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ヒーローとは名ばかりで。  作者: あいすべあ
物語
6/9

第六話:不穏な空気

「ッはぁ……はぁ……」


夜中、目を開けると苦しんでいるルイが居た。

寝ているのに、起きているような……不気味な気配がする。

起こすともっと悪い事が起きる、と思ってしまいなかなか近くに寄れない。


「ルイ……?」


私には、ただ名前を呼んで朝まで手を繋いであげる事しか出来なかった。


----------


「お姉さん?どうしてルイと一緒に寝てたのかなぁ?」


そうなのです、朝起きると私がルイの抱きまくらになっていたのです。


「多分、あのまま寝落ちしたかと……」


「あ、の、ま、まぁ?ねぇ、ルイ何したの……」


「逆に俺が知りたい……」


ルイは壁に頭を押し付けてます、何かごめん。

赤い顔を見るとあ、ルイだ。と少し安心してしまう自分もいる。


「いや、私が一方的に……」


「一方的ぃ?ねぇ、僕は嫌な予感しかしないんだけどっ」


何を勘違いしているのかわからないが、ユアが怒っているのは分かる。

だって、目が笑っていないからね。怖い。

私はユアに胸倉を捕まれて壁に押し付けられてます、昔流行ったと言われる壁ドンなのかな。


「取り合えず、お茶飲んで落ち着こうか」


私はお茶をいれて机へと置く。


「っ……」


ルイがお茶に一向に手をつけないので心配になり顔を覗き込むと、首を捕まれる。

うん、苦しいよ。死ぬ。


「ちょ、ルイ何して……」


お茶はこぼれるは大惨事。


「やめろ、出てくるな……」


ルイが小声で何かを呟いているが聞き取れない。

ユアには聞こえたのか私とルイを引きはがす。


「……とうとう昼にも、ね」


「………」


そのままルイは一言も喋らず、目も合わせずに一日を過ごした。

……このまま喋れないのはやだな……明日は話せるよね。


「お姉さん、明日仲直りしようね」


「うん……」


ユアの声を聞き、安心して眠りに着く。

現実から目を背けて。


次の朝、ルイの痕跡は消えていた。

まるで、存在して居なかったかの様に……。

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