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神逆

63章



天川の能力「零」に対抗できる能力は同じ「零」か神天使しか存在しないと天川は思っていた。


だがそれは間違いだった。


もともと能力を無効化する能力を作るのはタブーだと天上では規制されていた。


そんな能力があってしまうと天上のパワーバランスが崩れてしまうからだ。


本来ならそんな能力は作られないはず。


しかし秘術は違った。


秘術はその法則を無視し、本来ならば存在することがない能力を生み出すことができた。


神話の神を殺したとされる槍。大地を覆った水。存在しない獣を生み出す幻獣使い。


そして能力を無効化する能力。


普通の人間はたどり着くことができない領域にライは足を突っ込んだ。


そしてそれを量産する術を生み出した。


全ては愛した彼女のために。


昔に天川はそいつを消してこいと神天使から頼まれた。


秘術を見つける前の段階で。


芽を摘むといった意味だろう。だが。


それは邪魔をされた。


奏臣にだ。


彼女も秘術について知っていたのだ。


そして秘術は完成し、組織が結成され本当の目的は伏せられたまま人が集まり秘術師たちは増えていった。


その時にはすでに生み出されてはいけない能力も生み出され手が付けられなくなっていた。


そしてその時天川はこの神天使のこの世に干渉する命令をされたことに疑念を抱き神天使から逃げてこの世に来た。


奏臣ほど上手くはいかなかったが呪いを外すことにも成功し自由を手に入れた。


そして奏臣に援助をしてもらい旅館を建ててのんびりと人間と異人を見ながらのんびり暮らそうと思っていた。


その夢は叶わなかったが。


そして今に至る。


かつて自分を殺した仇敵と戦っている。



天川は時間を止める。


最初の攻撃として時間停止はちょうどいい。一撃で相手を倒せるから。


だがそれはライには通用しない。


ライは時間神逆を心無き執行者で無効化する。


時間を止めてもすぐに解除されてしまう。


これが厄介なのだ。


禁忌とされた能力は。


「はぁ!」


さらにライは他に能力を持っている。


それは身体蘇生と身体強化。


黒山と櫻木の能力だ。


ライは身体強化と心無き執行者を組み合わせて距離を詰めて天川を殴る。


天川は殴られて久しぶりに痛いと感じた。


そして


天川はライを殴り返した。


ライは吹き飛ぶ。


ライは自分の力が小さくなっていくのを感じた。


0b11だ。


「早めに決着をつけないといけないみたいだな」


ライはそう言った。


「つけられればいいな」


天川には無数の能力がある。


たとえ無効化されたとしてもその度に戦略を変えればいい。


しかしライは3つの能力しかない。


ライ本人の異人としての能力は消えてしまっていて使えない。


戦略は限られる。


盤上ではどれだけ択を増やせるかが重要になってくる。


相手の出した択を今ある択で返せるか。


「それになぞらうなら俺のほうが有利なはず…」


だが天川は懸念している。


天川はとても頭が切れる。


そんなこと理解してるはず。


なのに逃げない。


黒山を連れて逃げる素振りすら見せない。


なんなら捨て駒にしてもいいはずなのに。


思考が人間的すぎる。


本当に操られているのか…?


と疑うほどに。


自分が操られていたときはある程度自分の意識はあった。


だがその意識も曖昧で頭の中にインプットされた動きしかできなかった。


せいぜい俺がもといた旅館に立ち寄ることぐらいが限度だった。


そこで。


「お前はまだあいつのことを想っているのか?」


とライに聞いてみた。


それに対してライは苦笑いと頬を赤くしながら


「恥ずかしいがまだ忘れられてないな」


と答えた。


そうか…。


「いまいち立場がはっきりしないないつもお前は」


と天川が言った。


そして羽をしまって地上に降りた。


その突然の変貌にライは困惑して「何かわからないけどわかってくれたのか?」と聞いた。


しかし天川は答えなかった。


代わりに。



神2人の戦いの最中。


地上で、ある男が目覚めようとしていた。


「さっさとこいよ?父さん」


目の前に立つ幽美に向かって槍を飛ばした。


起きたことに気づかなかった幽美はその槍をまともにくらい、背中から穴が開く。


キングは悪夢から覚めた。


というより覚めさせてもらった。


彼の恐れるものはもう何もない。


「そうだよ。俺は王だ」


髪の毛をすべて掻き上げる。


その際に手についていた血がどっぷりと髪の毛につく。


「王は誰よりも強くなきゃいけない」


ライから与えてもらったこのコードネーム。


何故か理由は教えてくれなかった。


今なら理由がわかる。


全てを支配するのが王。


天使も神も関係ない。


頂点に君臨するものこそが王なのだ。


そして彼は槍を持ち幽美と対峙する。


幽美は手を伸ばして目を開く。


キングたちはこれにやられて眠らされていた。


そして対処する方法もいまだわからず今回もキングはそれにかかりまた眠らせられる。


が。


「眠ってる暇なんてないぞキャスト」


そう言って眠っているはずのスモッグが立ちあがってキングに何か煙をまいた。


そして幽美には目隠しの煙を。


キングはスモッグが焚いた煙を吸ってむせ、目を覚ました。


「あれ、けほっなんでお前も起きてんだ?けほっ」


とキングはスモッグに聞いた。


スモッグは呆れた顔をしながら。


「何言ってんだ。お前が来いって言ったんだから来てやったんだろ」


その口調はいつものスモッグとは違った。


「まさか父さんか!?」


「あぁそうだ。俺が父親だ」


まさかそんなはずはない。スモッグは仲間で長いこと一緒にいたわけだし。


父さんが入れ替わったら何かしら気付けるはず。


「お、信じられないって顔してるな。その通り俺はこいつの体に宿ったのは結構最近なんだぜ。てか今だけどな」


またまた信じられない。


一体何をしたっていうんだ。


「経緯を話せ」


もしスモッグの意識が消えているのならばそれは俺としては許せない話だ。


父親は笑って


「一時的に借りてるだけだ。こいつの意識は今深層心理にいるから無事だぞ」


ならいいがな。


とキングは思う。


その瞬間に目隠しにしていた煙が弾ける。


向こうには幽美は立っている。


「悠長に説明してる時間はないぞキャスト」


「そうだな、あとキングでいいよ」


2人は手を組んで彼女に戦いを挑む。




上空では神2人が神速の戦いを繰り広げている。


常人では観測することのできないスピードの。


どちらも一歩も譲らない戦い。


剣と拳がぶつかり合う。


「イメージ」「イメージ!」


互いのイメージの力で世界のルールがどんどん変わっていく。


2人は神の力を持つ。


戦いの弊害は大きい。


創神が時間を止め、さらに時間を巻き戻す。


これによって世界がすべて巻き戻る。


が神の力を持つ2人だけは影響を受けない。


戻ったのはゴッズが生み出した世界を滅ぼす魔法玉だ。


「ちっここまで力をつけてるなんて思ってなかった。一旦退散したほうがいいね」


そうゴッズが言って早急に飛び立とうとする。


仮に世界を壊すことをしたとしても今の彼女ならそれをなかったことにできる。


世界が存在ごと消されたら世界の一部である人間ったてゃともに消えるが天使である彼女は世界の破壊されても影響は受けない。


さっきまでは脅威でも何でもなかったのに今になってさらに覚醒するとは。


羽を広げて天上に帰ろうとするゴッズ。


だが。


バササ…。


と羽が急に形を崩し、ゴッズは飛行できなくなる。


「なっ」


と言い、落下し始めたゴッズ。


それは創神がした攻撃ではない。


別人。


「これでいいんですよね会長」


「あぁよくやった」


以神伝心で会長と少し離れた地上にいる追人が会話していた。


遠距離に居る追人が羽の効力を失わせて飛行を不可能にしたのだ。


しかも追人の能力は神の域に達していたためゴッズにも干渉できる。


「おかげだけどな。俺の」


頭の中でケルビニも話す。


ケルビニが能力制御をしてくれてるおかげで能力が使いやすくなってるな。


そしてその後ろで


「いーなー。俺も自分の能力と会話してみてー」


と言う人爽の姿も。


さっきまでもやしのようにへたっていたがいつのまにか復活していた。


心配かけて…。と追人は思う。


そしてゴッズが落下した場所へ向かった。




「いてて…。ん?痛い…?まさか能力ほとんどを無効化されてる?そんなことありえるの?」


頭をさすりながらゴッズは呟く。


今一度能力を確認してみる。


そして100%のうち25%、つまり4分の1までしか能力が使用できなくなっている状態だとわかった。


こんなこと前代未聞だ。


能力抑制能力を持つアマでさえも私の能力を無効化することは不可能。


それができる能力は存在しない。


「まずい…。戦況が…」


さらに共感覚を通じて幽美の様子も頭に入って来た。


今の幽美はほとんど負けていた。


全身から血が流れ角は片方折れ、羽は片方むしり取られている。


かすれている視界の奥に2人、人が見える。


その2人は


「どうだキング。父さんも強いだろ?」


「チートだよほとんど。相手のステータスを自由に操る能力とか概念を集めて放出する能力とか」


と話している。


そして。


「じゃあこんなのはどうだ?」


と片方が指を鳴らす。


その瞬間に幽美の意識が切断された。


ゴッズは「一体何をした!?」とパニックになる。


おちつけ…。おちつけ!


まだ巻き返せる。でもどうやって?


部下は全員いなくなった。


能力は4分の1しか使えない。


しかも逃げるための能力や治癒・蘇生系の能力は軒並み無効化されてる。


残ってるのは戦闘系ぐらいしかない。


イメージは…まだできる。


よし能力無効化をこの世から消す!


そう思い、自身の能力が戻ってくることと無効化能力を消し去るイメージをした。


だが何も起きず。


「何故!?まさかあの子!?」


またパニックになる。


そんなゴッズの前に上空から誰かが下りてくる。


腰まで伸ばした黒髪。キリッとした目。程よい自己主張の唇。


そして天使の羽。といつも着ている制服。


「終わりだ。神天使」


創神だ。


ゴッズは何か何かと頭をフル回転させる。


だが方法は思いつかなかった。


その場にキングとその父親。


追人と人爽。


そして櫻木の体を借りているライと黒山を担ぐ天川が到着する。


ゴッズの能力は今4分の1しか使えない。


その4分の1でこの全員を相手取ることは不可能だ。


今ゴッズは初めて追い詰められている。


「何がいけなかった?」


呟く。


私は自分の力をすべて把握し、相手の戦力、成長速度を完全に読んでいたはず。


これで終わり?


そんなはずはない。


私は神と等しい存在。


神の意向は絶対だ。


私の望みは果たされなければいけない。


ザワ


一帯の空気が変わる。


それを感じた創神たちは警戒態勢に入った。


「そうよ。私の望みは果たされなければいけない」


その瞬間、ゴッズの背後に概念が集まって来た。


創神は先手を取ってその概念を散らそうとする。


だがそれは破壊の概念によって阻まれ無効化された。


それだけじゃない辺り一帯に概念が巻かれ思うように動けなくなってしまっていた。


「私の望みを妨害するやつは許されない。絶対に。絶対に。絶対に絶対に絶対に絶対に」


悪意がゴッズの体に溜め込まれる。


瞬間に創神は叫んだ。


「全速力で逃げろぉぉぉぉぉ!」


そして集まった概念が空間に穴を開けた。


それは真っ黒な穴で開いた瞬間に周りのものを吸い込み始めた。


その勢いはすさまじく抵抗することすらもままならない。


ゴッズが吸い込まれ、それに続いて辺りの瓦礫を吸い込む。


そして能力は破壊の概念によって使えないため、抵抗できない。


創神以外の全員が穴に吸い込まれた。


穴は建物を飲み込み、人を飲み込み、地球を飲み込もうとした。


創神は羽を生やしギリギリの所で粘っていた。


創神は最後の手段で悪意を溜め込む。


最大限溜め込む。


すると能力が暴走する。


暴走はあの事件以来だ。


そして暴走させた時間神逆を使い、


「戻れぇぇぇぇぇぇぇぇ」と叫ぶ。


瞬間に開いた穴を含む全てのものが逆流し始めた。

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