ヤンデレ彼女と物好き彼氏
ペラッペラッペラッ
僕と詩織しかいないこの部屋では、ただ雑誌のページをめくる音が聞こえる。
読んでいるのは本屋でふと見つけた芸能雑誌。
普段、そう言う芸能情報に疎い詩織も物珍しそうに見ている。
「おっ、この人結婚したんだ」
ふとめくったページにはある芸能人の結婚についての記事が載っていた。
沢山のドラマや映画などに出ていただけに、顔はもちろん知っているし、なんなら好きな女優さんであっただけに凄くびっくりだ。
「いやー、意外だな。まさか新作の映画が公開されるという時期に発表するとはね。でも、やっぱり綺麗だな~」
そう言いながら、横にいる詩織の様子をチラッと見ると、
相変わらず、ギリギリギリギリと激しく歯ぎしりをしながら、穴が開くぐらいその女優さんの写真を睨んでいた。
いやー、ヤキモチしてんな~!
この顔、この憎悪、マジでたまんねー!
詩織の様子にニヤニヤしてると、矛先がこっちへ向く。
「……何笑ってんの?私、怒ってるんだけど」
「アハハ、ごめんごめん。妬いちゃったか~、いやー、可愛いな~」
「……そんな事言ってると、また監禁しちゃうよ」
「ごめんごめん、代わりになんか好きな物買ってくるよ。何が欲しい?」
「そんなんで機嫌が直ると思わないで、……貴方からの永遠の愛が欲しい」
「それはいつもあげてるから、この間食べておいしいって言ってたケーキでも買いに行こっか」
「……うん、行く!」
という訳で、女優さんを褒めたらケーキを買いに行く事になりました。
でも、やっぱヤンデレのヤキモチってめっちゃ良いな~
皆さんこんにちわ 御厨カイトです。
今回は「ヤンデレ彼女と物好き彼氏」を読んでいただきありがとうございます。
読んで「面白い」とか思っていただけたら、感想とか評価のほどよろしくお願いいたします。