第9話
ゴブリンを倒して、草原の奥に進んでからしばらく経つと遠くのほうに洞窟が見えた。洞窟のまえには先ほど倒したゴブリンと同じぐらいの大きさのゴブリンが4匹いた。4匹とも腰にみすぼらしい布と錆びた剣、錆びた六角棒を持っていた。
どう見ても、ゴブリンの巣だとわかった。
洞窟の前にいるゴブリン4匹は僕でも余裕で倒せそうだが、洞窟の中には少なくとも100匹以上のゴブリンがいる。ゴブリンの巣には必ずキングゴブリンがいるので、100匹以上のゴブリンとキングゴブリンを倒すの今の僕には無理だ。
だが、ものすごく洞窟の中を見たい。キングゴブリンを見てみたい。
洞窟の前にいるゴブリンを一瞬で倒せば洞窟の中に侵入できる。思ったことはすぐにやるタイプなのですぐに行動にでた。
さっきと同じ作戦で気配を消しながらゴブリンに近づき落とし穴を錬成し、槍で仕留めた。
ふぅ~意外と簡単に倒せたな。やっぱゴブリンって不意打ちとかに弱いのか?
落とし穴で死んでいるゴブリンの上に錬成して、土をかぶせて洞窟の中に向かった。
気配と音を消しながら慎重に洞窟の奥に進んでいくと大きな広場の前に着いた。広場には草でできたテントの様なものがたくさんあった。見たところゴブリンは150~200匹ほどいる。
これは間違いなく今の僕には倒せない。
なので、キングゴブリンを見たらはやく逃げよう。
目を凝らして奥のほうを見ると大きなテントの中からほかのゴブリンよりもひとまわり大きいゴブリンがでてきた。あれは間違いなくキングゴブリンだ。
ほかのゴブリンとは装備も錆びた剣ではなく、少し古そうだがクマでも一撃で倒せそうな大剣を持っている。
あれがキングゴブリンか。一対一でも勝てるかわからないほどの強さを感じる。
よし、決めた。あいつは僕が倒そう。今よりも強くなってまたここに来よう。
そう決めて、僕は洞窟から出て行った。




