再起動(前編) Neustart
ザイス公国首都バルン市(バルン州内)
ブロテン連合国大使館内
公国歴980年4月21日
午後19時55分頃
秘書のシュコットシュに案内された3人は大使館の地下室から階段で登り始めた。壁には窓が一つもなく、リッヘとマウンバットンはまだ地下にいるとすぐにわかった。
「マッシュミ、最下層にいたのね・・」
「そうみたいだね、リベ」
2階分を上がったところ、秘書が3人を大きな研究室へ案内した。
その鋼鉄の扉の前に見覚えのある人物が立っていた。
「ジェイミー一号なのか?」
フラミンゲーはつぶやいた。
「バックアップされた最新版のジェイミー二号です、前の機体の記憶を引き継いでいます」
「そうか・・・またよろしく頼む」
「はい、フラミンゲー様」
「あの・・・お三方に見せたいものがあります」
咳払いをしながら秘書のシュコットシュが3人に声をかけた。
芝居かかった動きをしながら、研究室の扉を開くボタンを押した。
白く照らされたその研究室に壁際に複数の大きな最新版の解析機関が並んでいた。そして真ん中にベッドがあった。
数名の科学者たちが解析機関を動かし、医師と思われる一人がベッドの横に設置されたコンソールを動かしていた。
3人はあの部屋の異常な雰囲気に圧倒されたため、すぐに気づくことができなかったが、ジェイミー一号と同じ顔の自立型土人形複数体に囲まれてた。
「え?!」
リベッシュは思わず声を上げた。
「どういことですか?」
マッシュミリエンは秘書とフラミンゲーの顔を交互に見ながら説明を求めた。
フラミンゲーはリッヘ同様、すごく驚いていた、確かに様々な計画が表面化に動いているのは知っていたが、まさか最新型の解析機関と複数の自立型土人形製造は知らなかった。
「私も知らない・・・」
フラミンゲーはつぶやいた。
「秘密計画ですから・・・知らないのは当然かと・・・」
秘書のシュコットシュは意地悪そうな笑顔で言い放った。
「一体・・・わが連合国は何をやっている?!ッ」
どや顔している秘書を見て、フラミンゲーは質問をした後、怒りを沸くのは感じていた。
「シャリシル卿は帝国を完全に滅ぼすため、様々な計画を同時進行に動かしている・・・君たちにはその成果を見せてよいとの許可をいただいた」
「成果だと?」
リッヘとフラミンゲーは同時に話した。
シャリシル卿、あの男の考えそうなこととフラミンゲーは思った。
あの男は武器商人の戦争屋の末裔で国民に絶大な人気を持っている、葉巻愛好家で庶民目線でものを話す貴族として知られている。強欲なチェインバライン首相よりもずっと危険な男。
「まずは魔法科学で作られた一つの人工意識で同時に動く複数体の自立型土人形・・・集合体計画」
「集合体計画だと?!」
フラミンゲーは怒りを取り越して呆れていた。
それを知ってか知らず知らずのうちにか、秘書がペラペラと話し出した。
「それからこの最新型の解析機関・・・データを分析し、帝国の動きを予測し、対策を練って、攻撃をする」
リベッシュ・マウンバットンの顔が恐怖で引きずった。
「そして最後の魂計画・・・とある人物の|脳波の模様を|魔法科学で作った感知装置で正確に模倣し、人工脳へ転送し、蘇らせる・・・わがブロテン|連合王国《 ユニオン・ キングダム》の超人の誕生だ!!ッ」
「狂っている・・・狂ってやがる・・・正気の沙汰じゃない・・・」
リッヘがつぶやいた。
「喚く前にどうぞ・・・これから再び生を受けて目覚める超人の顔を拝むがいい・・・どうせ、君たちが帝国は滅亡するまで、ここから出られないのだからな」
3人は狂気じみった笑い声を上げたシュコットシュから目を逸らし、ベッドで寝かされている者を見た。3人はよく知っている人物・・・カンピオン・ボンドールだった。
「ボンドール君を再起動しろ!!ッ」
シュコットシュは笑いながらベッド横にコンソールを動かしていた医師に命令した。




