人間の本質は
人間の本質は
今日大学のとある講義で課題が一つ出された。珍しいなと思いつつ課題の内容をちゃんと聞いた。
"今日は主にヒトについて学んでもらったから、課題はヒトを他の生物に例えるとしたら何か。にしようかな。ああ、生物っていうのはあれだよ。定義されてる生物ね。ウイルスとか無機物はだめ。物質もだめだよ。ってそれぐらい分かるか!"
なんだよ。ヒトについて学んでおいてヒトを他の動物に例えるとしたらって。意図が全く分からん。これにレポート書く労力割きたくねえよ。つかなんだよ。それぐらい分かるか!って舐めてるだろ。無意識に人を煽る癖直したほうがいいのに誰も言わねえし。まあ俺も言えないけど。
「なあ、ヒトを他の生物に例えるってなんだよ」
「知らねえよ。課題のまんま俺に聞くな」
「だってわかんねえもん」
「考えるのが課題だろうが」
「つめた!一緒に考えるぐらいしてくれよ~」
「はー?一緒に考えたいならまず自分の考えを持つんだな」
「ん~、あ!なあなあ、お前は今回の課題どう考えるよ」
「そうだなあ、まあ無難に?猿とかそこらへんかな」
「お~、なら俺はオラウータンかな」
「は、ずりい。俺の意見聞いておいて一番人間に近い生物とかないわ」
「もうだめです~俺が言ったんで」
「クソやん。なあお前はどう思うよ」
「こいつの性格わかってて言ったお前も悪い」
「はぁーー???」
「うわっ、掴みかかんなや。お前もって言ったやろが」
「...ならいいわ」
友達と課題について話し合い?したことを思い出してみたけど、特に参考にならないわ。
俺も無難に猿とかそこらへんにしたいけど、なんかパクリになりそうで嫌。
かと言ってAIに聞いても結局、遺伝子が近い動物を出してくんだろうな。
自分で考えないとだめかー。
授業ではヒトの歴史だの、中身だの、何が他の生物から秀でてるかだの、時折それは理系でやるようなことか?ってつっこみかけた。
”ヒトを他の生物に例えるとすれば”なら、遺伝子とかよりもっと本質的というか、行動が似ている生物を探すべきな気がしてきた。
遺伝子より本質的とか理系にとってあるまじき考えな気もするが、そんなもん知ったこっちゃない。
どうあがいても猿系の似たり寄ったりなレポートが多くなるんだから。それこそ理系としてどうなのよって話だ。
……だからといって今すぐにヒトと行動の指針が似ているような生物がパッと浮かぶわけではない。
とりあえずヒトと聞いて俺が思う浮かぶ行動指針を羅列すればいいか。
えっとまずは
・正しいこと
倫理で習ったことだけどまあ、あってるだろ。大多数の人間は悪に生きようとは思わないだろうし。
他には
・悪は滅ぼす
物騒だけどニュアンス的には多分こう。悪だとわかった人間には容赦ねえよなー。
あと一つは欲しい
・周りに流される
違うな
・周りに同調しがち?
まだ違う気がする
大多数が正しいといえば、正しいと思い込んでしまう。
こんなことを言いたいけど、良さげな言い換えが思いつかん。
なんというか、一人だけで意見を述べないよな。どんなに正しくても周りが違う意見持ってたら不安になって言わないよな。
大学とかってそういうの直に感じる気がする。さっきも考える前に俺に聞いてきたし。そのあとおそらく殆どの生徒が書くであろう猿系にしてたし。
あいつがそういう人間っていうより、多分ヒトに当てはまる気がする。無難に多数の意見のほうに行っておくみたいな。
日和ってんのかな。いや別にね、俺が日和ってないわけでもないんだけどさ。俺だって多数派の方に合わせるときだってあるし。無難にね?
こうやって考えたら、人間の本質って日和りなのかも。
いたっけ、こういう性質、行動指針の生物。つまりビビりな生物ってことでしょ?
なんとなく手元にあった教科書に手を伸ばしてみた。
ん、微生物の教科書だ。
なんとなく、パラパラとめくってみた。
ヒトに住む菌、俺らの体に住むのが安全だろうけどさ、やめてほしいよな~
俺腹弱いんだよ。すーぐパワーバランス崩れやがってよー。悪玉菌とかいらんわまじで。
あれ、なんだっけ。善玉菌と悪玉菌だけじゃなかった気がする。
気になって次のページを開いた。
「ああ、日和見菌だ」
日和見菌




