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イサイアスに捧ぐ  作者: 万事塞 翁
第四章
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おまけ⑦

七が携帯を買った翌日。

学校の一限と二限の合間の休憩時間だった。特に移動教室でもなかったので教室で友達と話していると、

ガタン

と大きな音が鳴った。

何事かと振り返ると、窓際の席の七が立ち上がっていて、椅子が大きく動いた音のようだった。一瞬その音でクラスが静かになったが、すぐにまた何事もなかったように話し出す。

そんなに慌てて立ち上がってどうしたのか。

だけど教室の中で話しかけられるのは嫌がるから俺も特に声をかけずに雑談を続行していると、


「り、臨…。」


と後ろから七から声をかけてきた。

教室で七が声をかけてくるなんて珍しい。話しを中断して、


「どうした?」

「ちょっと…、」


と話を濁して、制服の端を引っ張られた。ここで話せない話なのか、付いていくと廊下の人気のないところまで連れてこられた。


「どうしたの?」

「こ、これが…、」


七が青い顔で渡してきたのは昨日買った携帯で、画面を見ると

【ウイルスが検出されました。時間内に下記のセキュリティアプリをインストールしなければSIMカードが破損し、個人データが流出する恐れがあります。】

という文面の下にカウントダウンがされていて、残り時間が一分ちょっとだった。

こってこての詐欺だった。


「ど、どうしよう⁉︎これどうしたらいい⁉︎」


まさか本気にしているのか必死にしているのが面白くて、吹き出してしまった。


「な、なんで笑うの⁉︎」


本気で言ってるのか…。

とにかく時間制限に慌てている七がツボに入ってしまい、


「…ちょっと、待って…。」


蹲るほど笑いすぎて、危うく呼吸困難になるところだった。


「…はあ、面白かった。」

「笑ってないでなんとかしてよ!」


そろそろ怒り出しそうなので、取り敢えず警告の出ているタブごと消してあげた。


「これで大丈夫だよ。」

「本当に?お金請求されたりしないやつ?」

「大丈夫だって。っていうか、変なページ飛んだりするからだよ。」

「だって、ここをクリックって書いてあったから…。」


…笑い事じゃなくて本当にネットリテラシーとかから教えてあげないといけないかもしれない。それか子供携帯にするか。


「とりあえずまた後で教えてあげるから、今日はネット開くのやめておきなよ。」

「アプリは開いても大丈夫?」

「何したいの?」

「尊が今どこにいるのか見たいんだけれど…、」


七のスマホの位置情報アプリを開くと、今朝出発した尊は既に東京に付いていた。


「おお、凄い…。」

「楽しんでるといいね。」

「うん、メールしとこ。」


一応横で見ていたが、文字を打つのも遅すぎて待っている間にチャイムが鳴ってしまった。なんとか走って授業には間に合ったが。授業中、ポコンという通知音が教室内に響き渡った。


「おい誰だー。ちゃんと電源切っとけよー。」


と先生がみんなに向けて言っていたが、視界の端であわあわしている七が見えた。

マナーモードも知らないのかまさか…。


俺は机の下で、スマホの検索ワードに【キッズ携帯】と入力した。



間に合わなかったので一旦おまけでお茶を濁させてください。

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