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嫁入り前の悲劇  作者: 江戸一
2017年5月
16/35

わたしの意見





「これはあくまでわたしの意見です。



これまで、春也が悩んでたことのひとつに、住所を新居で手続きをしたことを、いつ親に言おうということがありました。



消防の住所登録を変更するのは手間になりますし、2人で生活をするために、住居手当をもらわないと、と思って新居にしたんです。



でも、ご両親から実家から通えと言われてましたね。


春也は、お母さんが感情的になるのを恐れて、そのことをいつ言えばいいのか、考えていたんだと思います。

家のこと、結婚のこと、考えて考えて考えて考えて、結局倒れてしまいました。



わたしたちのしてきたことは、今まで事後報告でした。

それは山田家のやり方で言えば、間違ってたんですね。


わたしが仕事を辞めること、家を決めたり、住所を新居で手続きをしたこと。



わたしは自分の母親に、年末には相談をしました。

春也にも、ご両親に話をしてほしいとは伝えていましたけど、なかなか腹をくくって話ができなくて、結局ギリギリになってしまったことについては、正直わたしも春也に腹を立てていました。



こういう、事後報告になるっていうことは、春也がちゃんと言えないっていう度胸のなさも、相談したら否定されるという不安感があるんだと思うんです。



自分で考えたことを、否定されるのがわかっていて、相談しようとはなかなかなりませんよね…?

特に、みなさんのいう通り、春也は気が小さいですから。



春也に失敗してほしくないから、こうしてほしい。というご両親の意見も解ります。

でも、自分で決断しないと、しっかりした人間にはなれないとわたしは思うんです。

決断したことを、ご両親に報告する、でも良いと思うんです。



春也がしっかりしていないから、結婚はまだ早いと思われていますけど、何に関しても、決断をする前に止めてしまっては、しっかりならないのではないでしょうか。


わたしは、春也にしっかりしろしっかりしろと言う反面、とても過保護にしているな、と感じました。



結婚するまでには、両家の挨拶があって、関係を築きながら順序立てて事を進めていくのは礼儀だと思っています。


じゃあ明日結婚します、とはわたしも思っていませんし、そんな簡単に済ませて良いとも思いません。

これからずっと続いていくのに、粗末にしたくありません。



わたしのお母さんは何も言わないというのは、緩いからではありません。わたしの決断を認めてくれているからです。




これまで、事後報告になったことは、反省しています。言いづらいからといって後回しにしていた春也をほったらかしにしていたわたしもいけませんでした。



それを防ぐために、グループトークを作ったんですよね?


お母さんがライングループを無言で抜けられて、先ほど、お母さんから事情を聞くまでは、これからみんなで話をしようって言われたのに、歩み寄ろうと言ったばかりなのに、と勘違いをしていました。

すいません。


そのせいで春也を挑発してしまったのかも知れません。



これまでは、春也の感情的な発言でご両親を困らせていました。

春也は言葉足らずなところもあるので自分の考えていることがご両親に伝わっていないこともあると思うんです。


これからはわたしも色んなことを相談しつつ、自分の考えを伝えていこうと思っています。




わたしがでしゃばって意見をするのは良いのか悪いのかわかりません。

でも、これからここで生活していくために、今はまだ他人であるわたしの意見を少しだけ聞いてもらえればと思いました。」





私がグループトークにメッセージを送ると、春也の父が返信しました。




「わかりました。

これからは二人の意見を聞きます。

こちらも意見を言いますし、二人の考えも聞かせて下さい。」




だけ。





(……それだけ?もっと言うことあるだろ。)







率直な感想でした。










そして、この日の日記にこう綴りました。




5月7日



今日、母さんに


「本当に2人でいたいなら、今住んでる土地から出て、新しい生活を始める覚悟をしなさい。」


って言われた。


「今の環境で2人が幸せになれるとは思えないよ。」


私もそういう判断ができればいいなぁって思うけど、きっと、春也は消防を辞めることはできないと思う。


決断を春也に求めたら、春也は別れる方を選ぶのかなぁ?って思ったら、言いたくない。


別れたくないけど、ここでずっと暮らすことに対して希望を持てない。



どうしたらいいんだろうね……。






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