第七話:月日は流れ
「……ルイ、何処だこの野郎ー」
只今私は、外に出ています。なぜなら遡る事一年前……
朝、目が覚めるとルイが居なかった。
「……逃げた、か……」
一言呟くとユアが私に向き直って話しはじめた。
「お姉さん、探しに行こう」
私の手を掴んだ小さな手は微かに震えていた……が、私達は準備万端に生活スペースを出たからね、そりゃもう簡単に敵を倒しましたよ。
ユアは唖然としてたけど。
少し血に汚れると、ユアが格好良いと尊敬の目を向けて来る。
……お姉さん、将来が心配だよ。
「居ないね、何処に消えたのかな……」
「お姉さんは心配しなくても大丈夫だよ。……いつか会えるから」
自分も会えるか不安な癖に元気づけようと頑張ってそう言ってくれるユアの頭を撫でる。
「うん、私が見付けてやるよ」
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ということなのですが、一年……もう一年ですよ。
いい加減出て来てよ、私が見付けてやるって言ったのに全然気配も無いし。
比較的人通りが少ない道を歩いて探してるのにも関わらずみつからない。
「はぁ……」
なんて考えながら溜息をつくと目の前に人影が……。
え、え、もしかしてだけどルイじゃ……うん、だよね。
「……ルイッ」
相手の肩が跳ねるのを見るとルイだと確信する。
感動のあまり抱き着くと、勢い余って二人一緒に倒れていく。
「いっ……何してんのさ……」
何処か不機嫌そうな顔をしているが口調からルイだと分かる。
安心し、糸が切れたのか言葉が一気に出て来る。
「今まで何処に言ってたの……一年あそこから出てずっと探してたんだからね?他にも言いたい事があ……」
……鈍い音がした。
生温い液体が一部から出て来る。
「……さよなら」
最後に視界に映ったのは泣いているルイだった。