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ぜってん!  作者: とろにか
2/2

なんかダメエルフっぽい

「助けていただきありがとうございました!」


穴に落ちていたのは金髪の超美人さんでした。


なんか俺たちが落とし穴を作ったと勘違いされたが、何もしないで距離をとってたらお礼を言われたのだ。


「あるじぃ。助けてぇぇ」


「適当にやっとけ」


現在、美人さんの両手でコロコロと転がされ、ぐにぐにと体をもみくちゃにされてるギースは悲鳴をあげている。


「か、可愛い・・・」


美人さんはギースを気に入ったらしい。


「お、お礼なら・・・あるじにも・・・」


手厚い美人さんからの全身マッサージを受けたギースはふらふらしながらも俺の肩の上に戻ってきた。


「あるじぃ、なんでそんなに冷たいんですか?」


「おまえにはいつもこんなもんだろう」


イラっとしたらギースを投げ飛ばすのは日常だ。


「そうじゃなくて、あの子に対してですよ。もっと鼻の下伸ばして話しかけてもいいんじゃないですかい?」


「厄介ごと抱えてそうだから関わりたくない。俺は平和が一番だ」


「平和的に女の子のおっぱいを揉むテクニックというのはですね・・・」


「何の話だ」


さて、どうしたものだろう。目の前で心配そうな顔している美人さんに、どんな言葉をかけたら・・・まあ、自己紹介くらいならいいよね?


「俺は冒険者をしているジュンペイって言う。君の名前は?」


「フィーリアと申します。この度は助けて頂き、ありがとうございました」


深く深くお辞儀をするフィーリア。


彼女の緑色のブラウスからはでかい双丘が落ちそうだ。茶色のハーフパンツはむちむちだし。


それよりも彼女の耳を見て気がついたことがあったが、ギースに先に言われる。


「エルフですぜあるじ」


「エルフだよな?」


「しかも巨乳ですぜあるじ」


「巨乳で落とし穴に落ちるエルフ」


「ダメエルフっぽい」


「ダメエルフかぁ」


そこまで話すと、フィーリアは顔を真っ赤にして俯いてしまう。


「に、人間の男の方って・・・ひどいこと言うんですね。何も言い返せないのが悔しいですが」


「君はどこから来たの?」


「ジグランデ・・・からです」


「ギース、ジグランデってどこ?」


「ユーメラから南に200キロなんすけど・・・この子が一人で来るには無理っすね」


「一緒に来てる仲間は?」


「いません」


「じゃあどうやって・・・」


途端にフィーリアは俯き気味に目を逸らす。何か言いたくないことがあるんだろうか。


「あるじ。この子転移魔法で飛んで来たんだよ多分」


「!!・・・ど、どうしてそれを知ってるのですか?」


「いや、うちのあるじマジでハンパねーっすから」


「なんで俺を巻き込む」


なんかにやにやしながらギースが俺を見てる。別に無理に俺を持ち上げなくてもよろしい。


「ジュンペイ様。あなたは高位な魔法使いなのですか?」


ほら見ろ。勘違いされたぞ。


話が進まないので、俺はギースを掴むと落とし穴にシュートした。


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