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第七十五章 燃え尽きるその前に(前編)

レジスタンスのアジトへ着いた真音は、その入り口にいたレジスタンスの兵士達を倒し内部へ入る事に成功した。

内部への侵入に成功したとは言え、中はかなり広い。どこへ行けばいいのかわからないが、とにかく上を目指す。











「階段?」


『そう階段よ』


その手段はユキによって決められてしまった。


「エレベーターでいいだろ。見ろよ、36階もあるんだぜ?さすがにバテるよ」


『甘ったれないの!エレベーターなんか使ったら逃げ場を失うじゃない。それに監視カメラがついてるはずだし、もし途中で止められたらどーすんのよ!』


「そりゃまあそうだけど……」


ユキの言い分に間違いはない。地道に進むしかないのだ。


「わかったよ、言う通りにするよ」










そんなやり取りがあって階段を上っているのだが、一気に最上階までは繋がっていない。四階くらいまで行くと、次は別の場所に階段があり、また四階ほど行くと別の場所に階段が存在している。

現在は16階。次の階段を探す為ロビーに出る。そこには真音を待っていたのか、李がいた。


「李奨劉!」


「待ってたぞ、真音」


黒い手甲を装備して戦う準備は整っているようだ。


「李………やっぱり戦うしかないのか?」


李の身体の状態は知っている。戦うどころか、今すぐにでも入院が必要なほどだ。真音はあの時のガーネイアの言葉が忘れられない。


−リーを助けてほしい−


本当に………戦うしか道はないのだろうか?


「くどい!今更何を!」


「だって!俺達は自分の意志で戦いを始めたわけじゃにいだろ?レジスタンスの言いなりになる必要なんてないよ!俺達が助けてやるから!」


「真音…………………」


李は唇を噛んだ。それは少なからず悩んでいる証。真音は手を差し延べている。後は李がその手を掴むだけ…………なのだが。


「みんなでマスターブレーンを破壊して元の生活を取り戻すんだ!」


「お前は幸せなんだな。羨ましいよ」


「李?」


「元の生活がみんな幸せだと思ったら間違いだ。お前は元の生活が一番なのかもしれないが、俺は違う。元の生活に戻るくらいなら、戦い続ける道を選ぶ!」


途端、李が殴り掛かって来た。


「うわっ!危ないじゃないか!」


なんとか運で回避したが、汗はどっと噴き出た。


「来い真音!俺とお前は戦う事でしかわかり合えない!」


「李……………」


戦う事をやめられない理由があるのだろうか?あまりに頑ななその信念。無視するわけにはいかないようだ。


『真音、もう何を言っても無駄よ。彼の意志は変わらないわ』


「ユキ………」


『お願い、戦って。勝たないと先はないんだから』


いつからか、ユキは選定の儀にこだわらなくなっていた。あんなに真音を神にするんだと言っていたのに。ならば李だって変わるのではないかと…………信じてみたい。だがそれには時間が無さ過ぎる。


「どうした真音!お前に戦う意志がなくても、俺はお前を倒すぞ!」


覚悟を決めて弓を握る。


「恨みっこ無しだからな」


そう言って真音が弦を引き、光の矢を現す。


「恨むものか。望んだ道だ」


李は軽く笑う。

人生は悲劇と喜劇しかない。しかもバランスよくなどというわけではないだろう。半分以上は悲劇で構成される。人はバランスのとれた人生では生きては行けない生き物。

悲劇に泣き、一瞬の喜劇を求めて生きるのだ。

李は固く拳を握る。例え肉体がもたなくても、負けて終わるつもりはない。

あまりに悲しい少年の決意。その決意はほころんでいる。

 ガーネイアはディボルトした李の意識の中で、悲劇からはい上がれない少年を想い涙を流した。


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