温泉宿と鉄砲玉(200文字小説) 作者: 高千穂 絵麻 掲載日:2025/05/01 抗争相手の組長を仕留めてきた。 放心した俺はいつのまにか実家へたどり着く。 実家はしがない温泉宿。客商売が肌に合わず家を飛び出して今じゃ組の鉄砲玉よ。 「何しに帰ってきた」 「別に」 久しぶりに会った実の親子でもこんなもの。 「足湯にでも入ってくか? モンモンがあっちゃあ湯船には浸かれねぇからよ。だが今じゃねえ、何年後かのクリスマスの後によ」 出頭したら執行猶予なしの懲役刑。 「そうだな……ケーキの後に足を洗うか」