密秘密秘密秘密秘密秘密秘密秘密秘密秘密秘密秘密秘密秘密秘密秘密秘密秘密秘密秘密秘密秘密秘密秘密――……。
「ベルタ……?」
秘密秘密秘密秘密秘密秘密秘密秘密秘密秘密秘密秘密秘密秘密秘密秘密秘密秘密秘密秘密秘密秘密秘密秘密秘密秘密秘密秘密秘密秘密秘密秘密秘密秘密秘密秘密秘密秘密秘密秘密秘密秘密秘密秘密秘密秘密秘密秘密秘密秘密秘密秘密秘密秘密秘密秘密秘密秘密秘密秘密秘密秘密秘密秘密――……。
「秘密にしないといけないの。だって……」
――私の命令通りに動くことがお前の喜びだろう?
「それが私の喜びだから」
――……。
――……。
――……。




