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嫁入り前の悲劇  作者: 江戸一
再入院
30/35

口出しするな




一般病棟に移り、春也の父は一週間のうちのほとんどの日を病院で寝泊まりしました。



午前中に交代し、私も1日の多くを春也と過ごしました。




自分が何の病気なのかも分からない。

ICUでは、目が覚めた時、麻酔が完全には切れていなかったため、身体は自由に動かない。

言葉も思うように出ない。




春也の心の状態はかなり不安定でした。


ICUに対する恐怖心も強かったそうです。










一般病棟に移ると、再び脳波の検査を詳しく行い、てんかんかどうかを調べることになりました。



このときの春也は、「てんかん」という言葉にもとても敏感で、てんかんという病気のこと、一生薬と向き合わなければならないことにもとても怯えていました。





春也の両親は、なるべく春也の心に波風を立てないよう、細心の注意を払っていました。


もう、痙攣や発作で春也を苦しめないように、と。







「てんかんの検査をする」


と伝えると、また春也が動揺してしまうかもしれません。





私は春也の両親にそれぞれ、同じメッセージを送信しました。



「てんかんの検査っていう言い方ではなくて、

『何の病気か原因がわからないから、脳波の検査をしないといけない』

っていう言い方はどうですか??

まだてんかんって決まってないので、結果が分かるまでは言わない方が良いのかなと思います…。」



「それはもちろんわかってる。」




と、母から突っぱねたような返信が来ました。






そして父からの着信。



「祐希ちゃんも思うことがあると思うし、良くなるように考えてくれてるのも分かるけど、今僕らもちょっといっぱいいっぱいで、色んな意見をいっぺんに聞けるような状態じゃないんだ。


今は僕らで春也を良くしてやりたいって色々やってるから、祐希ちゃんも協力してほしい。」





「あ、…………はい。」




実質、口出しはしてくるなと言われているのと同じでした。



「あと、さっきのメッセージ、ママも今気を遣えるほど余裕がなくてごめんなさい。

一言、すいませんって言っといてくれる?」





(口出ししてすいませんでした、って言えって?)


「あ…………はい。わかりました。」




「それと、文章で送ると後で残るから、僕にはメッセージでも良いけどママにはなるべく電話で伝えてほしいんだよね。」



「はい。」






私はただ、春也がどうしたら良くなるか考えて、一つでも多くの選択肢からみんなで考えて答えを導き出したいと思っただけなのに。




(っていうかママ、ママうるせぇな。

どんだけママの言いなりなん!シモベかよ!)



春也の両親の考えてることしか方法がないなんてことは絶対にない。




目的は同じなのに………。



私の意見には耳を貸さない。

病院を変えて、心療内科と脳神経内科がカンファレンスする方が良いのではと提案しても、それは春也の調子が整ってから、と流されました。



「病名はとりあえずどっち向いていてもいいので、まずは倒れない様にすることが第一だから頑張ろう。

落ち着いたら色々な病院にかかれば病名はわかるから。」



と言われました。




春也は既に主治医に恐怖心を抱いていましたし、できれば早めに大学病院に移りたいと思っていたのは、私だけだったようです。




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