4.お姉さんは最強の敵
ドゥヒヒ
情報屋の場所はすぐに分かる。いちばん高い建物が情報屋の建物だからだ。ここではNPC以外にも多くの情報屋が集まっている。
初めてだしNPCに話を聞きたいんだけど誰がNPCで誰がプレイヤーか分からない。
情報屋は情報の他にも様々なアイテムを売っているので結構人が集まっている。
そんな中アイテムが一切置いてない店もちらほら見える。アイテムを置いてない店=NPCの店か、大手情報ギルドのはずだか、やっぱりプレイヤーとNPCは違いがわからん。
仕方がないので勘でNPCだと思う店に近づく。そして意を決して声をかけた。
「あ、あの、情報屋さんですか」
我ながら恥ずかしい。情報屋と知って声をかけているのにそれを聞かなくていいだろ。もっと自然に話せるようにしないとマジでゲームを楽しめない。そう考えていると情報屋さんが優しく声をかけてくれた。
「そうだよ。ここはね、情報屋が集まっている建物だからここで店を開いている人はみんな情報屋なんだよ」
知っていますとも。事前情報でちゃんと入手してます。けどな、ここで知っていますと言うのもな恥ずかしいし。どーしよう。
「ねー 僕。私は情報ギルド攻略の巣のりゅーって言うんだけどなにか聞きたいことがあるのかな」
あぁ恥ずかしい。NPCだったらどれだけ良かったことか、いや、まだNPCの可能性だってある。ここのNPCは知能が高いからきっとこんぐらい話せるはずだ。よし、ならもう聞いちゃえ、
「あ、あのお姉さんはNPCですか」
「違うよ」
そうですよね、知っていました。何となくわかってましたよ。仕方がないがからこの人に情報を聞こう。そう思いずっと恥ずかしくてしたを向けていた顔を上にあげた。
きっとそれが間違えだったのだろう。よくよく考えたらわかる事だ。このゲームはほとんどのプレイヤーが美男美女ばかり。もちろん僕やお姉さんも例外ではない。
そう、美女だったのだ。しかも胸も大きく正しくボンキュッボンな体格。もう辛うじて回復してきた恥ずかしさが最高潮を飛び越えてしまった。落ち着けこれはゲームだ。現実ではない。
よし、頑張るんだ僕。深呼吸をしてよしいこう!
「ぼ、ぼ、僕はユーヤって言います。このゲームは今日始めました。そ、それでお金を稼ぐ方法を知りたいので教えてください」
よし、完璧。もうこれ以上は無理だよ、りゅーさんよ頼みますから何も聞かないで。
「うんうん、わかったけど僕今いくら持ってる」
そうだよな、お金もってないと教えてくれないよね。まぁ1000ゴールドはあるし少しは教えてくれるでしょう。
「ん!」
そういい右手の数字を見せる。するとりゅーさんが
「1000ゴールドか。まぁ足りるね、じゃー教えるよ。取り敢えず1000ゴールドいただくね」
そういい、力強く僕の右手を握りしめ会計する機械の上に置いた。右手が解放され見てみると数字が0となっている。
「それでね、お金を稼ぐ方法は大きくわけて3つある。1つ目はモンスターを倒すこと。モンスターを、倒すと自然にお金が貰えるし、ドロップアイテムを売ればそれなりに稼げると思うよ。2つ目はギルドのクエストを受けることだね。ギルドって言ってもプレイヤーが作ったものじゃなくて、元々のシステムとしてあるギルドの事ね。例えば冒険者ギルド、騎士ギルド、盗賊ギルドとか色々あるよ。そして3つ目が私たち情報屋に情報を売るってこと。例えばなにか僕が発見したとしよう。それを私に教えてくれればお金をあげるって訳。まぁそれぐらいかな。今僕が売れる情報といえば年齢ぐらいかな」
なるほど、じゃー取り敢えずギルドへ登録しに行こう。モンスターは多分冒険者ギルドでクエストがあるだろう。それで今できることは年齢を売ることが出来るってことだったな
なんで年齢が売れるんだろう。まぁ0ゴールドは嫌だし売るけど、ちょっと気になる。聞いてみるか
「あ、あの、なんで年齢が売れるんですか」
「い、いやぁーそれはね、プレイヤーの年齢は重要なんだよ。そう、パーティー組む時に歳が近い方がいいでしょ」
なるほど、確かに歳が近い方が話しやすいし、仲良うなれる。まぁ年齢ぐらい教えてもいいから売ろう。
「26歳です」
「えっ」
「す、すみません。こんな姿で26はおかしいですよね」
しまった。すっかり自分の身長を忘れてた。こんなチビで26歳はさすがにないだろ。引かれたかな、引かれたよな。
「そうか。26歳か、ありがとう。いい情報が手に入ったよ。ちなみにこの情報公開しちゃってもいいかな。公開していいんなら1000ゴールド払うよ。まぁ個人情報だしダメだっていうなら500ゴールドかな」
迷う。迷うが今はゴールドが欲しいし、別に公開されて困ることも無い。それなら公開してもらった方が得だろう。
「だ、大丈夫です。勝手に使ってください」
「わかった。じゃー1000ゴールド」
そういい、また僕の右手をつかみ機械の前に持っていく。僕は直ぐに右手の数字を見た。そしたらちゃんと1000という数字になっている。
年齢だけで1000ゴールドか、なかなかいい取引だったと思う。りゅーさんはいい人なのだろう。お礼を言って帰ろう。
「ありがとうございましたりゅーさん。また困ったら来ます」
「いつでも来てね待っているから」
本当に優しいな、心が温かくなる。絶対また来よう。そして次はもっとしっかり話せるようにしよう。
そう意気込んで建物の外へ出た。
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「26歳か、ちょっと期待はずれだったけどそれもそれでアリ?26歳の恥ずかしがり屋ショタ。なかなかアリかも、また来てくれないかな。次はもっと触ろ。あとはこの情報をショタを愛するスレに載せたいけど許可は取ったし載せようかな。一応名前は書かない方がいいよね。BANとか怖いし、まぁ26歳のショタとだけ言っとこ」