街を探索【1】
三話連続更新ですのでお気をつけて
街はその様相を綺麗なままで保っていた。
惑星が海に沈められる際に、水は人だけを流していったので建物などは傷ついていないのは当たり前だったりする。
しかし海草などは沢山生えているので年月の経過は感じさせられる。
「何と言うか変な街だな、建物に統一性が全くない」
サフィの言う通り近代的な建物は全くないが、統一感も無く多種多様な建物が形を保っている。
栄えていたことは分かるのだが、ここまでバラバラなのは逆に面白くもある。
「面白い街。人の出入りが激しかったのか、それとも職人が変わった人が多かったのか、凄く興味が出てきた」
「取り敢えず何処から探索するかな」
そう言って街を眺めてみる
「あ、あそこなんか良いんじゃない?」
そこそこに広い街で一際高くそびえ立つ建物を指してルピは言う
「あー、確かにあれは目を引くよな」
見た目は図書館か学校のようで建物の天辺には鐘があるのだが、建物には窓が一切なく入れそうなところは全くない。
「あれはたしか歴史書で図書館とか言われてたかな?」
サフィはコロニーで呼んだ本からの情報を伝える。
「たしかあの建物は近づくと入口が勝手に開くんだ。本を持ち逃げしたり出来ないように窓が一切なくて、本に陽が当たって劣化するのも防ぐためにああ言う作りになったとか記録されてたと思う」
「へえ、じゃあ調べものには丁度いいよね」
「ただ一つ問題があって、図書館に入るにはパスとなるメダルが必須なんだ」
「メダル?」
「そう、そのメダルに込められている魔力を読み取って入口が開くから、そもそも魔力が切れてたら入口は開かない」
「千年経ってたら流石に魔力は切れてるよね」
「いや、それは大丈夫だと思う。この海には濃い魔力が溶け込んでいてそれを取り込んでいる筈だから」
「なるほど、じゃあ問題はメダルか」
「図書館を使用できる人は偉い人に限られていたみたいだから、偉そうな人の建物を探すしかないな」
「じゃあそれっぽい建物を探さないとって事ね」
「だな、適当に探すとしよう。それよりもこのまま宇宙船で行くと建物に入れないし、外を歩かないか?」
「それもそうね、宇宙船じゃあデカすぎて入れないし」
「じゃ、外に出るとするか」
そう言いサフィは外に出る為の準備を始める。と言っても外に出る為に準備していた魔法の鞄を背負うだけなのだが……
ちなみに宇宙船は町の門のすぐ手前に止めてある。
内と外に密閉式の扉があるエアロックに二人で入る。まず内側の扉を閉めて水が溜まるのを待ち、次に外側の扉をあけて出る。こうしないと気圧や水圧によって負担がかかり船が持たないからだ。
と言っても魔法で防御しているので問題は無かったりするのだが、万が一を期している。
そしてサフィとルピの装備は鞄のみ、つまり生身で外に出ているのだが特に問題はない。
それもそのはずで、サフィとルピが着けているピアスに、水の中でも呼吸が出来る魔法と念話が出来る魔法、水圧に対する防御壁などなど、色々な機能が組まれたピアスを装着しているからである。
海中に出てから少し泳ぎ周り改めて動作の確認をする。
ルピとサフィの服装はいつのまにか水着になっている。
サフィは黒色のサーフパンツのみで青い十字が所々に散りばめられている服装に疎いわりに結構お洒落な水着だ。そしてルピの水着は明る過ぎない赤色のワンピースタイプの水着を着ている。
ちなみに両方ともルピが選んだ水着だ。
いつ着替えたかの種明かしは腕輪に仕込まれている魔法の一つによるもので、着替えなどの心配が必要ないのでなにかと便利に使われている。
「海中での活動も問題は無いな」
「コロニーでも散々確認したもんね!問題があったらそれこそ命に関わるよ!」
「確かにな」
あははと笑うサフィ。ちなみに念話での会話である。
「それじゃ、宇宙船はここで待機にしてと。ルピ、転移の魔法が込められた指輪はしてるよな?」
「勿論!」
嬉しそうに右手の人差し指に嵌めた指輪を見せてくる。まだサフィと結婚してないので左手の薬指は空いている。
転移の指輪は文字通り宇宙船に転移できる指輪だ。
「じゃあ街の探索に出発!」
「おー!」
気合を入れて街へ乗り出す二人であった。
休みが取れたので三話に別けての連続更新です
もっと書きたいorz
でもまぁ、ゆっくり書いていこうと思います
設定しか考えてないし行き当たりばったりだからね
海中の絵が描けたら良いんだけど画力がないから書けないでござる!
ここまで読んで下さりありがとうございます。