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嫁入り前の悲劇  作者: 江戸一
再退院
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春也の父




6月12日の日記に綴りました。



ふとした瞬間、痙攣が起きるんじゃないかって不安になる。


2人きりで家にいるとき。

夜。


不安になる。

“今痙攣がおきたら?”

“いま!?”

って。


春也の顔を見るのも怖いときがある。


何回も、“大丈夫?”って聞いてしまう。

ごめんね。


薬飲んでるから大丈夫って自分に言い聞かせても、たまらなく不安で、怖くて、心配になって…。

自分自身にとってそれが負担で…。


本当に申し訳ないと思ってる。

夜もなかなか寝付けないし、すぐ目が覚める。

PTSDって、こういうことなんだね。







春也が目の前で倒れてから、私は携帯電話を常に手の届く範囲に置くようにしました。


いつ、何が起こるかわからないから。


すぐに助けを求められるように。







職場に復帰して1週間ほど経過した日。


春也の父から着信がありました。




「今朝春也の顔色が悪くて浮腫んでたんだけど、何かあった?」



「特に気になることはないですよ。薬もきちんと飲んでいますし、夜も、日付が変わる前には寝ていますよ。」



「まぁね。春也は真面目だからね。

仕事の前の日は備えてちゃんと寝るんだよね。」



(……はい?親馬鹿ですか?)




「最近実家に帰ってきても、全然喋らないし、笑わないんだよね。」


「そうですか。」



「入院中は色々小まめに連絡取ってたけど、春也が退院してから祐希ちゃんからも全然連絡来ないから、どうなってるのか全然わからないし。」




(え?私が悪いんですか?気になるなら連絡してくれば良いんじゃないですか?

実家に帰っても笑わないって、実家に帰っても美味しいご飯が出るわけでもない、楽しいこともないのに…。)



「最近よくおふくろの家に行くみたいだけど、親はやっぱり俺らじゃん?」



「………そうですね。」




私は何も言い返すことなくただただ春也の父の言葉を受け止めていました。





春也の父結局何が言いたいんでしょうか。




親として病気を治してやりたい。

次は順番守ってほしい。

今朝は春也の顔色が悪くて心配なんだ。





それの繰り返しでした。


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