わたしの母
私の母に、同棲をやんわりと反対されたことを相談すると、
「お金は同棲して2人で貯めたほうが効率がいいよ。
バラバラで生活したら生活費も2倍かかるし、向こうに住んでアンタが一人暮らしをする意味がわからん。
同棲しないと相手との生活の相性っていうのもわからないしね。
アタシは同棲せずに結婚したから失敗したでしょ!」
と笑いました。
私の両親は私が中学生のときに離婚していていて、シングルマザーで私達3兄弟を育ててくれました。
両親が離婚した頃から、私は実家で暮らすことが嫌になり、高校を卒業したらすぐ働きたい、自立したいという気持ちから公務員になりました。
私自身も母との関係が良かったわけではないのですが、春也の存在ができて、母と話をする機会が増え、私は家族と笑って会話ができるようになったのです。
余談でしたね。
母は自身の失敗も踏まえ、私に同棲することを勧めたのでしょう。
それから私は、2人で同棲する場合と、それぞれ暮らした場合の収入と生活費、そして毎月いくら貯金できるかを算出しました。
一年間の支出と貯金額を比べると、それぞれ暮らすより、同棲するほうが貯金額は数十万と高い。
それぞれ暮らすということは、私個人の貯金額は毎月順調に減っていくことになり、春也が実家でいくら貯金が増えても、それは本末転倒であるという結論に至りました。
私はそれをノートにまとめ、春也に見せ、春也はそれを自身の母に見せました。
それを見て、春也の両親は納得してくれたのだと思い、私と春也は物件を契約しました。
向こうの両親は納得してくれた。
というのは錯覚でした。