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疲れた。

「み、美羽さん!?」


花恋が驚いた表情でこっちを見ている。


私と言えば相変わらずツルが絡みついてる状態。



絡みつく…


絡み合う感じ?


絡み合う2つの…?



なんだか卑猥な言葉に聞こえるね!!


それってすばらしい!



卑猥サイコオオオオオウ!!!!


と叫びたい。




そういえばこのツルって、すごいんだよ?



まず、いきなり地面から生えてきますー


私に巻き付いて背中を吊り下げますー


どんどん持ち上げられていきますー


私、空中をぶらんぶらんしますー



で、今の状況の完成!



「か、かれん… た、たすけ、て……」


うわっやっば。


声すごいかすれてる。


体が圧迫されてるから、思考とは裏腹に言葉が出にくいし…。


あんま息が続かないってやつ!



「ど、どうしてこんなことに!?」


さっきまで驚いてた花恋は、今度はパニックを起こし始めた。



いやー、多分私が一番驚いてるんだけどなー



頭を抑えて一生懸命考えてる花恋もかわいいけど!


わたしゃ先に助けて欲しいんですよ!



…でもさ。


たくさんの時間が流れたよね。


それで私、気づいちゃったんだ。






ーーーもう、花恋は私のことが見えてないのーーー





はい! おっけー


ちょっと感動映画っぽかったっしょ?


名付けて、『私と花恋のコ・イ・バ・ナ♡』



うーん。 我ながらネーミングセンスないなあ。


それに、コイバナもなんかしっくりこない…。



ま、ただ花恋が動揺しすぎて、視界に私が入ってないってことが言いたかっただけですけどね!!



とりまだなー、この状況をなんとかせねばならんのだよ。


ってことで、視界に入れてくれないなら自分から入りに行こうと思いまーす。



「うぅぅぅぅぅぅぅぅぅ」



背中を大きくグラインド!



ゆけ! 私のぼでぃーっ



ツルを千切れ!


切り裂け!!


そして土の堆肥になって、私を縛り上げたことを後悔するがいい!!


フォーエバー、永遠にな!!!



クーックック




「美羽さ、グ………イィ……ド…」(美羽さんグラインド!)


「み……さ…………しぇ…ぅっ…」(美羽さんシェイク!)


「はっはぁ…はぁはぁ……」



このやろうっっ


疲れやすい体がもっと疲れやすくなってる!!



お、おらはもうだめだ……。




「え、何でしょう、このうめき声ときしんでいる音。

まるで獣が暴れているような……」


しばらく一生懸命暴れてるとやっと思考が戻ってきたらしい。


周りをキョロキョロし始めた。



獣が暴れてるようなってのが気になるけど…



獣のように飛びついてやろうか!!!


だがしかし! 私の愛に免じて許してやろう!



「グッ…。わた、し…こ_こ……」


「あ!!!美羽さんっ!!!!」


私を発見すると花恋は何かを言った。


するとツルはしだいに透明になって消えていった。


体の圧迫感も無くなった。



「ゴホゴホッ スーー ハーーーーー」


思う存分息を吸って吐く。


空気って美味しいね!!



ー失って初めて気づくものー



なんか今日は映画に気持ちが行っちゃってるなー。




そういえば、ジェットコースターに乗ってる時みたいな心臓が浮いてる感じがしてるけど、きっと気のせいだろう。


どうせ、圧迫から解放されて、私の心臓も喜んで暴れてるだけだろう。



「み、美羽さん!!!

落ちてますっ!!!!!」


「え、何が?」


花恋に叫ばれて、いままで瞑っていた目を開ける。



「うっわぁぁぁぁぁぁぁぁ!

フルークッ! フルークフルークゥゥゥ!!」



何が落ちてるって私が落ちてたし!


五メートルだったら地面とごっつんしてもミンチにはならないと思うけど、絶対痛いし!!


ねんざとか打撲とか骨折とか内臓破裂とか望んでおらんし!!


 




ピタ。



「せ、せーふ__」



地面まであと10センチくらいの所でやっと能力が発動した。


やっとって言っても元々地上約5メートルからの落下だから、一秒以内で発動したんだけども。


態勢をたて直していると、花恋が泣きそうな顔をして寄って来てくれた。


「本当にごめんなさい!!」


ガバッと頭を下げられる。


「えっなんで謝るの?」

「だ、だって!!

美羽さんは私の能力、覚えてますか?」


「んーと。えーっとー……。」 



あれ?


なんだっけなー


花恋だから『かれん』の『か』が頭文字かな?



でも、私のはフルークだしなー



「あ、あはっ☆」



すみません覚えてませんでした。


い、いや花恋に興味がないとかじゃなくて、ってかむしろ興味津々なんだけどさ!!


そういうことは忘れちゃうってゆうね!



「私の能力はピアンタです!

植物を操る力なんです!」


「ってことはもしかしてさっきのって……花恋!?」



花恋は飼い主に怒られる前の犬みたいに縮こまった。


目をうるうるさせてすごい怯えてる。




………かわいい。



かわいいのは初めから知ってたけど、もっとかわいいよ!!


ペロペロしたーーおおっとっとっと。



守ってあげたくなるかわいさってやつ?!


怯えさせた原因は私だけど!!!



「あっでも! 確かにちょっと苦しかったけど全然余裕だったから!!

あんな状況でも普通にアダルトな思考回路に走ったりしてたから!!」


「あ、あなたという人はまったく…」


「でへへっ」


おどけてみせる。


「ふふっ」


笑ってくれた!!!



なんかこういうシチュ過去にもあったような気が…。



あれだ!


入学式の日に寮に行った時あたりだ!!


そんなに前のことでもないのにもう懐かしく感じる。


まぁ、この時期になるとほとんど毎年思ったりすることなんだけど。



あの日は花恋と姫という美少女たちと仲良くなれた運命の日ね!!



はぁ。 にやけちゃうぜぃ!



「どうしてそんなに嬉しそうなんですか?」


すっかり元の穏やかさに戻った花恋が優雅に聞く。



「ちょっと昔を思い出してさっ。」

「お、思い出し笑い…」


花恋が引き気味に言う。


そ、そんなに哀れんだ目で見られたら私…。 かっこ照れ



ーーーバタバタバタバタ


「か、れんっ!さっきの力ってーーはぁ、はぁーーあんたのよね、ーーはあ…ふぅ」



なぜか疲れきっている姫が、全速力でやってきた。



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