為すべきこと
皆さんどうもガクーンです。
やる気があると執筆が進む。
ということで2話目です。お楽しみください。
「それで……何故僕を過去に戻らせてくれたんだ?」
『何故って……主がそう望んだからじゃないか』
「そう言う事じゃない! 確かに僕は望んだが……」
確かに僕は望んだ。死ぬ間際にあの人たち……大切な人たちにもう一度会いたいと。しかし、聞きたいことはそうじゃない。
「聞き方を変えよう。僕以外の誰かが同じような事を望んだら、その人を過去に戻らせたりしたのか?」
すると、パーシヴァルは黙り込み、ゆっくりと口を開く。
『……適格者であればそうしたかもしれない』
適格者……パーシヴァルの口から聞かされたのはあまり耳馴染みのない言葉だった。
「適格者? それはどういうことだ? 」
『……』
黙り込むパーシヴァル。
「黙ってないで教えてくれたらどうなんだ」
マインは真剣な様子でパーシヴァルに迫る。
『……これ以上は答えられない』
「何?」
『主にこれ以上は答えられないと言った』
マインが黙り込む。そして一言。
「どうして?」
『主にはそこまでを知る資格が無いからだ』
するとマインは観念したかのように。
「……はぁ。分かった。じゃあ僕に教えられる範囲で色々と答えてもらうぞ」
『承知した』
それからマインは聞きたかったことを始め、些細な事までありとあらゆる事を質問した。
「うん。今知りたい事は粗方聞き終えたかな」
パーシヴァルに質問して得たことで、重要だった事は大まかに3つだ。
一つ目はこの世界に聖剣と呼ばれるモノと魔剣と呼ばれるモノがそれぞれ12本存在して、魔剣はこの世界に存在してはいけないものだから、魔剣の破壊を手伝ってほしいという話だった。
何でも、魔剣は数千年に一度現世に降臨し、世界の破滅をもたらすらしくて僕に……
『主……世界を救ってみないか?』
とか言ってくるもんだから。
「え、やだ」
って反射的に答えたら色々と言われちゃったよ。
本当はそんなめんどい事はやりたくないなーとか思ったのが本音だけど、僕を過去に戻してくれた恩もあるし、大切な人たちを守るついでになら手伝ってあげていいのかもしれないな。
二つ目はパーシヴァルの性能についてだ。今は剣以上の事は出来ないらしいが、本当の力を取り戻したら色々と凄い事が出来るらしい。それで力の取り戻し方っていうのが……
「魔石を取り込むだって?」
『そうだ』
「魔石って、魔物から取れるあの?」
『その魔石だ』
「おいおい、魔石がどれだけ高価か知らないだろ? 極小魔石でさえ1銀貨はするのに」
この世界の通貨は銅貨10枚で銀貨1枚。銀貨100枚で金貨1枚。金貨100枚で大金貨1枚となっており、金貨1枚で一般の家庭は裕福な暮らしを1ヶ月できる。マインの家庭は他と見ても裕福な部類に位置してはいるが、そんなポンポンと魔石を買えるほどお金は持っていない。
『何を言ってる。魔物を倒せばいいではないか』
「そんな簡単な話じゃ……」
魔石。それは魔物から取れるエネルギーの塊。人間で言う心臓みたいな物だ。この世界で魔石は一番使われているエネルギー源と言っても過言ではなく、光源や熱源にはもちろんの事、加工すれば魔道具にも早変わりする為、常に需要と供給が釣り合っておらず世界各地で魔石不足に陥っている。そんな背景があるため、魔石は非常に高価なのだ。
『それに主にも悪い話ではないぞ』
「どうゆう事だ?」
『主が魔物を狩り続ければ魔紋が発現するやもしれん』
「確かに……それは一理あるな」
これが三つ目。魔紋を得ようという話だ。魔紋が発現すると大幅に身体能力を向上させることができ、選ばれた一部の人間は火や水。更には氷等の特別なモノを操れるようになる。つまり魔法が使えるようになるのだ。もちろん、魔法を使えるようになるかはその人の運次第だが、魔紋を発現させるとさせないとでは戦闘の際に雲泥の差があるため、強者と言われる者達は皆揃って発現しているだろう。
前世の僕は四段階までいったが……それ以上はいけなかったな。
魔紋にも段階があり、一段階より二段階。二段階より三段階とより強力になっていく。見分け方としては、魔紋を得ると腕に蔦が張ったような黒い線が現れ、その先に禍々しい渦巻き状の実のような物が一つあれば一段階。二つあれば二段階という風に分かるようになっている。
どうやって魔紋を発現すればいいかという問題だが……ズバリ魔力を持つ生き物を倒しまくればいい。魔物だったり、人間だったりをな。
『大切な者を守るという主の目的のためにも、魔物狩りは早くからしておいた方がいいのではないか?』
「そうだな……」
『何を悩むことがある。今後必要になる力だ。今から発現させるための準備をしていっても何も可笑しい話ではないだろう』
「……分かった。だが、最初に始めるのは基礎体力作りからだ。前世の体とは違って、今の僕は12歳だからな」
『分かっている』
「それで……パーシヴァル。お前もうちょっと小さくなれたりしないか?」
『何故だ?』
「お前を使うには俺の体じゃ小さすぎるし、隠すにも手間だ。もし母さんに剣を持っていることが知られてみろ。絶対取りあげられるぞ」
『そ、そうか。何ならネックレスにも変身する事が出来るが?』
「本当か! なら、俺が使わない時はネックレスになっていてくれ」
『承知した』
こうしてマインとパーシヴァルは夜遅くまで話し合い、夜が更けていくのであった。
お読みいただきありがとうございました。
この話が面白いと思っていただけましたら高評価等をしてもらえると嬉しいです。
では、また次回にお会いしましょう。




