3.はじまりの街
短い?いやいやこれが限界
ゲームにログインした僕はまだ始まりの街にいる。
おかしい、どうしてこうなった。
僕は今手のひらに写っている数字を眺め少し後悔していた。
手のひらには1000という数字が書かれている。この数字の意味は現在の所持金なのだ。
10,000ゴールドあったはずなのに、いつの間にか1000ゴールドになってしまった。10,000ゴールドもあれば装備のひとつぐらいは買えたはずなのに。
恥ずかしい話だか僕は誘惑に負けたのである。異世界っぽいオーク肉を売っている露店を見つけて食べたのが始まりだった。
このゲームでは五感が普段通りに働くが、満腹にはならない。逆にここでたくさん食べても現実の自分がお腹を空かしたらゲームの中でもお腹が空く。
この機能は最初はなかったらしいが、8年前とある人がゲームのやりすぎで餓死寸前になったらしい。そこから空腹をゲームに反映させるようになったのだ。
そして僕はいくら食べてもお腹がいっぱいにならないので異世界っぽいご飯を食べまくっている。
オーク肉に始まり、オーガ肉、竜肉も食べた。あれ、そういえば肉しか食べてないな。まぁここで栄養バランスを考えても無意味だからいいんだけど。
露店の店主は基本的にプレイヤーである。自らが倒したモンスターのドロップアイテムで露店を開いてるとオーク肉の店の人が教えてくれた。
そしてもうひとつ問題が発生した。それは、身長だ。
基本的にプレイヤーは皆身長が高い。多分180はあるだろう。
そのせいで120の僕は子供扱いされてしまう。一人称が僕なのも原因かもしれない。さっき話しはオーク肉の店主だって、
「よぉ坊主。お前さんゲーム初めてだよな。それならいいこと教えてやるよ、実はここら辺の露天はプレイヤーがやっている場所なんだ。もう一本先の道はNPCがやっているんだが、たまにNPCとほぼ同じ商品を売ってる店がある。なんでかって? そりゃ初心者に売れるからさ。最初に通るのはここだからNPCの1.5倍の値段にしてもバレねーってわけだ。悪いことは言わねーからここで飯以外は買わない方がいいぜ。」
うん、教えてくれたのは嬉しいが間違いなく子供扱いされてたよな。あの後だって髪の毛をわしゃわしゃされたし、いい人なのはわかったけど少し恥ずかしい。
だって中身26の立派な大人だぞ。まぁいいや、そこは割り切らないといけないことだし。
という訳で忠告通り飯しか買わずに歩いていたら所持金が1000ゴールドになってしまったのだ。
本来ならば回復薬や装備に当てなきゃダメなのに本当にやらかした。とりあえずNPCの情報屋に行ってゴールドの稼ぎ方を聞いてこよう。
おやすみ。




