第十一話 鬼王の業
ボインな姉御登場!
霜鬼の中に建っている白い建物『白梅』
その白梅内奥の執務室では、鬼王が書類捌きの手を休めて作業をしていた。紅い石で造られた不思議な物体を真剣な眼差しで見つめ、彫刻刀で少しずつ削っていく
カリカリと紅い石が削れる音を部屋に響かせながら、鬼王は作業に集中している。暫くして鬼王が背伸びをした。どうやら、造っていた物が完成したらしい。自身が造った物を眺めているその顔は満足げな様子だ
鬼王
「うむ、我ながら上出来だな」
??
「それはなんだ?」
鬼王
「見れば解るじゃないか」
??
「全く解りません」
鬼王
「猫に決まっているだろ」
鬼王が手にしている紅い不思議な物体は本人曰く『猫』のようだ。・・・猫と言うにはかなり無理があるように思う二人の鬼は、微妙な表情をしている
鬼王作の猫は胴長短足、尻尾は真ん丸、顔は・・・ぶちゃいく・・・という、保育園児が粘土をこねこねして作り上げ『にゃんこ(*^∀^*)』と命名した物体によく似ている
((センス無ぇー))
??
「鬼王ちゃん、センス無いわね」
心の中でハモる二人。すると、二人の思考を代弁するかのように、後ろから艶かしい艶やかな女性の声が聞こえてきた
鬼王
「ヒドイ!」
??
「仗美さん」
仗美
「久し振りね、那醉。相変わらず、触り心地の良い胸ねぇ♪」もみもみ
那醉
「ちょっと仗美さん!セクハラ!あと、胸押し付けないで!」
仗美
「んっふふ♪ あら、氷桜ちゃん居たのね」
氷桜
「居て悪いか?」
仗美
「つれないわねぇ」
鬼王
「無視しないでくれ!」
三人、ガン無視
鬼王
「コイツラヤダ・・・(涙)」
***
仗美
「っで、いつになったら悠希ちゃんに会えるのかしら?」
那醉
「まだ駄目なんですか?」
氷桜
「この馬鹿が悠希の記憶を弄ったからな」
鬼王
「馬鹿とはなんだ、馬鹿とは」
仗美
「鬼畜外道鬼スケベロリコン」
鬼王
「仗美がイジメル!(泣)」
鬼を統べる王は身内の精神攻撃になす術はないらしい。まあ、彼が此処まで弄られるのは悠希が関係している訳で、彼自身が引き起こした云わば自業自得なのである。なので、彼は文句を言えない
仗美
「あなたが氷桜ちゃんの娘を拐って記憶を消してしかも封呪をしたのが悪いのよ!」
豊満な胸を揺らしながら仗美が鬼王に怒鳴る
そう、悠希に六歳前の記憶が無いのは鬼王が彼女を拐い、記憶を消してしまったせいなのだ。そして、記憶が戻らないように封印の呪いをかけた為、悠希は消された記憶を取り戻せずにいる。
鬼王
「私にも色々事情があったんだ。やりすぎなのは自覚している」
鬼王は重々しい口を開く。やりすぎだと気付いたのは、既に悠希に封呪をかけてしまった後だったが・・・。鬼王がチラリと氷桜を見ると一瞬目が合ったが、すぐに彼は仗美の方に視線を反らした
氷桜
「・・・。なあ、仗美。少し付き合ってくれないか?」
仗美
「何か奢ってくれない?」
氷桜
「クックの照り焼きバーガーでどうだ」
仗美
「チーズバーガーが良いわ」
氷桜
「分かったよ」
執務室を出ていく仗美と氷桜。二人を見送った那醉は猫もどきを弄っている鬼王に視線を向けた。鬼王は猫もどきを見つめたまま、那醉にある事を問いかけた
鬼王
「あの事、言ってないのか?」
那醉
「貴方から氷桜さんと悠希ちゃんに説明すべきだと思ってますから」
鬼王
「厳しいな・・・」
那醉
「それが貴方の業です」
那醉はキッパリと告げると執務室を出ていく。残された鬼王は左頬に刻まれた切り傷を触り、ぽつりと呟いた
鬼王
「私の業・・・か」
仗美
女性の姿をした鬼『鬼女』。鬼女たちの憧れであり、実力者であり、女性限定の変態である。氷桜や鬼王とは昔からの仲であり、ちゃん付けで呼んだりしている強者。『魅惑で妖艶な鬼の女』の二つ名に恥じない抜群のスタイルに天然の巨乳を持つ。イメージは東方の星熊勇義。
胸元が大きく開いた着物を多数所持しており、谷間を見せ(rk
あ、仗美さん、あぷうぷむぷ!・・・カクン「うっふふ♪可愛らしい・・・」ずーるずーる
那醉
仗美と同じ『鬼女』であり、悠希が五歳になるまで世話をしていた育ての親・・・と言うより年の離れた義姉。仗美と仲が良く、一緒に酒を飲んだり仗美のスキンシップ(と言う名のセクハラ)を受けたりしている。鬼王の頬にある傷の原因を知っている数少ない目撃者
仗美と比べると胸はまだま(rk
ちょっ、那醉さん、今話しちゅ、な、あ、・・・カクン『・・・///』ずーるずーる