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41話 変装

 皇帝の件と聞いて、監禁中の皇帝に何か変化があったのかと警戒したが、モーデルさんが話してくれた内容は、世界樹が帝都を覆った時のことだった。


 根の張った状態の皇帝が、『全ての富も快楽も私のもの!』とか言いながら、呪文とも呻き声とも聞こえる言葉を発し、枝を操り襲ってきたというのを、目撃者した人が多数いるらしい。


 そしてそれとは別、まだ根が張る前の皇帝は、延びてきた枝から必死に逃げようとしていたという、そんな発言をする目撃者も何人かいるようだ。


 皇帝は世界樹を操っていたか、それとも操られていたか、それを判断するにしても、後者の目撃談は皇帝を庇っている可能性もあるから、もう少し情報が欲しいところではあるな。



「皇帝について、ご報告は以上です」


「報告してくれてありがとう、モーデルさん。興味深い話だった」


「いえ、それでもう一つご報告が。城内の回復した者ですが、帝都の救助活動に部隊を編成して向かうそうです」


 こんな騒ぎの後、城内に入り込み皇帝を監禁したのが、サジタリウス家の紋章を付けた人間なのだ。

 ひと悶着起こるかもとは、俺でなく家臣さん達も警戒はしていたが、全ての力を帝都の救助に使ってくれるのか。

 これは有り難いね。


 

「それならその人達も含め、救助活動をする人達を、全て俺の前に連れてきてくれる?」


「はい、それは可能だと思いますが、何を?」


「体力と魔法を持続的に回復させる魔法を、その人達に掛けさせてもらう。ほら、この魔法……この効果が約二時間続く」


「これは!?」


 今まで救助の指揮をとっているせいで、疲れの見え始めたモーデルさん。

 彼女への回復ついでに、説明も不要になるだろうと、二つの魔法を掛けると目茶苦茶驚いた顔をする。


 きっと体力魔力の回復が、この一瞬で確認出来たのだろう。


 だがさすが親衛騎士団長になった人、驚いているだけでなく、これが救助活動でどれほど有益なことかを、直ぐに理解したようだ。


「急ぎ全員を集めてきます! 失礼します!」


 一礼した後、鎧をガチャガチャガチャと鳴らしながら、城内へと爆走していった。




 ◆◆◆




 モーデルさんが爆走していった後、黒いマスカレードマスクを取り出し、ある物に改造を始めた。


 それは変装の定番アイテム、黒ぶち伊達メガネ。


 家臣さん達は俺と初対面になるが、帝城の中の人間にはそうではない人が、ごくわずかだけどいる。


 俺を世話してくれていたメイドさんや、淫乱童貞ビッチだった俺を目撃した人達だ。

 俺を覚えているかは分からないが、仙人設定となった俺が、あの淫乱童貞ビッチとソックリでは、ちょっと都合が悪いからね。



「よし、出来た。おお! 名探偵だよ、名探偵!」


 指でグリグリと改造すること数分。

 思い描く黒ぶちメガネが出来上がり、装着した姿を窓ガラスに写してみれば、名探偵な感じで大満足。



「お待たせいたしました。先ずは一階にいた者に声を掛けましたので、順にこの場に参ります……あの、そのお姿は?」


 また爆走して戻って来たモーデルさんが、俺の顔を見て不思議がる。


「ああ、これは魔道具だよ」


「魔道具ですか、とてもお似合いですね」


 そうか、この世界で見たことのない黒ぶちメガネだが、変じゃないのならひと安心。


 さあ、それじゃあ変装も決まったことだし、全力でいこうか。

 


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