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イサイアスに捧ぐ  作者: 万事塞 翁
第二章
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第九話


春ちゃんを拐って監禁しているであろうビルの扉は、氏神様が大胆にも勢いよく開けようとしたビルの扉は、鍵がかかっていた…。


「いや、わかっておったんじゃぞ?ワシはお前達にドアの鍵がかかっていると身を持って教えてやったんじゃ。おい、聞いておるのか?」


氏神様は一人弁明していたが、それよりも扉が開かないと春ちゃんを助けに行けない。


「どうす」


る、と言いきるより先に、灰が脚を上げる方が早かった。ドンと大きな音がして、灰が蹴り上げたドアは蝶番が外れて、真っ直ぐそのままビルの中に倒れていった。

その様子を見ていた氏神様は、うむ。と頷き。


「良くやった。ワシの計画通りじゃ。」

「…。」

「…。」


俺も灰も突っ込めなかった。


「中には誰もいねぇな。」


ビルの中は閑散としており、人の出入りを感じさせない埃や塵が床を覆っていた。これほどまで大胆に扉を開けて(壊して)も、誰も出て来ない。


「本当にこの中か?」

「ああ、妹は三階じゃ。」

「まあ、十中八九罠だろうな…。」


灰の言い通りだろう。ここで大軍を引き連れて迎え撃つより、奥まで引き込んでから囲んだ方が捉えやすい。


「案ずるな。ワシがいる。早く行くぞ。」


例え罠だとしても、今更引くことはできない。氏神様の言う通りに階段を上っていく。灰が先頭で、俺が後方を確認するが、やはり一向に誰かが出てくる気配はしない。

あっという間に三階に着くと、幾つかある扉のうちの一つに、氏神様がいきなり入っていった。


「おい!」


全てが見えていると言う氏神様にはその必要がないのだろうが、確認くらいはしてほしい。心臓に悪すぎる。追いかけると、


「春ちゃん…!」


部屋の奥で、春ちゃんが床に倒れていた。慌てて駆け寄る。


「大丈夫、眠っておるだけじゃ。」


俺より先に部屋に入っていた氏神様が、春ちゃんの身体を抱き起こした。春ちゃんの身体を見るが、外傷はなさそうだった。


「よかった…。」

「安心するのは早いみたいだぜ。」


言ったのは、俺の後ろから部屋に入ってきた灰だった。その顔はいつも通り笑っているが、額には汗が浮かんでいた。


「囲まれた。」


気配は感じなかった。けれど、部屋の入口には何人もの男達が立っていた。屈強な身体付きで、顔や見える場所に大きな傷跡があったり、刺青が腕に満遍なく入っていたり、見るからに堅気ではない男達だ。やはり、罠だった。

灰がその男たちに向かって、


「萬場組が、こんなところで何してんだ。」


こいつらが、萬場組…。


「お前達こそ、萬場組のシマで何してんだ。」

「勝手に入っていいと思ってんのか?」

「不法侵入でお巡りさん呼ばないとな。」


俺たちを威圧するように、男達は笑い始める。灰は俺たちの盾のように扉の前に立って、


「呼んでみろ、このロリコン誘拐犯共がよ。」

「ああん?」

「状況わかってんのか。織衛組の鉄砲玉が。」

「手前らこそ、萬場組の下っ端が大層な仕事任されて舞い上がってんじゃねぇよ。」


一触即発。今にも、殴り合いーいや、殺し合いでも始まりそうだった。

七と春ちゃんをここから逃す算段を考えるが、窓から飛び降りるわけにもいかないし、正面突破は難しい。本当に警察を呼んだ方が良いかとスマホを取り出そうとし、


「ならん。」


と、七がー氏神様が春ちゃんを抱えたまま、立ち上がった。


「言ったであろう。必ず全員守ると。」


言いながら、灰と萬場組の間に立つ。


「おい、下がってろ。」


灰に止められるが、


「お前こそ、下がっておれ。何も心配せんで良い。」


氏神様は萬場組に向き直る。


「引け。お前らでは万に一つもワシを捕らえる事はできん。」

「…アンタが、神様だって?」


真白い頭をした七を疑い半分と言った様子で萬場組が見る。


「そうじゃ。ワシの氏子達よ。お前達のことも、全てワシには分かっておる。」

「…頭のおかしい女にしか見えないけどな。」


氏神様の正面に立つ男は、七の身体にメンチを切るように顔を近づける。けれど、氏神様はそれに動じない。


「そんな厳ついナリをしておっても、お前達がワシに信仰心を持っていることは伝わっておる。」

「は、はあ?」

「お前が、毎年正月にワシのところに一年の無事を祈りに来ているのも知っていると、そう言っておるのじゃ。」

「な、何言ってんだ!」


図星だったのかはともかく。正面の男は七の身体に手を伸ばし、


「引けと、二度も言わせるな。」


瞬間、血の気が引いた。

俺だけでなく、灰も、萬場組も、この場にいる全員が、膝を尽かされた。神様に許しを乞うように、忠誠心でも誓うように、勝手に手が床について、頭を下げさせられた。さっき七に気圧された時に氏神様よりその圧を感じたと思ったが、とんでもない。息もできないような、肺を圧迫するような、瞬きさえ許されないような。そんな重圧に身体を雁字搦めにされたみたいだった。


「わかれば良い。」


氏神様は穏やかにもそう言うと、萬場組の合間を抜けようとして。そして俺たちに気づき、


「おい、お前達には言っておらん。早く行くぞ、時間がない。」


言われて、重い重力のような圧力が消えた。それは灰も同じなようで、身体を起こす。


「すっげー…。これが神様かよ…。」


冷や汗が顎から滴り落ちていた。俺も背中にじっとりと汗が流れるのを感じる。萬場組の奴らはまだじっと頭を下げていて、全員生きているのか心配になるほど真っ青で血の気が引いていた。


「今のうちにタコ殴りにしといた方が良いんじゃね?」


灰がその下げられた頭を指差すが、


「たわけ。何度も言わせるな。ワシの信者に、傷一つ付けさせぬ。」


氏神様からすれば、コイツらも信者ー氏子の対象のなのか…。例えそれが春ちゃんを誘拐した奴らでも等しく守るべき対象で。こんな奴らにも慈悲など納得できない気持ちの方があったが、今は氏神様についていくしかない。

氏神様の後をついていくと、


「す、素晴らしい!」


と、さらに一人の男が階段を上がってきた。拍手をしながら、讃えるように、崇めるように。


「次から次へと…。」


灰が舌打ちで返すが、俺はそのスーツをきた男に見覚えがあった。


「分家の…。」


名前も知らないような、本家とは殆ど関わりのない遠縁の分家だ。けれど親族会で数回見た事はある。


「本当に、神様が御降臨なさった!本当に…!」


七の身体ー氏神様を見て、恍惚とした表情を浮かべている。


「手荒な真似をしたことを陳謝致します。あなたに会いたくて強引な手段を取ってしまいました。」


階段の一番上まで来て、優雅な動きで深く頭を下げる。氏神様は俺たちと違って動じず、その男の前に立ち、


「敬虔な信者よ。お前にお告げを授けてやる。今すぐここから立ち去れ、さすれば命だけは助けてやろう。」


その言葉に、男は膝から崩れ落ちた。ガクガクと身体を震わせ、まるで先程の俺たちの様だと思った。


「正面に言うと、今回は神様を確認するだけで良かったんです。だけど、」


しかし静かにそう言うと、


「やはり、私のものにしたくなりました。」


立ち上がり懐から刃物を取り出した。男は氏神様に圧倒された訳ではなく、気持ち悪い事に悦んでいるだけだった。その証拠に、先ほどよりも顔を紅潮とさせ、身体を今なお震わせている。これが信仰心というのだから、本当に気持ち悪い。


「…たわけが。」

「出来れば大人しくご同行いただきたい。」

「それは出来ぬ相談じゃな。」


男が刃物を七の身体に向け、氏神様は春ちゃんを抱えたまま臨戦態勢を取り、


「やっと来たか。」


灰が言った。灰は窓の外を見ていて、見ると外には黒塗りの車が何台もビルを囲み始めていた。


「諦めな。お前達の負けだ。」


その言葉に舌打ちをしたのは、何故か氏神様だった。


「灰、勝手に応援なんぞを呼びおって。」

「おいおい、なんでそれで俺が怒られるんだよ。」

「たわけが。ワシの信者達に血を流させるつもりか。」

「…博愛主義なこって。そういうの欺瞞って言うんだぜ。」


言っても分かり合えないと思ったのか、氏神様は灰に一度ため息をついてから、男に向き直った。


「そういうわけじゃ、血を見る前に降伏しろ。」

「どうせこんな大それたことをした時点で、命などとうに捨てたつもりです。」


男に迷いはなかった。瞳孔の開いた目で刃物を氏神様に向け、


「どうせなら、神殺しの大罪を犯し、共に死なせてください。」

「大馬鹿者めが。血を見る前にワシが直々に手を下してやるわ。」


幾ら格闘技を身につけているとは言え、春ちゃんを抱えた状態ではハンデがあり過ぎる。そう思っていたが、灰が間に入る隙もなく。

刃物を向け近付いた分家の男を、七の身体は大きく脚をあげ、一撃目は持っていた刃物を。二撃目は男の顎を狙い、瞬殺した。


「おお…。」


思わず感嘆としてしまう。男はそのまま顎に喰らった脚を追いかける様に、床に倒れ伏した。


「見惚れる場合か。早く、」


氏神様が言いかけて、けれど目の前の氏神様は、ぐらりと頭を揺らしてその場で大きくふらついた。倒れる、と思い後ろから支えに行くと、


「臨、」


と俺に寄りかかって、


「ワシが心配しているのは、織衛組の連中ではない…。」


その声は今にも消えそうな程小さかったが、確かにそう言った。


「臨、この爆弾を止めてくれよ。」

「え…、」


俺に春ちゃんを押し付けるように渡すと、七の身体がガクンと崩れ落ちた。春ちゃんを抱える俺は七を支えることができず、七はそのまま前向きに床に倒れ込んだ。それから、七の髪が黒く戻っていく。


「おい⁉︎」


灰が助けに行こうと近づくより、それよりも早く同じく床に伏していた分家の男が七の身体に近づいた。意識のなくなった七の身体を自らの身体と一緒に強引に起き上がらせる。脇下から腕を入れ、七を自分の前に盾のように立たせると、拾った刃物を七の首筋に当てた。


「手前ぇ、」


灰も俺も、そうされれば何もできなかった。春ちゃんは助けられたが、今後は七を人質にされてしまった。


「できれば、氏神様の器は傷つけたくはありません。」


男はそのままゆっくりと下がり始める。このまま逃げるつもりだ。例え織衛組が外で囲っていても、七をこの状態で人質にされれば、何もできない。灰が隙を窺うように構えてはいるが、七の首筋にぴったりと当てられてた刃物が、それを許さない。


「さあ、いつまで頭を下げている場合ですか。」


男は俺たちより後の、未だに頭を下げて控えていた萬場組に声をかけた。その声に、いや七の身体から神様がいなくなったから、萬場組はその拘束から解かれたんだ。男達はゆっくりと起き上がり、俺たちの後を囲む。


「くそ…。」


氏神様が作ってくれた状況が一変してしまった。外の織衛組が乗り込んでくれば、氏神様が懸念していた通り、ここは萬場組と織衛組の抗争で血の海になってしまうだろう。

…そう言えば、氏神様が言っていたのはどう言う意味だろうか。織衛組の突入より心配していることって。

答えを出す前に、


「…んん、」


氏神様と入れ代わる様に、七が目を覚ました。黒髪の状態で、この七は間違いなく七だ。


「七!」

「…り、臨?」


分家の男に支えられたまま、ゆっくりと意識を覚醒しだし、


「は、春…!」


俺の腕の中の春ちゃんに気づいた。


「春!」


春ちゃんに駆け寄ろうとして、


「おっと。」


と男が刃物を頬にずらす。七にも見えるように刃物をチラつかせ、


「動かないでください。」

「…!」


何が起きたのかわかっていないであろう七は、いきなり視界に現れた刃物に。驚いたわけではなく、間違いなく睨みつけた。殺気立っているのが見てわかる。

七のことだから強引にも春ちゃんの安否を確認しかねないと、


「七、落ち着け。春ちゃんは無事だ。」

「よかった…。」


それを聞いて、安心した声を出す。自分がこんな状況だと言うのに、妹想い過ぎだ。

そんな妹想いの七は、俺たちの後で構える男達と、それから自分の後の男を横目で一瞥してから、


「…ねえ、臨。こいつらが、春をさらった奴なの?」

「ああ…、そうだけれど、」


そんな確認をしている場合じゃない。今まさに七が連れ拐われようとしていると、そう言おうとして。

そうだ、この場で一番怒っているのは間違いなく七だ。怒れば何を仕出かすかわからない、小柄な体躯の中にいる猛獣の様な、ランチャーの様な、()()の様な…。


「そう。じゃあ、」


七は徐に自分のシャツの裾を捲った。


「な、何してんだ⁉︎」


シャツの下の臍とデニムの間に、何かが挟んであった。

七は片手でそれを引き抜き、けれど俺には()()が何か理解が遅れた。

実物を見たことなんかなかったから。

だけど灰や萬場組の奴らは、それが何か、見覚えがあったのか、使ったことがあるのか、はたまた()()()()事でもあるのか。即座に理解したように、全員が一斉に伏せた。頭を庇うように。

灰は律儀にも俺のことも、抱えていた春ちゃんごと庇うように、床に伏せた。


「ぶっ殺す。」


七はそれを、黒い金属物を後にいる男の前ももに押し付け、その引き金をー()()の引き金を引いた。


パンッ


と、聞いたことのない破裂音のような音がして。

男の前ももが、いや太ももの前後から血が爆ぜた。


断末魔のような悲鳴をあげ、七を気にする間も無く男は床に転がり込んだ。血が流れ続ける太ももを持って蹲る。男が転がった床には血溜まりが面積を広げ続けていた。


「痛あい!」


七の方も撃った衝撃にやられたのか、腕を押さえていた。その衝撃で離れたのか、銃をもう握っていない。


「や、やりやがった…。」


声を上げたのは、萬場組の男だった。けれど動き始めたのは灰の方が先で、床に落ちていた拳銃を拾い、腕を抱えて蹲る七を小脇に抱えて回収した。


「おい、臨!逃げるぞ!」


急に言われても。灰にいきなり伏せさせられ、春ちゃんを抱えたまま完全にバランスを崩した俺は完全に出遅れたが、それでももう萬場組の奴らは俺を抑える事はしなかった。

灰が脅しをかけるように拳銃を向けていることもあるかもしれないが。それよりも七の銃発で完全に戦意を喪失したようにも見えた。

その間に未だに床に転がる男の横を通り過ぎ、灰についていく。


階段を降りていくと正面から、ビルの壊した扉から見知った顔が現れた。柄物の着物にハットを被った姿が、その堅気でない雰囲気をより際立たせているー隼おじ様だ。


「くぉら!灰!このクソ餓鬼が!巫女様誘拐するなんて何を考えとるんじゃ!この阿保ンダら!」


めちゃくちゃに怒っていた。隼おじ様の後ろには、萬場組の奴らと同様の、いやそれ以上の屈強な男を何人も引き連れている。


「俺が呼んどいた。巫女様誘拐したからすぐ来いってな。」

「なぁにが俺が呼んどいただ!また事務所ぶっ壊しやがって!」


そこで準おじ様は灰の手元を見て、


「あ、お前!それ会長の…!まさかさっきの発砲音か…!」

「あ、やっぱこれ会長の奴?」


灰が持っていた拳銃を改めて見る。


「何を考えとんだ!そんなもの持ち出すやつがあるか!」

「いや、これは俺じゃなくて巫女様が…。」


そこで、脇に抱えられていた七をみる。灰の視線に連れられ、灰を睨みつけていた隼おじ様の視線がそのままジロリと七を捕らえた。どう見ても堅気でない隼おじ様に見られ、


「…この人が、上で撃ってました。」


全力で目を逸らしながら、灰を指さした。


「手前ぇ!」

「お前が使ったのか⁉︎この馬鹿野郎が!どうやって始末つけるんだ!」


そうだ、早くしないと撃たれた分家の男が死んでしまう。


「あの、犯人が撃たれたままで…。」

「おお、臨。わかった。すぐにどうにかしよう。」


その「どうにかする」は、どういう意味の「どうにかする」だろうか…。隼おじ様はすぐに後の男達に上の階に行くよう指示を出して、おそらく織衛組の男達は階段の上に消えていった。


「ふざけんな、俺に罪を擦りやがって!そういうのは全部お前の指示って話だったろうが!」


灰は脇に抱えたままの七の頭を掴んで振り回しているが、


「な、何のことやら…。」

「てめぇ、沈めるぞこら。」


頬を握り潰す勢いで掴んでメンチを切り出す灰に、


「お前はぁ!巫女様に暴力を振るう奴がおるか!」


と隼おじ様に殴られていた。

そして騒ぎに起こされたのか、


「あれ、臨お兄ちゃん…?」


腕の中の春ちゃんが、目を覚ました。


「春!」

「あれ、お姉ちゃんもいる?」


七は灰から逃れ、


「大丈夫⁉︎怖かったね。」


春ちゃんを抱きしめる。けれど、春ちゃんは首を傾げ、


「あれ?春何してたんだっけ?」

「お、覚えてない?」

「ううんとね、お婆ちゃんのお庭で遊んでで…。あれ、寝ちゃったのかな?」


春、赤ちゃんみたいだね。と自分で照れて笑っている。


「拐う時に何か嗅がされてたから、そのままずっと寝てたんだろ。」


こそりと灰が言った。七はそれを聞いて、


「そ…、そうだよ!春、寝ちゃってたんだよ。」

「そっかぁ。」


そう笑う春ちゃんに、七も俺も安堵した。誘拐されてどんなに怖い思いをしていたかと思っていたが、外傷もないみたいだし、春ちゃんのトラウマが増えていなくて良かった。七はもう一度春ちゃんを強く抱きしめた。


「もう、お家帰ろうね。」

「うん!あれ、そういえばここどこ?」

「…さあ、お姉ちゃんもわかんない。」


七は春ちゃんから離れて、春ちゃんに耳打ちするように、


「お姉ちゃんも実はさっきまで寝てたんだ。」

「えー、お姉ちゃんも寝てたの?」

「お姉ちゃんも赤ちゃんみたいだね。」


春ちゃんと七がそうやって笑う姿に、俺も灰も釣られて笑う。

七には結局巫女の力のことを話してしまって、その力を頼ることになってしまったが。これからも、七の身が危険に晒される事には違いないが。それでも春ちゃんも七も無事に帰ってきて、とりあえずはそれだけで十分だった。

こうして、春ちゃんの誘拐事件はひとまず解決となった。



氏子を全員守ると言っていた氏神様の事だけが、気がかりだったけれど。


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