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ヒーローとは名ばかりで。  作者: あいすべあ
物語
1/9

第一話:始まりと出会い

「ふぅ、ま、こんなもんかな」



周りのガラクタ達を見てそう呟くと、一気に歓声が上がる。


「ゴーストバスターっ!」

「ヒーローシオリ!」

「格好良いー!」



「あー、ありがと?」


正直、褒められるのは慣れていないので曖昧な返事になってしまう。

少し頬が赤くなるのを感じながらそう返すと…



「可愛い」

「マジキュートヒーロー」

「俺達の嫁」


不思議な言葉が聞こえて来るが、あえて無視をしよう。



2092年、謎の化学兵器…以下、ロボットとしよう。


「まぁ、いきなり現れるからゴーストとも言われてるんだけど…」


ロボット又ゴーストが人類を襲い始め、街は壊れていった。

例え復興を続けて行き、元通りになったとしても、また壊されるだけだ。


そこで、私達が立ち上がった。

ヒーロー、なんて言われているけど実際はゴーストバスターというあまり聞き馴染みの無い職業だ。

私だってボランティアでやろうと思えないからね。


まぁ、最初に戦った時は武器も持ってなかったからすこーし周りの建築物を使わせて貰いました。

んで、そこから武器が支給されて戦えるようになったんだよね。



なんて今までの経緯を思い出していると、携帯の着信が鳴る。

腕を上げボタンを押すと、空間に知人が映る。


…私にだって友人位は居るさ。


「今、大丈夫?ヒーロー?」


「私、これでも生物学的には女だからヒロインだと思ってたわ。大丈夫」


「ハハッ、そうとも言うねー」


少し機械音の様な声に聞こえるが、ハッキリと聞き取れる。

こういう新しい発明を考えているのが、電話の中の声の主。


如月碧衣(キサラギアオイ)だ。



「また新作?」


「いんや、今回は皆で海に行きたいなーと思ってね」


「海………」



蘇るあの記憶……ゴーストバスターとして活動し始めた頃、観衆の目に囲まれて水着を着るという地獄の儀式…。


「ま、ヒーロー様の為にプライベートビーチを持ってるお金持ちの子を呼びましたよ」


「準備が良い!」


そして無駄に発音も良い。


「って事で今すぐ来い」


そう一言残すと画面が消える。



「んな無茶な………」



----------



水着の上からパーカーを着て、友人達が泳ぐのを遠目から眺める。


「汐莉も泳ごうよー!」


いきなり名前を呼ばれ、肩が跳ねる。

あ、私って小林汐莉(コバヤシシオリ)だった、そうだった。

…平凡な苗字で意外でしょうか。

ま、それは置いといて…


「柚子がカメラスタンバイするのやめたら行くかもね?」


「チッ、バレたか………」


あからさまに舌打ちするのやめようか、怖いから言わないけど。

情報屋してるから知らない人にあることないこと言われそうだし。



「あ、万莉さんありがとね?こんな豪華な場所貸してくれて。」


プライベートビーチという場所を貸してくれた本人を見つけ、話しかける。


「いえ、こんなことしか出来ませんから…」



そう微笑む万莉さん、美少女だ。

私が男だったら落ちてる。



「ちょっとお手洗い……」


「あ、こちらになります」


「あ、どうもご丁寧に」


「行ってらっしゃーい!」



残りの二人はどっちが長く潜れるかというゲームをしている。

死んだように見えるからやめてほしい。



用を済ませた後、暫く歩かされ、暗いトンネルの様な所に着く。



「あれ、こんな所通ったっけ?」


「……愚かな方」


「え、何か言っ」



瞬間、トンネルの入り口が閉まり、赤いランプと警報がトンネル内を照らす。


「ここまで来ないと分からないとは。」


鼻で笑ったかと思えば、あからさまに物騒な物を構えている。

美少女怖い。


「落ち着こアブネッ」


話し掛けようとしたが、相手は構わず撃ってくる。


…今持ってるのは、脚に装着したナイフと、携帯、銃、飲み物、携帯食。

碧衣の発明ばかりだな。どれも携帯できるタイプだ。

あ、銃って言っても小さいお手頃な…って考えてる場合じゃないな。


ここじゃ、完全に不利だ。

取り合えず……



走ろう!



「……は?」


いきなり走り出した私を見て、驚いた様子で立ち尽くす万莉さん。

が、すぐに撃って来る。



「お、丁度良い壁!」


といい、壁に隠れるフリをして上に上がる。

ここなら少しは隠れられるか。

戦闘経験が活かされるなー、なんて考えていると下から声が聞こえて来る。



「今度は女だと、17だかそこらの小娘」


「はっ、楽勝だな」


うんうん、油断してくれる程動きやすい。

今度は、という部分に引っ掛かるも今はそれどころじゃない。



取り合えず外に出られそうな所……。

と探そうと思った矢先、後ろを振り返ると、


「あ」「げ」



美少年という言葉が合いそうな男の子が立ってました。   



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