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危険

8章


 「なんのご飯にしようかな。カレーもいいし、親子丼もいいな。どーせ今週1週間分買うし全部買ってくか」


そう言いながら黒山は肉を3パックほどカゴに入れ、その後レトルトコーナーに向かって迷宮スーパーの中

を歩いていく。


黒山がこのスーパーに始めて来たときは規模が大きすぎてどこに何があるかわからなく、本当に迷宮状態だ

ったが、今では普段から買うものの場所は覚えてスムーズに買い物ができるぐらいになった。だがまだ普段

買わないものを買うときは若干迷子になるが。


「そうだな…ついでに菓子でも買ってくか。あいつどんな菓子が好きなのか全くわからないけど、とりあえ

ずポテチでも買っていこう」


一通り買うものを全てカゴの中に入れて最後にレジに向かって会計しに行く。その途中自分の好物のホイッ

プクリームを見つけたのでそれも入れ再び歩き出す。


甘党ってのはいいんだけど適度にしないと虫歯できるし将来糖尿病になるんだよな…。好きなものを好きな

だけ食べてみたい…。と甘党の運命を悲観し、レジで会計を済ませる。


持ってきたお金で足りたので黒山はほっと一息ついて、マイバックに買ったものを入れて店を後にする。


外は変わらず真っ暗で、まさに一寸先は闇という感じだ。もう人通りも殆どないし、大体の家の明かりも消

えている。道路のパチパチと点滅している街灯と空に浮かぶ月だけが黒山が歩く道を照らしている。


夜のポテチとかあいつ嫌がるかな…とか思いながら家に向かう。この時間帯でもそれなりに暖かいので黒山

が今着ているのはただの白色の半袖Tシャツと紺色の半ズボンだ。その半袖Tシャツは暗い道の中でも存在感

を放っているので遠くにいても見えるので安心だ。


鼻歌を吹きながら帰っていると、どこかから悲鳴のようなものが聞こえてきた。


すぐさま黒山は警戒態勢に入る。すると道の奥からなにやら慌てた様子で何人かの男女が走ってくるのが見

えた。しかしその手には住宅街には似合わないナイフや銃を持っている。


俺を狙いに来たか!?と黒山は思ったがそいつらは黒山をスルーして今黒山が通ってきた道に消えていっ

た。


ぽかんとして自分が通った道を見つめる黒山。しばらくしてそいつらが来た方向から足音が聞こえてきた。


瞬間的に黒山は振り向いて漆黒を見つめ足音の主を探す。見えてきたのは知っている顔だった。


「…黒山か。こんな時間にこんなところで何をやってるんだ?」


足音の主は会長だった。普段の制服と違う私服の会長がそこに立っていた。


「会長こそ何やってるんですか…自分は買い物に行っていただけですよ」


「…なに、ただの散歩だ。途中で異人狩りらしき奴らが絡んできたのでな。数人ひねったらそのまま退散し

て行ったというわけだ」


だから逃げてったんですね、と理由を知った黒山。


凶器を持った敵に素手で戦いを挑んで勝つというのも大概おかしいが、もうそんなことは言わず、丁度いい

ところで会ったと思い、黒山は咲川が黒山の家に泊まるという話を会長にした。


所々で話を聞きながら会長が頭をかいているのが見えたがどういうことかは黒山にはわからない。


今に至るまでの経緯を話し終えたところで会長の口が開く。


「…一応、家にいるのはお前から聞いていたがまさか泊まることになるとはな。とりあえず私はお前を信用

しているから何も言わないが、もし万が一あいつになにかあったら遠慮なく制裁をくださせてもらうぞ」


ハイ承知。と端的に返事をすると会長はウンウンと頷きながら黒山に近づいて、「…お前が良いなら私も泊

まりに行こうか?一応のためな」と耳打ちしてきたので黒山は「会長まで来たら俺に寝る場所がなくなりま

すので会長は自分の家にお帰りください」と耳打ち仕返した。それを聞いて会長は少しムフーと膨らんでい

た。


少し可愛いと思ってしまった。不覚。そもそも私服がいいんだよなぁ。普段はきっちりしてそうなオーラ醸

し出してんのにワンピースとスカートの2コンボ。さらに色が若干ピンク気味なのも良い。子供っぽい感じが

ある。ロリコンではない断じて。ギャップ萌えとかいうやつかな?


「それじゃあ、俺はこれで。咲川も多分待ってるので」


それを聞くと会長は思い出したように言った。


「…あぁもう一回言っておこう。気をつけろよ」


「何に気をつけろかは教えてくれないんですね」


意味深な笑みを会長がすると次に瞬きした瞬間にはもう会長は消えてしまっていた。代わりに会長が立って

いた場所に何か袋がドスンと置かれていた。その上には一枚の紙がくっついている。


それを黒山が手にして紙に書かれていることを読むとこう書いてあった。


「咲川用のものを色々入れておいた。中のものは好きなように使うと良い。黒山に渡しておくから黒山は戻

ったらこれを咲川に渡して欲しい。by奏臣」


「あの人準備良すぎないか?やっぱり散歩っていうのは嘘なのか?でもあの人ってなんやかんやで優しいん

だよな」


会長の性格を1つ理解して袋を2つ(買い物袋とさっきの袋)を持ち黒山は再び漆黒の中をを歩いていく。




家に着き、鍵を開け、ドアを開く。すると普段は絶対に聞こえない声が聞こえてくる。


「あ、おかえりなさいです。お風呂いただきました。あとYシャツもありがとうございます。ちょうどお風呂

の中で悩んでたところだったです」


新鮮だぁぁぁぁぁぁぁぁ。このおかえりなさいの破壊力がやべぇ。一生分生きていけそう。


心なかで大歓喜しながらポーカーフェイスを決め込み会長から渡された袋を咲川に渡して詳細を説明する。


咲川は袋の中を漁りながら何かを見つけると少し顔を赤くして、


「会長はどこまで知ってるのかわからないですね…。悪いことしたら全部バレてそうで怖いです…」と言っ

た。


一体何を見つけたんだろう?まぁいいか。


咲川が「パジャマを見つけたのでそれに着替えてきます」と言いながらデフォルメされた狐の柄が書いてあ

る薄い服を取り出し、脱衣所に入っていったので着替えている間に料理をしようと思ったので台所に向か

う。


少し思ったけどパジャマ可愛いなおい。


ちなみに家の構造上、脱衣所は台所の後ろにあって、料理していると脱衣所人が邪魔でドアが開かなくなり

人が出れなくなるという欠陥がある。


後ろのドアから咲川の鼻歌が聞こえてくるのを聞いて「ちゃんとリラックスできてるな」と安心した黒山は

夜ご飯の即興カレーを作るため野菜と肉を切り、大きい鍋に切った具材を入れ、中くらいの大きさの容器の

中に水を入れ具材が入った大きい鍋に鍋に水を投入していく。


一杯目を入れ終わり水の二杯目を入れようとしたタイミングで背中に衝撃が走った。


咲川が着替え終わりドアを開けたのだ。黒山はドアに押され、バランスを崩して水が入った容器を上に放り

投げてしまった。


上に打ち上がった容器の着地地点は…。


ばしゃーんという音とともに黒山が見たのは、水を上からかぶってずぶ濡れになった咲川だった。


しかも着ていた服が薄く、少し濡れただけで体が少し透けて見えてしまっている。薄いピンクがかった皮膚

が服を透けて黒山の目に入ってくる。デフォルメされた狐の柄は水に濡れて色が濃くなりまるで咲川のオー

ラの変わり様を映しているようだった。


咲川本人は最初こそ驚いた顔をしていたが、自分の惨状を見て時間が経つごとにどんどん目に涙が浮かんで

きて今にも泣き出してしまいそうな様子になっていった。


なんとも言えない気まずい空気が台所に漂う。


「あー…ごめん…」


沈黙を破って黒山が謝罪した瞬間、咲川の小さい体から繰り出された右ストレートが黒山のお腹に直撃し

た。


咲川は右ストレートをモロに受けて床に倒れて悶絶している黒山を見た後、脱衣所に戻ってもう一回お風呂

に入っていった。


「ぐふっ…今のって…俺だけが…悪かったのか…?」


そう言い残すと黒山は意識を失った。


だがその後5秒後ぐらいに目を覚ました。


「とりあえず片付けはしないとな。うぅ…まだ腹が痛ぇ…」


片付けのためにベランダに干してあったタオルを一枚取ってくる。本当は脱衣所にあるやつを使いたいが今

開いたら殺される気がするのでベランダのものを使う。


「それにしても…濡れた咲川…良かったなぁ…」


そう悪い妄想をし、タオルで床をふこうとした直後、黒山の上からガラスのコップが落ちてきて四つん這い

になっていた彼の後頭部に落下した。


「がふぅ!?いってぇ!!何だこれいってぇ!!咲川の呪いか!?」


叫ぶ黒山、ドアの向こうで「そんな陰湿なことしません‼」同じく叫ぶ咲川。


怪我自体は地味に頭から血が出ていて常人なら大怪我だが、黒山は異人。櫻木にごめんなーと思いながら治

癒能力を借りて頭の出血を治す。


「ちくしょう…何でこんな目に…」


朝はなんか組織の幹部とかいうやつに襲われるし…昼休みは変な言語が読めるとか言って櫻木と大騒ぎする

し…咲川の世話をなんかやらされてるし…日記に書いたら二十ページぐらい埋まるねこれ!断言する!


別に俺悪いことしてないだろ!




「あ、このカレー美味しいです。隠し味になにか使ってるんですか?」


口にあって良かったよ…。今度はトラブル無しで作れたからな…。隠し味は教えるもんか(親直伝)。


咲川がお風呂から出てきて、替えのパジャマに着替える頃にはカレーはもう完成していた。というわけで咲

川と黒山は夜ご飯タイムである。


二人共、皿に盛り付けたカレーををちゃぶ台に乗っけて行儀よく座って食べている。パクパクと口を動かし

ながら世間話をする。


「もう夜中なのにいまご飯とか…」


「でもこの時間のご飯って美味しく感じるんですよねぇ。まぁ普段は実験に集中しすぎてご飯を抜くことが

日常だったんですけど」


「ご飯はちゃんと食べたほうがいい事ずくめだぞー。ていうか気になったんだけどお前って普通の授業出て

んのか?」


「いや出てませんね〜。大体いつも実験室に籠もって実験してるかネットサーフィンしてるかですね」


「ふーん、そうか。まぁ実験だけじゃ気が狂うもんな。んー、聞くけど最近見つけたお気に入りの画像とか

ないの?」


「ありますよ〜。あ、少しスマホかパソコン貸してください」


ほい、と咲川にスマホを渡すと件の画像を検索し始めた。探し始めて数分、咲川が「あったあった」と言い

ながらスマホの画面を見せてくる。


その画像は絵で男の子が女装して顔を赤面させて恥ずかしそうにしているというものだった。


しばし黒山は沈黙する。


「良いですよねぇ…。男の子が自分とは違う性別のものを着て恥じらいを覚えるって…。萌えますよぉ…。

年齢的には黒山くんも男の子ですよねぇ…顔も割とかわいいし…」


と言いつつ黒山をじっと見つめる。


こいつはやばい。性癖というものが歪んでいるのが何も言わないが、絶対に俺を狙っている。あわよくば女

装させようとしている。そんなことしたくはない。


「あ、言い忘れていましたけど」


唐突に咲川が言いだした言葉に果てしなく嫌な予感がする。体が必死に逃げろと言っているのに全く動かな

い。黒山の体から汗が吹き出る。そして咲川が言う。


「あの水の件許してませんから、何か罰ゲームぐらいは受けてくださいね?」


「いやだぁぁぁぁぁぁぁぁぁていうかあれ俺だけが悪いのぉぉぉぉぉ!?」


その叫び声も虚しく黒山は咲川に廊下へ連れて行かれていく。咲川は途中「やだなー、誰も女装させるとは

言ってないですよー。ただのコスプレですー」と言っていたが黒山はそういう問題じゃねー!と思った。だ

が口に出したらもっとひどいことになる気がしたので言わなかった。


実は少し前に黒山は見てしまったのだ。あの会長が渡してくれた袋の中にメイド服が入っていたのを。そし

てそれを見て咲川が顔を赤くしていたことを。


そこで黒山は気付く、会長が何に対して気をつけろと言っていたかと、そしてこれは全て仕組まれていたこ

とだったことを。

どうもsakuです

今回は日常(?)の1シーンです

ということで黒山と櫻木の治癒能力についてでも話していこうかと思います

治癒能力で出来ることは怪我を治すことです

当たり前ですよね

治せる怪我の範囲を言うと全部です

死んでもだいたい治せるという結構なチートっぷり

異人は人間を超えてますが黒山と櫻木はかなり次元を超えてます

そんな感じです

面白ければブックマークや星5評価を、何か間違っている所があったり、直したほうが良い場所があれば教えて下さい

それではまた来週

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