なんかダメエルフっぽい
「助けていただきありがとうございました!」
穴に落ちていたのは金髪の超美人さんでした。
なんか俺たちが落とし穴を作ったと勘違いされたが、何もしないで距離をとってたらお礼を言われたのだ。
「あるじぃ。助けてぇぇ」
「適当にやっとけ」
現在、美人さんの両手でコロコロと転がされ、ぐにぐにと体をもみくちゃにされてるギースは悲鳴をあげている。
「か、可愛い・・・」
美人さんはギースを気に入ったらしい。
「お、お礼なら・・・あるじにも・・・」
手厚い美人さんからの全身マッサージを受けたギースはふらふらしながらも俺の肩の上に戻ってきた。
「あるじぃ、なんでそんなに冷たいんですか?」
「おまえにはいつもこんなもんだろう」
イラっとしたらギースを投げ飛ばすのは日常だ。
「そうじゃなくて、あの子に対してですよ。もっと鼻の下伸ばして話しかけてもいいんじゃないですかい?」
「厄介ごと抱えてそうだから関わりたくない。俺は平和が一番だ」
「平和的に女の子のおっぱいを揉むテクニックというのはですね・・・」
「何の話だ」
さて、どうしたものだろう。目の前で心配そうな顔している美人さんに、どんな言葉をかけたら・・・まあ、自己紹介くらいならいいよね?
「俺は冒険者をしているジュンペイって言う。君の名前は?」
「フィーリアと申します。この度は助けて頂き、ありがとうございました」
深く深くお辞儀をするフィーリア。
彼女の緑色のブラウスからはでかい双丘が落ちそうだ。茶色のハーフパンツはむちむちだし。
それよりも彼女の耳を見て気がついたことがあったが、ギースに先に言われる。
「エルフですぜあるじ」
「エルフだよな?」
「しかも巨乳ですぜあるじ」
「巨乳で落とし穴に落ちるエルフ」
「ダメエルフっぽい」
「ダメエルフかぁ」
そこまで話すと、フィーリアは顔を真っ赤にして俯いてしまう。
「に、人間の男の方って・・・ひどいこと言うんですね。何も言い返せないのが悔しいですが」
「君はどこから来たの?」
「ジグランデ・・・からです」
「ギース、ジグランデってどこ?」
「ユーメラから南に200キロなんすけど・・・この子が一人で来るには無理っすね」
「一緒に来てる仲間は?」
「いません」
「じゃあどうやって・・・」
途端にフィーリアは俯き気味に目を逸らす。何か言いたくないことがあるんだろうか。
「あるじ。この子転移魔法で飛んで来たんだよ多分」
「!!・・・ど、どうしてそれを知ってるのですか?」
「いや、うちのあるじマジでハンパねーっすから」
「なんで俺を巻き込む」
なんかにやにやしながらギースが俺を見てる。別に無理に俺を持ち上げなくてもよろしい。
「ジュンペイ様。あなたは高位な魔法使いなのですか?」
ほら見ろ。勘違いされたぞ。
話が進まないので、俺はギースを掴むと落とし穴にシュートした。