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BLUE TEARS  作者: みゆか
7/9

誕生日プレゼントは…

動物園を満喫してそろそろ帰ることになった。

「今日はすごく楽しかったです。ありがとうございました」

月島さんは車の中で頭を下げた。

「俺も楽しかった。最高の誕生日だったよ、ありがとう」

「もう二十歳なんですね、羨ましいです」

「でも精神年齢はきっと月島さんと変わらないよ」

「だから私も深水さんと話しやすいのかもしれませんね」

と言って月島さんは笑った。

それって褒められたのかけなされたのか…。

「ははっ、そうかもね」

「…私が二十歳になったら一緒にビールを飲んでくれますか?」

俺の顔を覗き込んできた。

「もちろん!2人で二十歳のお祝いをしようね」


その日は難なく来ると思っていた…ずっと一緒にいられるって信じてた。何歳の誕生日も2人で迎えられるものだと思ってた。なのに俺たちの幸せな時間は長くは続かなかった。


動物園からの帰りにケーキ屋に隣接されてる喫茶店に寄って俺の誕生日を祝いつつ一緒にケーキを食べた。

俺にとって最高の誕生日となった…とても幸せだ。

「美味しかったよ、ごちそうさま。おごってもらってごめんね」

車に乗ってから俺は頭を下げた。

「気にしないでください。私がケーキ屋さんに誘ったんですから」

そういえばプレゼントは車に置いてあるって言ってたけど…と思い出し、さりげなく後部座席を見たけどランチボックスしか目に付かなかった。ランチボックスが入ってた袋の中にはそれらしきものはなかった気がするし。

まぁいいかと思って車を走らせて月島さんに家までの道を教えてもらいながら送っていった。

「私の家はここです。送ってもらってありがとうございました」

「本当に喫茶店から近いんだね。月島さんがこんなに近くに住んでるのに今まで気づかなかったなんてもったいないなぁ」

「本当ですね。でも深水さんに出会えて良かったです」

そう言って月島さんは俺をじっと見つめてきた。

その眼差しに俺はドキッとした…もしかしてプレゼントって。

「つ、月島さん…?」

「深水さん、横を向いてください」

「えっ?こ、こう?」

俺は月島さんに言われるがまま横を向くと顔が近づいてきたのが分かってその唇が俺の左頬でちゅっと音を立てた。

今日の俺はずっとドキドキしてたけどその中でも最大のドキッだった。

「ええっ?」

「誕生日…おめでとうございます。これが私からの誕生日プレゼントです。ではまた喫茶店で。おやすみなさ…」

真っ赤な顔で俺から目を逸らす月島さんがとても可愛くて俺も月島さんの右頬にキスをしてしまった。

「おやすみ…月島さん。今日はお互いにいい夢が見られますように」

「今度会う時から私のことは『なる』って呼んでくださいね。ではおやすみなさい…深水さん」

真っ赤な顔のまま微笑んで月島さんは車から降りた。

そして俺に手を振って家の中に入っていった。

閉まったドアを見て軽く微笑んでから車を走らせた。

『なるちゃん』か…と思いながら 。

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