第四話:新キャラは
「えー、お姉さんも万莉さんに……あ、でも仲間だね!」
私に可愛い可愛い妹が出来ました。
というのは冗談で、先程の警報はこの子、ユアが逃げたからだそうな。
ふむ、ヒーローの素質あり……でもね、
「……近くないかな」
「え?何がー?」
「んー、距離?」
凄く近いです、自慢の金髪からいい匂いが香る程。
まぁ、私は全然良いんですがね、ルイが怖いから……私に嫉妬してるのかな、うんうんユア可愛いもんね。
無言の威圧を喰らっている筈のユアは全く気にせず、私に抱き着いて来る。
でも、私の身が危険信号を出しているので無理矢理話題を変える。
「あ、あのさ、ルイとユアって知り合いなんだよね?」
「うん」
「そだよー?橘家に捕まってた時に良く喧嘩してた」
あれー、今凄く重い話を聞いた気がするなぁ……
漫画だと物語中盤位に知る奴。
少し動揺するも、ユアの笑顔を見ていたら話が軽く感じてしまう。
……感覚麻痺しそうだ。
「え、と……ユアのフルネームは?」
「星崎結愛、だよ」
名前まで可愛らしいとは……何という世界の不平等さ。
あぁ、着せ替えさせたい。
フリッフリのスカートとか履かせたい。
「……あんたさ、何か勘違いしてると思うけど、そいつ男だからね」
「え」
「しかも、また声に出てるし……」
「別に着せ替えしてもいいよー、お姉さんだけ特別」
男でも可愛いのね……性別交換しようか。
……あ、ルイはユアの事が好きなんだよね。
いや、別に私はそういうの平気だから良いんだけどね?
年齢とかさ、関わって来る……
「ユ、ユアはいくつなの?」
「14歳になったー」
……ギリセーかな?
え、そしたら私邪魔やん。
愛の巣を荒らしに来た人になる。
「……あんた、ユアにばっかり構うよね」
「え、え、ごめんなさい」
「嫉妬は良くないぞ、ルイクン」
「気色悪い呼び方すんな……」
ルイクンって、某ゲームの幻だか伝説だかの……
に、似てるよね。
んん、漫画展開の王道としては……喧嘩してばかりのライバルがお互いに惹かれ合うってパターンかな。
うん、良い。
「仲良いね~」
「「良くない」」
「あ、はい」
ともあれ、新しい仲間が増えました。
「その格好、いい加減やめたら?」
「僕に似合うし、可愛いからいーんですー」
……嵐の予感。