#7 姿無き来訪者
ー未来と出会った日の夜ー
バカデカイ海咲の家の自分の部屋で武器の手入れをしていた澪の部屋にノックが掛かる。
「入ってどうぞー」
「失礼するぞ。サーヴァント」
「誰がゼロの使い魔じゃごら」
「誰もウルトラ○ンゼロの使い魔なんて言ってねぇ!」
となんか危ない会話を短く交わした後、海咲の表情が強張る。
「あの…未来の事なんだが…」
「ん?」
何時もとは声色の違う海咲の声に作業の手を止める。
「未来がどうした?」
「私の父上と母上は日本魔術協会の幹部なんだが、この前『能力者に改造された魔術士が居るから、始末を頼む』と言う会話を聞いてしまった…もしかしてその改造された魔術士は…」
「未来…だろうな」
庭に咲く桜を見ながら答える。月に照らされた夜桜は、幻想的な美しさを放っていた。
ふと、ある少女が浮かんだが、直ぐに振り払う。
「私達魔術士の話だと思う…だから、サーヴァント。お前は首を突っ込むな」
そう言って部屋を出ようとする海咲。瞬間、澪は海咲の肩を掴み、此方に向かせた。
「俺はお前のサーヴァントとは認めたくないが…サーヴァント=使い魔は主人の代わりを勤める為の使い魔だろ?ならお前のサーヴァントである俺が首を突っ込まなくてどうするんだよ」
矛盾を突かれたような顔に一瞬だけなる海咲。しかし、
「いいや、澪。お前は私のサーヴァントじゃない。一人の人間だ。余計に突っ込むな」
と何気に名前で呼ばれたが、”サーヴァント”を否定した。部屋を再び去ろうとする海咲。ここで澪にある名案が浮かんだ。
「海咲っ!お前の行動は勇気ある行動ではないっ!”無謀な行動”であるっ!」
「何を…っ!」
「では”勇気”とはなんだ?そうっ!勇気とは、恐怖を恐れず立ち向かう事っ!そしてっ!勇気の素晴らしさは人間の素晴らしさっ!_分かったか?」
見開いた目で此方を見た後、海咲は無言で部屋を去っていった。
「ったく、ツェッペリのオッサンが報われねぇぜこりゃ」
とバルコニーに出て煙草に火を着けようとする。すると、
「ん?ライター切れたか…まだ店開いてるよな」
と言ってバルコニー(2mは余裕で越えてる)から造作もなく飛び降り、門を出た。
「ありがとね、おっちゃん」
ライターを買って帰路に着く。すると複数の気配を感じる。
「っ!」
銃弾が放たれる。龍神無双兵を出現させ、拳で銃弾を破壊する。
「ほら、やっぱ大佐ですって!」
と聞き慣れた声が聞こえる。
「まさか…」
すると、軍服に身を包んだ金髪の眼帯少女が、
「YES!大佐LOVEっ!」
沈黙の次に、
「なんでてめえらこの世界に居るんだよぉぉぉお!」
とかつての世界の仲間、つまり特殊第一部隊の面々が目の前に立っていた…
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