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またですか。  作者: あいす
3/6

悩み悩む


「あこさん、今日ラストまでですか?」


まこっちゃんのおはぎ自慢がどうやら

終わっていたようだ。


「そうだよ、いつも通りで」

「ですよね」


そう聞いてきたのはいっちーだ。

何か相談か?大抵いっちーはそうだ。


うちの店のオーナーは正男さんだが

店長もいる。若菜(わかな)さんという

とても綺麗な女性店員だ。

基本お店の管理やオーナー代わりに

指示を出してくれる人だが、その右腕代わりが

カフェはいっちー、バーが私なのだ。



若菜さんは優しいし少し天然なとこがあるが、

仕事モードは厳しかったりもする。


まあ、当たり前なのだが同じ店に居ながら

カフェとバーの店員同士はあまり交流がない。

アルバイト人がほとんどでそれも

皆んな意外と若い。学生が何人かいるから

だからこそ変な男女関係で問題を起こさぬ様

若菜さんは厳しく見ている。



それで、いっちーも気を遣っているのだろう。



「何か相談かな?少年」

「少年てっ、2つしか変わらないじゃん」

「おばさんに話してご覧よ〜」



自分でおばさん言うところが…ね



「じゃあ、少し飲んでく」



いっちーは他のバーテンや上司がいない時

時々、私にタメ口になる。

酔うと誰にでもタメ口になる時があるが、

なんかちょっと嬉しくなる24歳です。




「この店、俺普通に好きです」



いっちーが話し始めた。



「ただ、なんか客層が偏り過ぎて…」



なるほど、それは私も感じていた。

店としては成り立ってはいる。しかし、

売上のことも考える様になった私たちは

それだけではいけないと感じていた。


いっちーは真面目だ。バーテン経験もあり

今は大学4年生。ルックスこそ悪くない

有名な男性アイドル事務所にいそうな

顔立ちで頭も切れるタイプだ。


自分では意外と内気とのこと。

こちら側の第一印象は今時のチャラ男。


だか、関わっていくうちいい子なんだなと

思うことが多いのでいい子なんだろう。



「若菜さんに言われたんです。あこさんと話してみたらって。俺ら似てるって…」



そうきたか。



「いっちーの考えてる事は私と一緒だよ。だけど、今を安定的にしてからの話になるんだよね」



若菜さんはズルい



あの人の考えを私が知っているからこそだ。

いっちーが話してきても私が今同意はしない

ことを分かってる。


遠回しに本音探れってか?

いっちーのやる気を損ねない様に

説得しろってことだよな。たぶん…



「お互いに目標あるけど達成したからって安心は出来ないよ?持続安定させるまで大きな事は動かさない」

「っ……」

「でも、別の案 考えてみない?例えば…」




時計を見れば22時を回った。



「絞った案は若菜さんか正男さんに話してみたら?聞いてくれない人達じゃないし」

「ありがとうございます」

「お代はいいよ〜出世払いで」

「奢りじゃないのかよっ」

「あまえるな!」



いっちーが席を立ち



「あこさんに話してよかった」



ちゃんと飯食べて下さいよ!と強めな

言葉を私に言って帰っていった。




ボーイスビー アンビシャス

少年よ大志を抱け




あんな弟ほしかったな〜




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