測定してみた
何か月ぶりかに投稿します。やっと落ち着けました
では、どうぞ('ω')ノ
突然の学園入学への誘いに、アランは戸惑った。
「ヴェロニカ。急すぎないか?なんで...」
「おまえ、昔村の学校に通う子たちをうらやましそうに見てただろ?」
彼女の発言に、アランはどきりとした。
「よく見てんな」
「義母だからな」
にやりと笑う彼女に対して、アランは苦笑いを浮かべた。
「まあ、お前にはいいことだぞ。今のことを学ぶことができるし、何より友人ができるしな」
「友人、か...」
アランが呟く。
彼が勇者をしていた時、友人と呼べる人は一人もいなかった。
言い寄ってくる人はほとんど自分の地位を上げるなどのためであった。
「私としては、おまえに普通の生活をしてもらいたいんだ。お前は普通を知らないまま育ってしまったからな」
ヴェロニカがしみじみと話す。
「というわけで、どうだ?」
「・・・・・・・解った。入るよ」
その言葉に、ヴェロニカは優しく微笑んだ。
「そうか!では、さっそく手続きをしよう。コーネルア」
「はい」
すると、もう準備をしていたかのように、隣の部屋からコーネリアが何かを持ってやってきた。
「それは...」
「これは魔力測定器です」
「魔力測定器?」
「この学園に入学する際にまず行われることです。本当はこれ以外にも筆記試験や実技試験があるのですが...」
「今回は特例だ。筆記はまず無理だろうし、実技ではうちの試験官では歯が立たないからな」
「いいのか?それで」
「学力なら少しすごせばこいつはすぐに身に付ける。実技は問題ない。後は、魔力だけということだ」
「そ、そうか」
これ以上争っても、彼女には勝てないので、アランはおとなしく従うことにした。
「それでは、ここに手を当ててください」
コーネルアに言われ、アランはその水晶のような機器にてを置いた。
「これはどうすればわかるんだ?」
「そのままにしていただければ大丈夫です。魔力量によって光の強さが違うんです」
しかし、いくら待っても水晶は光を発しない。
「おかしいですね。もう光ってもいいころなんですが...」
「おい、ヴェロニカ。どういうことだ?」
アランの質問にヴェロニカはくすくすと笑った。
「やっぱりそうか」
「なんだよ。まるでこれがおこることが分かっていたみたいな言い方は」
「まあ。予想はしていた。だが、気にするな!」
「いや、気にするよ」
「コーネルア。資料の作成を頼む。ああ、魔力は判定の通りで頼む」
「しかし、それでは」
「構わないよ。いずれわかる」
何かを悟ったかのように言った。
「わかりました」
コーネルアは資料を作成すべく、部屋を出て行った。
「さて、明後日にはお前は入学する。楽しみしておけ」
いつもさまざまな笑みを浮かべるヴェロニカ。今浮かべているのは、彼を思う母の笑みだった。
ありがとうございました。