普通の幸せな日常
「夏樹、朝ご飯」
「あぁありがとう」
昨日から恋春が俺の家に引っ越して来た。
恋春のご飯が食べられるなんて夢みたいだ。
「今日は何時に帰ってこれるの?」
「多分6時くらい。遅くなるようだったら連絡するよ」
「うん」
「何かあったらすぐに連絡しろよ」
「わかってるって」
俺たちはそんな話をしながら朝食を食べる。なんか新鮮だな。
時計を見ると7:30だ。
「あっそろそろ行かなきゃ」
俺はそう言って席を立つ。
自分の部屋に行き慣れた手つきでネクタイを結ぶ。
駆け足で玄関に行き、靴を履く。
「夏樹!」
振り返った瞬間、恋春にキスされた。
「はい、お弁当。いってらっしゃい」
「あっありがとう。行ってきます」
俺はそう言ってドアを開けて階段を駆け足で降りた。
なんか結婚したみたいだ。
俺の仕事はディスクでの仕事。資料の製作や資料の打ち込みが主な仕事内容だ。週2くらいで外回りをすることもある。
「夏樹~ちょっとこっちに来てくれ~」
「はい部長。なんですか?」
部長はなんかの資料を見ながら唸っている。
「今日、一緒に外回りに来てくれないか」
「帰るの何時になりますか」
「7時くらいだと思うが」
「そうですか…」
今はなるべく早く帰りたい。恋春が家で待っていてくれるから。
「どうかしたのか」
「いえ。昨日から彼女と同棲し始めたんで、なるべく早く帰りたいんですけど…」
「おぉ、夏樹のやっと彼女ができたのか」
「まぁ、どっちかっていうと復縁したって言うか」
「そうかそうか。どっちにしろめでたいことだ。今日は早く帰っていいぞ」
「ありがとうございます」
今日はそんな部長のおかげでいつもより1時間早く家に帰れた。
「ガチャ」
俺は家のドアを開けて家の中に入った。すると、恋春がキッチンから出てきた。
「あれ?夏樹帰ってくるの早いじゃん」
「うん。部長が早く帰らせてくれたんだよ」
「いい部長さんだね」
「うん。俺は今の課で本当に良かったよ」
本音だった。
俺は靴を脱いでスリッパに履き替える。
「ねぇ、夏樹」
「ん?」
「ご飯とお風呂、どっちがいい?」
俺は一気に顔の熱が上がるのが分かった。
「あのね、一度は言ってみたかったんだ。ねぇ、ご飯とお風呂、どっちにする?」
「軽くシャワー浴びてきます…」
「OK。じゃあ、その間にご飯の準備しとくね」
恋春はそう言ってキッチンに行った。
俺は軽くシャワーを浴びて部屋着に着替えると、リビングに行った。
すると、テーブルの上に色とりどりの料理が並べられていた。
「恋春、すげぇな」
「でしょ?頑張っちゃった。ほら、早く座ってよ。食べよ」
「あっうん」
「「いただきます」」
俺はそう言って恋春のご飯を食べた。
洋風の恋春のご飯は家の味付けとは違うけど、とってもおいしかった。
「「ごちそうさまでした」」
「ねぇ、夏樹」
「何?」
「お風呂、どっちが先に入る?」
「俺はさっきシャワー浴びたから恋春が先入っていいよ」
「OK」
恋春はそういうとお風呂場へ行った。
20分くらいすると恋春がお風呂から上がってきた。部屋着を着てる恋春はすごく可愛い。
「夏樹、いつでもいいよ」
「わかった」
「そう言えばさ、ここに来てから思ってたんだけど、夏樹の家って意外と綺麗だよね」
それを聞いてちょっと失礼なと思った。
「どんな家だと思ってたの?」
「家具が必要最低限しかなくて男の一人暮らしだから汚そうだなぁってね。でも、案外綺麗でびっくりした。家具もちゃんとそろってるし」
「恋春は、俺をけなしてるの?褒めてるの?」
「褒めてるに決まってんじゃん」
そう言って恋春は俺の肩を軽く叩いた。
俺は仕返しに恋春を軽く叩く。
「あぁそうですか」
「えぇ〜適当過ぎない?」
恋春はそう言うと俺に抱きついてきた。ちょっと痛い。
「恋春さ〜ん。ちょっと痛いんですけど」
「ふふっ」
そう言うと恋春は俺から離れた。そして、「お仕置きだよ」と言ってキッチンに行った。
俺には何が何だか訳が分からない。まぁ、恋春が笑顔ならそれでいい。だって、俺は恋春の笑顔を見るのが好きだから。
これからも普通の幸せの日々がずっと続いて欲しい。
これからも恋春の明日を見つめて生きて行ければ、他には何もいらないから。




