42話 譲れない
救助活動を開始したのが、昼の少し前。
そこからかなりの長期戦を覚悟していたが、なんと太陽が沈む少し前には、帝都の救助活動は完了した。
その異常なまでの早さの救助完了は、元々重傷者はいなかったから、魔法使いや騎士でも習得している人の多い簡易回復魔法でも、回復させることが出来た……ということもあるが、救助活動が伝播していったことが一番の要因だ。
城の中の人だけでなく、街中で救助を受け回復した人達も、周りの人の救助を始めてくれ、またその回復した人が周りの人を救助っていう具合にね。
この嬉しい誤算は、帝都の街をほぼ正常に活動出来るまでにしたようだが、城内が正常に戻るのはかなり先となる。
リーンのサジタリウス家と皇帝のピスケス家以外の十二家は、皇帝戦争の為に既に帝都に到着滞在していたので、直接この騒動を目にしたところか被害にあっている。
だから皇帝への責任追及など、色々と政治的にあると聞いた。
まあ、そんな問題は残っているが、今俺に出来ることは終わったし、俺は俺のことをやらせてもらおう。
「ぶっ!? 失礼しました……」
家臣さん達と一緒に予約しておいた宿へ移動すると、ユノに呼ばれたので言われた部屋へと入ったが、そこには白く柔らかそうな裸体と、褐色でスタイルの良い裸体が。
だから回れ右してドアを閉めようとするが、不思議とこういう時は、身体はゆっくりとしか動かない。
「良いのよ、入って」
スローモーションで動く俺に近付いて手を取り、中へと何故か引き込むユノ。
「良いって……着替え中じゃ?」
「ううん、これからする為に、脱いで待ってたの」
脱いで待ってた?
ユノは隠すことなく、見せつけるようにフルオープンで、リーンは手で胸と下半身を隠している。
えっと~、この状態でするのって、話し合いじゃなくて、まさか3(ピーッ!)?
「ちょっと待て待て。昼間二人で話し合ったんだよな?」
「ええ、じっくりと。これはその結果よ」
「いや、結果も驚きだけど、まず過程を話してくれよ」
「してからでも良いんじゃない? どのみちすることになるわよ? それにこんな状態で話してたら、風邪引いちゃう」
◆◆◆
風邪引きそうなら、これでも被ってろと、ベッドから布団をとってきて二人に被せると、ブーブー言いながら、ユノは話し始める。
「崩れていく部屋で、助かる可能性が高かったのは、自分だけ逃げていくことだった。でも、アナタはそれを選ばなくて、私を助けてくれた」
「結果助かっただけだ。でも、それがどうした?」
「うん、聞いて。そしてそんなアナタは、この一ヶ月リーンも色々な面で助けているわ」
「まあ、そうなるのか?」
「そうよ。そして今日、直接的間接的にこの帝都を助け、たぶんこれから先も誰かを助けていくアナタには、私達のように好意を持つ人が出てくるわ」
「ははっ、そんなことは」
「あると思うわよ。好意だけじゃなくて、アナタの力なんかを手に入れたいって人も、必ず出てくるわよ」
そっちは、ありそうだけどな。
「だから私達、お互い百歩以上譲ることにしたの。私達が争っている間に、アナタを好きでもない奴に、アナタを盗られるなんて絶対嫌だもの。私達と同じくらいアナタを好きな人が現れて、アナタがその子に好意を持ったら、仕方ないと思うしかないでしょうけどね。その時は、一緒にアナタを愛していくわ」
「……」
「それでリーンのことに話は戻るけど、良い子だって思ってるでしょ? 帝都への途中でそんなこと言ってたし」
「まあ……ね」
「でも、アナタ自分で気付いてないだけで、リーンのことが好きなはずよ?」
「え……いや、ええ?」
「だって私、アナタが自然と目でリーンを追っていたの知ってるのよ。視点はフヨンフヨンと揺れるオッパイに合っていたけど」
「……」
「ね? ここまでの話で、何の問題もないことがわかったわよね? それで私とリーン、どっちで童貞を卒業したい?」
「………え?」
「だから今からエッチするのよ? それで初エッチの相手は、どっちが良いのかなって」
「………どっちって?」
「アナタがどちらを選んでも、私達覚悟は出来てるから。あっでも初めての中出しは、童貞を卒業した相手じゃない方にして、そのまま二連戦ね。そこは譲れないってことになってるから」




