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ヒーローとは名ばかりで。  作者: あいすべあ
物語
3/9

第三話:仲直りの仕方

先程の喧嘩?から数時間経ちますが、まだ仲直り出来ておりません。

いやまぁ、私がいけないんだけども……


「ルイサーン?ルイサァーン?」


何度呼びかけても返事をしてくれない彼に少し諦めかけるが、恩を仇で返すのも難なので必死に呼びかける。

が、やはり普通に名前だけ呼んでいても反応してくれる筈もなく、ただただ私が一人で喋っているイタい人にしか見えない。


「あ、あー…………ごめん」


言い訳を考えようとも思ったが、全て集めて一言で済ませる。

言い方としては悪いけどこれが一番手っ取り早いと思う。

いきなり謝った私に驚いたのか、ルイは反応して後ろを振り返った。


「い、や……俺も……ごめん」


申し訳なさそうにルイが謝ると、暫く無言が続く。

その無言に耐え兼ねなくなった私は、いきなり立ち上がり声を上げた。


「ルイは謝らなくても良いんだよ。あ、何か手伝う事とかあるかな、出来ることならやるからさ」


どうしても子供と同じ様に接してしまう。

見た目もあるし、実際に年下だし……

普段は下ろしている長い髪をくくり、準備をする。

……普段から縛ろうかな、動きやすいし。


「え、いや別に。……!?」


髪型を変えると、あからさまにルイが反応する。

……もしや、ポニテが好み……


「そっすか……あ、ルイってもしかしてこういう髪型好ミ"」


恥ずかしそうにしながら私の頭を叩く。

仕草は良いんだよ、うん……叩くのはやめようか、痛いから。

叩かれた場所を触っているとルイが私の頭を撫でて……というか心配しながら聞いてきた。


「……悪い?」


何その言葉と仕草、最高です。

ずっとここに居たい。時よ止まれ。


「いえ、全然。寧ろそのままの君で」


あ、やべ、口が勝手に。

口説き文句ならいくらでも出て来る気がするな。

ルイの一つの発見が出来た事だし、これからもこの髪型にしよう。


「え、あ、うん」


動揺して答えるその姿も可愛い。

昔から小さい物が好きな私は人間にも対応するのか……


なんて考えていると、警報が鳴る……え?

ここはトンネルの上の空間なので音はあまり響かないが、トンネル内の音は良く聞こえる。

バレたのでは、と内心焦っているとルイが一言呟いた。


「……また人数が増えそうだ」


そう言うルイは面倒臭そうに振る舞っていたが、何処か嬉しそうにも見えた。

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