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嫁入り前の悲劇  作者: 江戸一
2017年3月まで
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結婚したい




今思えば。



当時の感情で突っ走り、4年働いた職場を退職したことから、すれ違いが始まっていたのかもしれません。



2017年3月



私は、寿退社という名目で4年働いた地元の消防局を退職しました。


結婚する相手も伝えぬまま。

結婚について、結婚相手について、様々な質問をされました。




職業、年齢、なぜ寿退社なのか、引越先、、、




私はどんな質問をされても、彼の名前は勿論のこと、職業や次の生活拠点でさえ答えることができませんでした。



それは本当にもどかしく、退職までなんとなく居心地の悪い気がしました。

自分自身を薄情だと思い、後ろめたい感情が強かったのです。




それでも私は彼の希望に応じました。


彼と結婚したかったから。






私が結婚について全く語ることが出来なかった理由。


それは、結婚相手が同じ職場の後輩だったから。




彼の春也(ハルヤ)は、付き合っている当初から周りに知られるのを執拗に恐れていました。




私は数少ない女性消防士で、噂が知れ渡るのはすぐだし、揶揄われたくない。


デートも簡単にはできません。

周りをキョロキョロしたり、知り合いに会いそうにない場所を選んだり。

芸能人じゃあるまいし、と思ったりもしました。




そして彼は、私が男社会で生きていることに対し、あまり良い感情を抱いていませんでした。


この組織の中で結婚するということは、春也にとってとても困難だったのでしょうね。






春也の地元は隣の県にあります。

高速道路を利用し、1時間半程で到着。




春也は、2016年の秋に地元の消防本部の採用試験を受け、見事採用され、次年度の4月からそこで働くことを選びました。




それは、彼なりに私と結婚したいという気持ちの表れだったのでしょう。





彼から「今この環境では結婚を選ぶことはできない」と常々言われていたこともあり、私は退職し、新たに彼の地元で生活することを選びました。



彼と結婚したかったから。













でも、そんなに人生って簡単じゃないんですね。





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