接触 Kontakt
初接触
アーモニア帝国、帝都・ベーラン
タンペルホーフェ=シェーネバルク区内
ベーラン市警本部前
新皇帝歴1年4月21日
午後16時55分頃
マッシュミリエンは午後一番に今回の事件に関する資料、全部、帝国秘密国家警察のラインヘルスト・ヘイドリヘ大佐に魔法電報で送った。
魔法義眼の存在及びそこに隠されていた事実以外、すべて報告し、送った。事件は魔力放送で大きく報道され、犯人は既に発表されていた。
帝都では反獣人のデモが午後15時頃に開催され、獣人に対する暴力事件がいくつか報告されていた。
警察官と帝都の騎士団が治安維持のため、駆り出されたが、リッヘとシュミーツはワーゲナー署長の指示により、休暇になった。
マッシュミリエンは普通に夕方17時頃、市警本部を出て、建物の前の公園でリベッシュで合流した。
「遅れてごめん・・・引継ぎでちょっと時間かかったわ。」
「問題ない。何処か行きたい場所がある?」
「そうだね・・・竜の巣亭に行きたいかな。」
竜の巣亭は帝都で人気のある料理屋の一つで、
予約が必須のお店でした。
「予約取ってないけど・・・」
「ちょっと知人に頼んでみたの・・・18時に席を取れたわ。」
「そうか・・・近距離魔法で行くか?」
「時間があるので馬車で行きましょう。」
「最近の魔法自動車に乗ってみる?」
「それいいね・・・行きましょう。」
知らない人が見たら、恋人同士が楽しそうに話しているように思えるのだが、彼らは必死だった。
大通りを通っていた魔法自動車をマッシュミリエンが止めた。
この手の新しい乗り物は今までの馬車のよう外見をしていたが、馬の代わりに出っ張った鉄の鼻を取り付けられていた。その鉄の鼻の中に魔法原動機が設置されていた。
「どちらへ?」
操縦していた黒い制服を着た御者がドアを開けながら聞いてきた。
「竜の巣亭までお願いします。」
マッシュミリエンは陽気そうな笑顔を装い、依頼した。
その後、二人は魔法自動車の中に入ったものの、すぐに違和感を覚えた。
「誰だ?!!」
マッシュミリエンは杖を出しながら、向かいの席に仕向けた。
「落ち着いて、マッシュミ・・・知り合いなの・・・」
リベッシュは彼を落ち着かせた。
「わかった・・・」
マッシュミリエンは杖をしまった。
連合国式の高級スーツを着た若い男性が座ってた。
「マッシュミリエン・リッヘ準男爵殿、初めまして、私はブロテン連合国大使館の第一書記官、エイアン・フラミンゲーと申します。」
「ああ・・・どうも・・・」
「ご安心ください、義眼がマウンバットン嬢の魔力に反応した時、こちらでも感知できた。すべてはアット・ヴァン・ヘイデンバルグ侯爵閣下が用意したものです。」
「どういこと?」
「先ほどマウンバットン嬢に説明しましたが、その影響で時間がかかってしまい、あなたを外で待たせるはめになった・・・申し訳ございません。」
「説明をした?」
「どうやって?」
「義眼は送受信機の役割を果たすこともできる。ヘイデンバルグ侯爵閣下はそう手配をしたのです。」
「なるほど・・・説明してほしいものですね。」
「黙っててごめん、マッシュミ・・・私も驚いたわ・・・」
「大丈夫だ・・・気にしないでリベ・・・」
「申し訳ございませんが、料理屋で個室を用意しました。そこで説明します・・・但し、こちらで用意した料理屋へ行きます。」
「竜の巣には行かないのか?」
「誠に残念ですが、行かないというか行けない・・・既に敵が先回りしているので・・・」
「敵?」
「大変言い難いのですが・・・あなた方二人はずっと監視されていている上、尾行もされている・・・」
「それは聞いてないわ・・・フラミンゲーさん。」
「マウンバットン嬢、言葉足らずで申し訳ございませんが・・・まずは尾行をまくか否かにかかっている・・・このまま大使館へも行けないのでね。」
「誰か俺たちを尾行しているのか?」
「帝国親衛隊の暗殺者です。」
「帝国親衛隊の暗殺者?」
「はい・・・それも最悪の男です・・」
「誰なの?」
「赤い男爵なのです・・・」
赤い男爵という通称名を聞いただけでマッシュミリエンとリベッシュは悲鳴を上げたくなった。
巻き込まれていく運命。




