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結合

53章



「なんでこいつらがここに居るの?」


生徒会室で櫻木が目の前に立つディスト幹部たちを見て言う。


生徒会室にて雑談をしていると突然ドアを開けてこいつらが入ってきた。

最初は襲撃かと思ったが奏臣が立ち上がってメイクに「…お疲れ様」と言ってそのままメイクに吸収されていったものだから何がなんだかわからなく、メイクが「今は非常事態だからこっちに危害を加える意思はない」と言い放ち、本当に混乱している。


全員分が座ることが出来る椅子は無いためメイクだけが座って幹部たちは立って事情を説明する。


要約すると「神天使がこの世の戦力を削ぐために刺客を送り込み、幹部が狙われたが代わりに奏臣が刺客と対峙している。ここに居たのは分身」ということらしい。


生徒会の面々はその話を食い入るように聞く。


それは戦力を削ぐという名目なら自分たちも刺客に狙われる可能性があるからだ。他人事ではない。


「俺たちも全力で戦おうとしたんだが、お前らのとこの会長に止められてな。恥ずかしい話、逃げてきてしまったんだ」


キングが頭をかきながら言う。


この話から推測するに幹部全員でも到底勝てないという感じだ。


私たちでも勝てるかどうかわからない。


勝てないほうが確率は高いかもしれない。


「正直、今のあの人は力半分だから負けるかもしれない。それぐらいあいつは強い」


「ちょっとまって、力半分ってどういうこと?あの人にスタミナっていう概念存在したの?」


櫻木が驚きながらメイクに聞いた。


メイクは首を振ってその経緯も説明する。


「昔はあの人の感情の欠如によって身体的波長が乱れてた。そのせいで離れ離れになった私たちは力を分け与えたり、元に戻ることは出来なかった、でも感情が戻ってきた今は波長がある程度戻ってきて元の状態。つまりこの世に来た頃の私たちに戻った。今あの人は私たちを逃がすために私に力の半分を与えてるってこと」


早口だったためところどころ聞き取りにくい箇所はあったが大体は理解した。


力半分の会長でも負けるかもしれない、か。相当に厄介そうな相手だな。


と牙忍が思った。


ギィとドアが開く音がする。


全員一斉に空いたドアの方を見て、あるものは警戒をする。


しかしそこから入ってきたのはボロボロの奏臣であることを確認するとすぐに生徒会メンバーは奏臣に駆け寄る。


「会長!無事だったんですね!メイクから心配を煽るような発言をされて、心配だったんですよ!」


幽美が駆け寄って言う。


しかし奏臣は生徒会室に入るなりフッと糸が切れたようにその場に倒れた。


「え!?大丈夫ですか会長!」


幽美が会長を抱える。


確認したがただ気絶しているだけのようだった。


「会長が気絶…。これも力を貸してる影響…」


咲川がつぶやく。


それにメイクが頷く。


するとメイクが粒子に変わり、その粒子が奏臣の体に吸収された。


粒子が完全に体に吸収されると創神の目が開き、自身の力で立ち上がる。


「会長…?」


幽美が立ち上がった創神にそう聞いたが、創神が「今はメイクの方。あの人はまだ寝てるよ」と言った。


これが本来の姿かぁ。と牙忍が創神を見ながら思う。


「ここで倒れられてもめんどくさいし、臨戦態勢のほうが良い」メイクはそう言って今度は生徒会長の席に座る。


しかし座り方は普段の奏臣とは全く違う飛び乗るような座り方だったため本当にメイクなんだな。と生徒会全員が思った。



そして話し合いが始まった。


今生徒会室にいるメンバーは


生徒会サイド櫻木、牙忍、幽美、咲川。


ディストサイドキング、スモッグ、マニアル、リンシャ、レキ。


一般人はさっきまでこの学校を襲撃していた宮浜。


最後にまとめ役の創神だ。




まず最初に喧嘩が始まる。


櫻木が最初から不機嫌そうなオーラを放出し、それが気に食わないキングが指摘し、櫻木が「信二くんを殺したやつらと話し合いの余地はないよ」と言い放った。


それに対しキングが「異人は危険だ。あの黒山とかいうやつでも変わらない。危険なものは殺さなきゃいけないだろ」と出てきた懺悔でもなく自身の行いを肯定するような発言で櫻木がガチギレした。


手のひらをキングにかざしてそこから炎を極限の火力で噴出する。


それをキングは全ての秘術共通の効果である「指定した対象の攻撃を無効化する」によりダメージを受けなくする。


しかしダメージを受けなくと熱さはあるようでなんとも言えない不思議な感覚にうろたえる。


昔の櫻木なら迷わず心狂う愛人者を使っていただろう。


これは進歩?だ。


ここまでは創神にも予想できていたし、止めても悪い関係が続いたままだと判断し、そのまま続行させる。


しかし一方でレキと櫻木は意気投合していた。


「異人の基本的な情報について発表したの君だったの?あれ結構出すの難しかったんじゃない?異人について全くわからなかった時代の話だし」


「あれは自分の体を使って実験してたんですよ〜。やっぱり対象がいると実験が捗るんですよね〜」


研究者という変態的な趣味で話が合う人が珍しいのだろうか


私が言えたことではないが。


しかし咲川が他人と話して喜んでいるのを始めてみた。


しかも命を奪い合った相手だというのに。


そして他のやつらは…。


「…」


「…」


何も話さず喧嘩している2人と仲良く話している2人を見ている。


気になる気持ちもわからなくもない。


この対をなしている2人。


関係性がわからない。


実際人間関係等は私にもわからない。


私自身人と接する経験が無いため統計が取れていなかった。


そして数分が経過すると話のスピードが落ちていき、最終的には無言になっていった。


「言いたいことは言い終わったか?」


創神が聞いた。


それに櫻木が「まぁ終わりましたけど…こいつらを許す気はないです」と言い、キングも「シーラーを殺したお前らも許さないぜ」と言う。


今はそれでいい。


とりあえず言いたいことを言ってもらって少しでもわだかまりを無くしてもらいたかっただけだ。


今ここで仲良くなるっていうのは流石に難しいだろう。


人格を共有している創神の中にいるメイクは櫻木に起きたこともキングが考えていることも全てわかる。


だからこそこのようなことをしたのだ。


「それじゃあ本題へ行こうか」


創神がその場を取り仕切り話を始める。


まずは基本的な本当の敵は神天使であることや天使についての説明をディストに。


詳しい説明はしていなかったためここでしておく。


ここからが最重要事項。


「神天使を倒せばそれに関連付けてある奇跡は全て消滅する。そしてこの世に蔓延っている異人や秘術師の奇跡は全て神天使のものだ」


そこでスモッグが「ということは全ての異人と秘術師の能力が消えるということですかね」と創神に聞いた。


それに創神は頷いて


「あぁ。そしてその後は私が神天使になり、今まで神天使の関係で死亡した全てのものの死を無かったことにする予定。つまり蘇生だ」


「ほう。死人をこの世に呼び戻すとな。そのようなことが出来ると申すか」


マニアルが顎を擦って創神に聞く。


にわかに信じがたい話だが創神が言うと説得感が違う。


「正確に言えば過去の塗替えだ。色々と面倒くさいことだから詳細は省くが、蘇生が終わったら元々生きているということになっているはず」


創神がそう言って手のひらを上に向ける。


するとそこに懐中時計が出現してそれを机の上に置く。


「これは?」


牙忍が懐中時計を手にとって言う。


見た目普通の懐中時計だが、奥の文字盤に日付が書いてある。


時計は動いておらず日付だけが今の日付になっている。


「私の時間神逆を埋め込んだ時計だ。この時計を使って過去に飛ぶことが出来る」


と言った。


それに一番食いついたのは櫻木だ。


「じゃあこれを使えば黒山くんを助けに行けるってこと!?」


と言って牙忍から懐中時計を奪おうとする。


しかしそれを幽美が抑える。


「待ちなさい。会長が今どの人格かどうかはわからないけど過去に飛んで助けに行かないってことはなにか理由があるってことよ」


幽美が冷静に答える。


創神は頷いて


「その通り。その時計、秒針が動いてないでしょ。それは時間軸が壊れている証拠」


「時間軸?」


落ち着いた櫻木が創神に聞く。


「そう。理由だけ話すと時間を飛べるのは1人だけ。それは過去と未来全てにおいて。だから今どこかの私が時間を飛んでる。そのせいで私たちが今飛べないってこと」


全てのルールによって取り返しがつかないタイムパラドックスを防ぐために1人しか時間移動が出来ない。


そして今存在している能力の全てのうち時間を移動することが出来るのは創神しかいない。


そのため今時間移動をしているのは別の創神ということがわかる。


「なんだそうだったんだ」と少しがっかりしたように櫻木は言う。


「世の中簡単に行くことのほうが少ない。それは私の能力であってもな」


するとレキと話していた咲川が唐突に手を上げて席を立つ。


全員咲川を見る。


咲川は全員に見られながら


「異人と秘術師についてのメカニズムについてはわかりましたが、概念もその一種なんですか?」と創神に聞いた。


それに対して創神はうーんと頭を捻らせて「まぁ半分正解かな」と答える。


なぜ半分なのかと咲川が聞くと何故か机の上にあったボールペンを持って話し始めた。


「概念は持ち主がいない天然の奇跡。奇跡は持ち主がいて初めて能力という形で性質を持ち、収まるんだけど、概念は事情が違ってね。破壊の概念は壊し続ける。狂気の概念は狂い続ける。っていった感じにある一定の性質を保ちながら存在しているんだよね」


そして創神はボールペンを鉛筆に変換する。


「天然っていう性質故に結構強力で普通なら触れただけで死んでしまう。でもそれを操ることが出来るのがそれ専用の能力を持った天使や異術師だけ。私は創造の概念を操る能力を持ってるからそれを操ることが出来る。そして物を創り続けるという性質を自分の好きなものを創り続けるっていう風にコントロール出来るの。ライは最初コントロールできてなかったから甚大な被害が出たけど」


そう言って虚空から鉛筆キャップを創り、それを変換した鉛筆にはめ込む。


「後概念ごとの違いと言ったらコントロールしやすいものとかこの世には存在できない概念とか。そこは元素と似たような感じじゃないかな」


鉛筆を手で弄びそう締めくくる。


しかし元素という言葉を聞いて咲川の好奇心が刺激されてしまった。


「元素と似たようなってことは2つ以上の概念を合わせたらなにか反応が起きたりするんですか!?」


早口になって創神に聞く。


創神はその早口具合に圧倒され少しモゴモゴと「一応、破壊の概念と想像の概念を組み合わせたら世界が終わるぐらいのエネルギーが生まれるが」と言った。


それに咲川は「そんなエネルギーが自然界に存在するなんて…。まだまだ地球の神秘は止まりませんね」とうっとりして言う。

レキが「やっぱり異人って変人が多いんだな」と言う。


まだ会議は終わらない…。

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